【アメリカ大統領選挙物語】続く

【アメリカ大統領選挙物語】続く

 

一.はじめに

   昨年3月に正式にスタートした2016年のアメリカ大統領選挙の動きを、公開資料をもとに、編集してみました。米日のマスメディアの報道のほか、アメリカ ウォッチ:https://shimamyuko.wordpress.com/ での掲載記事が、主な情報源です。7月の全国大会での指名前の、予備選挙の状況が中心になっています。我が国はもとより、グローバルな影響が必至と思われる歴史的な事実を見守りましょう。

 

 1)大統領選挙への出馬表明とキャンペーン

     支持率5%以下で指名の可能性がない多数の候補者がキャンペーンを続ける理由は、候補者としてキャンペーンを続ける限り寄付金を得ることが可能であるからである。また、キャンペーンは書籍の販売、知名度拡大の機会を促進するため、大統領候補者である事そのものが自己プロモーションの絶好のチャンスである。

(民主党)

2015年4月12日 ヒラリー・クリントンは、2016年大統領選の民主党候補としての正式な出馬声明を、ソーシャル.メディアを通して、東部時間午後3時に公表された僅か2分間の選挙キャンペーン.ビデオで行いました。彼女は、選挙キャンペーンの政策メッセージの一部に登場し、短い立候補宣言で「私は大統領に立候補します。アメリカ人は毎日チャンピオンが必要です。貴方の時が来ていますので、私は貴方の投票を得るため駆け巡ります。貴方がこの旅に私と共に参加して下さることを望んでいます」と述べた。華々しい公表ではなく、クリントンは週末、早期投票が行われるアイオワおよびニューハンプシャー州で、有権者との集会による小さなキャンペーンを実施し、個人を訪問することも含めて既に大衆の中に入る地道な戦いを開始した。キャンペーンのテーマは中産階級の経済向上であり、経済格差を縮小することである。ビデオは、米国大半の家庭はまだ経済的に厳しい状況である事を描写し、家庭が強くなることがアメリカを強くする事であるとのメッセージを送った。

12日のニューヨーク.タイムスは、クリントンのキャンペーンは小規模で始まるが、大統領候補者の中で、キャンペーンのコストは誰よりも多額になる事が予測されていると報じた。このキャンペーンで圧倒的に彼女の立候補を後援する民主党の支持者は、政治行動委員会(PAC)に寄付する金額が25億ドルになると予測されている。ファーストレディから上院議員に選出され、その後国務長官という著しい経歴を持つ女性は米国の政治史上ヒラリーが初めてであり、知名度の高さは誰にもひけを取らない。これに加えて、女性の地位向上キャンペーンで数十年間貢献したきたヒラリーに対する女性の支持率は歴史的に高いと言われている。米国人口の大半は女性であるが、大半の女性は民主党を支持する傾向がある。また、年配者の白人女性、若い女性、及び少数民族など幅広い層に支持されている。

 

(共和党)

    一方,共和党ではテッド.クルーズが最も早い3月23日に、ランド.ポールは4月7日に、最も若いマルコ.ルビオは、4月13日に、サントラムは5月 17日に、ハッカビーは、5月5日に、フィオリーナは5月4日、最初の共和党女性候補者として、ベン.カーソンは、5月4日に、それぞれ出馬表明した。

 

 

(2)討論会

10人の共和党大統領候補者の最初の討論会は、2015年8月6日東部時間午後9時からクリーブランドで開催された。過去のどのディベートより最も娯楽的であった。おそらく、ステージ中央の位置を提供された型破りのドナルド.トランプが舞台の主役であったせいかもしれない。ドナルド.トランプは本人が指名されなかった場合、最終的に指名された候補者を支持することを誓約しないと表明した唯一の候補者である。伝統的にほとんどの候補者は最有力候補者を支持する習慣があるため、驚きの反響があった。約2時間の討論課題は、移民法、経済、オバマケア、社会保障、メディケイド、教育問題を含む国内政策: 国際規模の電話記録収集、イラク戦争、イラン核協定などの外交政策: 中絶、同性結婚、人種問題、宗教の自由を含む社会問題など10以上の分野における多数の質問が提起された。

