カナダにおける10年ぶりの2世総理の新政権への交代

カナダにおける10年ぶりの政権交代

本年10月19日に投票が行われたカナダ総選挙では、ジャスティン・トルドー氏(43歳)が率いる野党第2党の自由党が過半数議席を獲得し、10年ぶりにハーパー首相率いる保守党からの政権交代が実現した。G7のメンバーであることから、財政再建での成功物語を、ホームページでのトピックスで扱ったことがあるが、我が国での報道でのカナダの扱いは、極めて薄い。しかし、この歴史的な政権交代劇の背景を少し探ってみたくなった。

自由党は下院の定数338議席のうち184議席を獲得、保守党は100議席で野党第1党、野党第1党だった新民主党は43議席となった。

トルドー党首はピエール・トルドー元首相の息子。選挙戦終盤で支持率トップに躍り出た。同氏は米オバマ政権との関係修復や、過激派組織「イスラム国」に対する軍事行動から手を引き、人道支援などに重点を置くことなどの政策を訴えていた。自由党は比較的保守党より「移民に優しい」というイメージがあります。

実は、このカナダ自由党、2008年に103議席から77議席に減らし、2011年の選挙では、さらに34にまで議席を減らし、壊滅的敗北を経験した政党である。それが、2年後の2013年に、2008年の初当選からわずか5年しか経っていない当時41歳のジャスティン・トルドー氏を党首に選出してから、党勢の回復が始まっていました。


彼の父はピエール・トルドー元総理は、当時いわゆるTrudeaumania」(トルドーマニア)を巻き起こし、若者、特に女性の政治への参加を上昇させ、また、現在の多文化国家の原型を作り上げ、公用語を英仏二カ国語と定めたのも彼でした。建国の父とも言ってよい大政治家の御曹子なのでした。

今回は2「Trudeaumaniaを巻き起こしたと言われているジャスティン・トルドー氏。実はBC州の大学も卒業していて、バンクーバーにある高校で教師をしていた時もありました。

  • 選挙形態:議会選挙
  • 議員定数:338名(前回より30名増)
  • 選挙権:18歳以上のカナダ国民
  • 被選挙権:18歳以上のカナダ国民
  • 選挙制度:完全小選挙区制

総選挙前の議席配分  ――――――→  今回の結果

  • カナダ保守党(CPC):166 議席―――→100
  • 新民主党(NDP:103 議席―――――→43
  • カナダ自由党(LIB:34 議席――――→184
  • ブロック・ケベコワ(BQ) 4 議席――→10
  • カナダ緑の党(GRN) 1 議席――――→1
  • 無所属(OTH) 1 議席―――――――→0

今回の総選挙の、注目すべき点は

 1:選挙期間が通常の5週間より長い11週間とされ、与党の劣勢挽回が期されていたと言われていました。

 2:与野党どの党も過半数を獲得できないと予想されていました。

2点でしたが、投票率は前回を大きく上まわり、68.5%となりました

因みに、カナダ史上において連立内閣が誕生したのは第一次世界大戦中の一度だけだそうで、過半数が取れなければ、少数派与党「Minority Government」になり、不安定な政権になります。

カナダの政治の日本との違いは?

カナダは10の州と3の準州を持つ連邦立憲君主制国家です。オーストラリア、ニュージーランド同様、英連邦王国のひとつであり、君主はエリザベス2世。君主の代理をカナダ総督が務めています。首長は、総選挙により選出される連邦政府の首相であり、解散時はスティーブン・ハーパー氏(保守党)が務めていました。

カナダは日本と違い、各州に大幅な自治権が委託されています。その為、それぞれの州に首相、内閣及び議会があります。都道府県ごとに「内閣」があるような感じです。

日本と同様、議会は二院生を採用していますが、元老院(上院)には選挙がありません。議員は首相の助言により、総督が君主の名で任命します。

 

 軍事評論家の 北村 淳 氏は、「若き党首ジャスティン・トルドーが率いるカナダ自由党はなぜ空前の大勝利を収められたのか。その最大の理由の1つが、「アメリカ主導によるISに対する爆撃からカナダ軍を離脱させる」というカナダ自由党の主張であった。」と明言されているが、上記の限られた情報でも、トルドー党首が激派組織「イスラム国」に対する軍事行動から手を引き、人道支援などに重点を置くことなどの政策を訴えていたのは確かなようだ。

カナダの選挙民が、選挙前の世論調査を大きく狂わせた結果にした背景を、選挙音痴の吾輩が分析するに、建国の血筋への信頼と期待そして政治の安定を望んだ女性と若者による投票率の向上が大きく貢献しているような気がしてなりません。その判断の背景についての情報をもう少し見守り続けてみたい。

                                                                                 以上

 

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