10人の中で、現在支持率1位の座にいるドナルド.トランプは中心人物であるが、ライバルを攻撃せず紳士的態度で質問に答えると述べていた。トランプは7月のある時点からコンスタントに最大支持率を獲得しているが、ミット.ロムニーと共通点がある。トランプはロムニーと同様ビジネスに成功した富豪者である。しかし、ロムニーはトランプと異なり、マサチューセッツ州の知事として政治家としての経験があった。また、穏健的側面と厳格な保守派の両面があった為、彼の人気は非常に高く、予備選でも4人の最有力共和党候補者の中で 45から50%前後の範囲で常にトップの支持率を獲得し、2012年に指名された。しかし、彼は大統領選での勝利を果たすことはなかったのです。

約2時間の討論会の最初に、10人全員の個人はそれぞれに最も関連性の深い話題の質問が提起され、討論会の最後には、有権者および視聴者に対して自己アピールする機会が与えられた。総じて、特に困難な質問は提起されなかった為、候補者がためらい又は混乱する場面はなかった。進行役の3人は個別の質疑応答だけではなく、時々議論形式で対話する機会も与えたため、複数のメンバーの間で口論に発展する場面もあった。しかし、極度に興奮した論争はなく、幾分、疲れた表情のトランプとブッシュを除き、ほぼ他のメンバーは比較的に落ち着いている様子であった。いずれ、どの候補が最も高い評価を得たかを知る機会はあると思われるが、トランプはしばらくトップの座を維持する印象を受けた。

なお、討論会を主催したフォックス.ニュースは、8月4日午後5時までに公表された幾つかの世論調査での平均支持率が高い順から10名を選択すると公表していた通りの基準に従ったと伝えた。4日除外された7名は午後5時間から、別の会場で討議する機会を提供された。

 

第二回共和党大統領候補者の討論会は、2015年9月16日カリフォルニア州のシーミー.バレーにあるロナルド.レーガン大統領記念図書館で開催された。東部時間午後8時から3時間以上テレビ中継された。討論課題は、国内政策で移民法、銃問題、プランズ.ペーレンフッズへの融資論争、同性結婚、社会保障制度、麻疹ワクチン、マリファナの合法化、英語公用化の是非などが含まれた。また、外交政策およびグローバル問題は、今年14年目を迎えた9.11後の前大統領ジョージW.ブッシュによるアプローチの是非、ISIS対策、ロシア問題、イラン核協定、イラク及びアフガン戦争の是非、気候変動など多岐に及んだ。ヒューレット.パッカード元CEOのカーリー.フィオリーナが新たなメンバーとして加わり、10人の候補者のほぼ全員はドナルド.トランプに侮辱されている経験がある為、この機会を利用して彼を攻撃する場面がしばしばあった。討論会のテーマーはリーダシップであると思われたが、主催側のCNN は3人の進行役の質問の中で、そのような機会を与えることを企画したようであった。

11人の候補者が肩を並べた討論台の背景にはレーガンが愛用していた大統領専用機が展示されていた。会場の視聴者は限定された500名の招待客であった。二回目の討論会の機会は10人の候補者にとって、トランプを攻撃するチャンスになったが、今回もフロント.ランナーであるトランプは弁論の向上は全く見られず、外交政策はほとんど何も知らない印象を与えた。従って、他の共和党との口論では、彼の他の候補者に対する侮辱的発言に関して、言われた本人がどう思ったかを聞くことで、再度トランプに発言の機会を与えるなど、つまらない個人的な話題が展開することがしばしばあり、トランプは他の候補者と対立する場面が頻繁に見られた。過去の大統領選の討論会と異なり質が落ちたことを感じた。

総体的に多数のメディアが最も注目した候補者は、唯一女性のフィオリーナである。彼女は、外交政策も国内政策の課題も全て良く準備し、勉強した内容を完璧に暗記したことを感じさせるほど、全ての課題に驚くほど詳細且つ雄弁であった。

 

一方、民主党最初の討論会は、2015年10月13日ラスベガスのウィンホテルで13日東部時間午後8時40分から開催されました。お互いの攻撃に集中しエンターテイメント化した共和党の討論会とは印象が異なり、個人的な攻撃および共和党個人に対する批判は全くなく、本格的に中身の濃い真剣な政策論争に集中した。CNNおよびフェイスブックが主催し、アンダーソン.クーパーが進行役をリードした討論会は共和党に比較すると小規模であったが、立候補未決定の副大統領ジョー.バイデンを除き、ヒラリー.クリントン、バーモント州の無所属バーニー.サンダース、元メリーランド州知事マーティン.オマリー、元バージニア州の上院議員ジム.ウェッブ、ロード.アイランド州の前知事リンカーン.チェイフィーの5人は、それぞれ個々に異なる質問および全員共通の質問を含め、多数の手強な質問に直面したが、全員歯切れ良く応答した。

13日の討論会の主な焦点はリベラルで真剣なサンダースと優れた論争力のあるクリントンの政策の違いを比較することであり、特に2人の意見が対立する場面が印象的であった。

共和党の前回2つの主な討論会には2,500万前後の視聴者があったと言われているが、13日の民主党の討論会は、その半分になることが予測されていた。なぜなら、共和党の討論会に比較すると退屈であるため、民主党の政策を純粋に知りたい有権者でなければ、平日に2時間の政治論争を見る人は限られていると思われるからです。ツイッターを効果的に利用する技術力があると評価されているトランプは、今夜の民主党の討論会に注目し、ツイッターに投稿すると公約しており、この民主党討論会に注目し多数投稿したようである。味方同士の討論会を、敵として、攻略のために利用するのは当たり前でしょう。

 民主党の討論会は、既に2回実施された共和党の討論会とはあまりにも対照的であった為、特に新鮮な印象を与えたことは確実である。予測以上の1,530万の米国人が討論会を見たと報告された。最も軍杯が上がったのは、ヒラリーを擁護したサンダースかも知れない。クリントンの電子メール問題は微妙であるため、同じ民主党の候補者が個人攻撃をすることはなく、幾人かはクリントンに同情的であった。クリントンは「国務省が許可したことを行なったが、最高の選択ではなかった」と述べると、サンダースは「アメリカ人は馬鹿なメールの話を聞くことに疲れています」と述べ、他にも対処すべき重要な問題が沢山ある事を暗示すると、クリントンは笑顔を見せ彼と握手した。14日の複数の情報筋によると、討論会後の数時間以内に正直で誠実な印象を与えた「サンダースに130万ドルの寄付があった」と伝えられた。総体的に成功した印象的な民主党討論会を含めて、幾つかの最近の動きはヒラリーを再度活気づける要因になっている。今後、彼女はベンガジおよびEメール攻撃を受けることはほとんどなくなるか、かなり減少すると思われる。敵(競争相手)塩を送ったサンダースと、それに感謝して再び元気を取り戻したクリントンの両者の勢いが加速されたことは確かでしょう。ヘイトスピーチ合戦の討論会ほど無駄な討論会はあってほしくないものだ。

 

 フォックス.ニュースおよびグーグルの主催により2016年1月28日アイオワ州デモインで開催された共和党の討論会にはボイコットしたドナルド.トランプの姿は見られなかった。また、支持率が壊滅的なメンバーは全てメイン.ステージから除外されたため、参加者は最も少ない7人であった。ISIS はネットで最も多く検索されるほど世界の人々が関心を抱いている課題であるが、大統領としてISISとどのような戦略で対抗するかという質問に対して、特にテッド.クルーズとマルコ.ルビオは軍事力強化を主張した。両氏は55年前の1月、軍産複合体の危険性を警告したアイゼンハワーのメッセージ、及び世界における米国軍事費の現実をどう思っているのか疑問を感じさせる論議を展開した。

討論会最初の段階で、ISIS戦略の論争が提起された。驚くことに、クルーズとルビオはいずれもオバマ大統領が米国の軍事力を著しく減少させたと主張し、両氏は彼等が大統領に選出された場合、ISISを打破するためオバマ政権で弱体化された軍事力を増加すると述べた。

 

 2月13日 SC州グリーンヴィルで開催された共和党討論会で、共和党候補者6人中3人はライバル同士の次元を超えて、露骨な個人攻撃を展開した。その個人攻撃はトランプ対クルーズおよびトランプ対ブッシュ間で顕著であった。クルーズはトランプのほとんどの政策はリベラルだと主張し、連邦政府の中絶機関であるプランズ.ペーレンフッズも支持したと攻撃した。延々とトランプを批判しているクルーズを遮り、トランプは「クルーズは嘘つきだ。恐らくジェブ.ブッシュよりもっと嘘つきだ」と反撃した。次に、トランプは「イラクには大量破壊兵器はなかったが、ジョージW.ブッシュが開始したイラク戦争は間違っていた」と指摘した。これに対し、ブッシュはトランプが自身の名声を築いている時「兄はアメリカを安全にした」と反論した。トランプは「ブッシュは米国を安全にしなかった」と反撃した。ブッシュは、彼個人への攻撃は構わないが、家族を責めることは止めてほしと感情的に反発した。沈黙を続けていたジョン.ケイシックは「これは気違いじみています。全く狂気的です」と失望を表明した。共和党候補者間の個人攻撃は益々エスカレートしているが、これは「GOP(共和党)戦争」と呼ばれている。

 

 3)米国最大手メディアの支持表明

   ニューヨーク.タイムス(N.Y.T)は、長い歴史を誇る米国最大手のメディアである。主要メディアが大統領候補者の支持承認を公表する場合、両党の候補者を一人ずつ2名支持する事は珍しいことではない。N.Y.Tは一般的にリベラルのメディアと言われているが、そう断定することには疑問がある。なぜなら、同紙はほぼ50%の割合でリベラルおよび保守派両党の専属ライターを配属している。従って、同紙が最も支持している両党の候補者名を公表することは自然である。共和党候補者の中から最も常識的な印象を受けるケイシックを選んだことは、同紙が中道的で無難な選択をしたことを示唆している。先日ボストン.グローブの編集委員会もケイシックを支持すると公表したが、彼は民主党寄りの保守派支持者にも好まれているようだ。また、特に女性の向上に貢献したクリントンを選択した事は、同紙が経験および実績主義であることに加えて90年以上前、女性差別の側面があった歴史から大きな進歩がある事を示唆している。

N.Y.Tは1851年9月、ジャーナリストで当時保守派ウイッグ党の支持者であったヘンリー.レイモンドにより、ニューヨーク.デイリー.タイムスの名称で創設されて以来、古い歴史がある。同紙は女性の編集部での地位を制限する差別的な慣行があったことも一部の過去の歴史として知られている。同紙最初の女性記者ジェーン.グラントは女性が雇用されていたという事実を暴露しないよう要請された経験があると書いたことがある。グラントは1892年生まれのジャーナリストで1925年2月に設立された、非常に高度で精錬された文体で知られるニューヨーカーの共同創始者である。彼女は第二次世界大戦中、ニューヨーカーを含む幾つかの雑誌に、男性の世界であったN.Y.Tの女性記者として、差別的規則や慣習を経験した事を告白した。フェミニストの彼女は男女平等を提唱し、1960年代には女性の権利のための作品を書き続けた事で知られている。そのような歴史的側面があるN.Y.Tは女性の向上を目指し、長年貢献してきたクリントンの業績に注目したことが興味深い。

2016年1月30日のN.Y.Tによると、同紙は彼女の米国上院議員選挙で2回、バラク.オバマがライバルであった2008年の大統領選で1回支持を表明した。今回も「確信と熱意」で再び彼女の支持を公表し、クリントンが女性初の民主党大統領の指名候補者になると公言した。彼女の強敵である民主的社会主義者のバーニー.サンダースは 「不公平な所得と中産階級の長期的苦痛」を訴え、経済問題ではクリントンを「さらに左寄りに押し出している」が、「サンダースはクリントンが提供しているような経験や政策構想の幅はない」と指摘した。また、クリントンは国務長官として、国の利益の為懸命な努力を重ねてきたと評価している。

オハイオ州知事のジョン.ケイシックは「過激主義と経験不足」の多数の候補者に比較するともっともらしい唯一の選択であるとN.Y.Tは述べている。しかし、知事として中絶の権利を制限する為、および同性結婚に対抗するため戦った彼は「穏健派ではない」と指摘した。一方、州上院議員および米国下院議員として、党派の戦いと超党派の政策にほぼ20年間戦い続けた彼は、ベテランとして妥協する能力もあり、国民の「生活を改善する政府の能力を信じている」と評価されている。また、移民法では不法移民に市民権の道を提供する政策を支持し、貧困者、精神障害者、日陰に置かれている他の人々を保護する政府の義務を語っていると述べている。また、共和党議会は60回以上オバマケアの撤廃を試みたが、彼は自州でより多くの人々が医療保険の加入を可能にする為、オバマケア下でのメディケイド拡大に130億ドルを確保した。彼はニューハンプシャーでのキャンペーンで、彼の同僚はバラク.オバマの事ばかり話していることに疲れると嘆き、「希望、未来及び肯定的な事を語りたい」と語った。

両名候補者の支持決定はN.Y.T編集委員会によるものであり、同紙編集委員会はクリントンが国務長官時代、労働者、特に女性の向上に貢献していることを高く評価している。共和党候補者の中からケイシックを選択した同紙は、彼の政治的経験、柔軟性、一部の社会保守性を除き、穏健的な政治思想を評価し、大統領として最も政府を向上させる可能性があると述べている。そのような最大手メディアの観点と現在の共和党有権者の選択傾向には顕著な違いがあるが、予備選前の影響力の強い同紙の支持表明はクリントンおよびケイシックにとって大きなプラスになると言われている。創設から現在に至まで、創始者、創始者の政治的思想、時代背景、時代の流れと共にニューヨーク.タイムスも大きく変化した。過去に女性差別と反フェミニスト思考の側面があった同紙は、現在女性の機会向上に貢献し、フェミニストの象徴であるクリントンを最大限に評価している。その過去と現在のコントラストは鮮明であり、興味深い。

 

 (4) 総合評価による2016年大統領指名予測 (2016年1月の予備選挙直前時点)

立候補を宣言した共和党大統領候補者は17人であったが、昨年のある時点までに5人が辞退した為、現在12人が残っている。今年上半期までには半数になることが予測されている。民主党は6人が立候補したが、3人が辞退し、昨年の秋から3人の候補者が競っている。複数の予測市場の調査を含む総合評価に基づく両党それぞれの候補者の指名確率が予測されている。5の基準による総合評価はヒラリー.クリントンが圧倒的に有利であることを示唆している。また、2016年総選挙には幾つかの注目すべき要点がある。

ニューヨーク.タイムス(NYT)によると、現時点で「世論調査よりも実質的に良好な記録がある」予測市場の推定に基づく指名確率は民主党の場合、ヒラリー.クリントンが88%、バーニー.サンダースは11%、マーティン.オマリーは1%である。共和党の場合、マルコ.ルビオ33%、ドナルド.トランプ28%、テッド.クルーズ23%、ジェブ.ブッシュ11%、クリス.クリスティ5%である。総合的評価による2016年大統領指名予測の基準は、① 複数の予測市場の確率、② 議会メンバー及び知事による支持数、③ アイオワ(IA)での支持率、④ ニューハンプシャー(NH)での支持率、⑤ 寄付金総額を総合的に評価し決定したものである。従って、NYTは単に世論調査だけで判断するより正確であると述べている。

複数の予測市場の調査を含む総合評価に基づく両党それぞれの候補者の指名確率が予測されている。5の基準による総合評価はヒラリー.クリントンが圧倒的に有利であることを示唆している。また、2016年総選挙には幾つかの注目すべき要点がある。

ニューヨーク.タイムス(NYT)によると、現時点で「世論調査よりも実質的に良好な記録がある」予測市場の推定に基づく指名確率は民主党の場合、ヒラリー.クリントンが88%、バーニー.サンダースは11%、マーティン.オマリーは1%である。共和党の場合、マルコ.ルビオ33%、ドナルド.トランプ28%、テッド.クルーズ23%、ジェブ.ブッシュ11%、クリス.クリスティ5%である。総合的評価による2016年大統領指名予測の基準は、① 複数の予測市場の確率、② 議会メンバー及び知事による支持数、③ アイオワ(IA)での支持率、④ ニューハンプシャー(NH)での支持率、⑤ 寄付金総額を総合的に評価し決定したものである。従って、NYTは単に世論調査だけで判断するより正確であると述べている。各候補者の上記評価基準の順位は下記の通りである。

 

① 予測市場

② 支持数

③ IA

④ NH

⑤ 寄付金

民主党

         

クリントン

#1

#1

#1

2

#1

サンダース

2

2

2

#1

2

オマリー

3

3

3

3

3

  共和党

 

 

 

 

 

ルビオ

#1

2

3

2

3

トランプ

2

10

2

#1

10

クルーズ

3

3

#1

3

2

ブッシュ

4

#1

5

6

#1

クリスティ

5

6

7

 

 

 

① 予測市場

② 支持数

③ IA

④ NH

⑤寄付金

民主党

         

クリントン

88%

76.5%

50.0%

43.6%

$9,770万

サンダース

11%

1.2%

39.0%

48.6%

$4,150万

オマリー

1%

0.4%

6.4%

2.2%

$360万

共和党

 

 

 

 

 

ルビオ

33%

5.7%

12.6%

14.2%

$4,860万

トランプ

28.%

 

27.4%

28.4%

 

クルーズ

23%

3.3%

30.2%

11.0%

$6,490万

ブッシュ

11%

8.8%

4.8%

 

$1.33億

クリスティ

4%

   

10.4%

$1,820万

カーソン

   

8.6%

 

$3,160万

ポール

 

3.3%

     

 

世論調査は注目を引くが、初期段階での判断基準としてはさほど重要ではない。指名選挙での見えない重要な要素は政治家、党のリーダー、寄付者の支持状況により、誰が指名されるかを予測する上で良好なガイドであるとNYTは指摘している。

 

議会メンバー

知事

クリントン

180

12

サンダース

   3

0

オマリー

   1

0

 

 

 

ブッシュ

29

0

ルビオ

19

0

クルーズ

11

0

ポール

11

0

この評価結果は、総体的にクリントンがかなり有力であることを示唆している。共和党候補者の場合、5つの全基準で申し分のない有力な候補者は存在しないため、最終的に指名される可能性がある候補者は不明である。いずれにしても、2016大統領選は幾つかの注目すべき要点がある。

⑴ 無党派州の有権者は重要な選挙の鍵を握っているが、特にアイオワ、フロリダ、コロラド、ネバダ、ニューハンプシャー、バージニア州の有権者は、最も有力な大統領候補者に投票する傾向がある。⑵ 従来共和党州であった幾つかの州は人口動態的な変化により、投票パターンも変化する可能性がある。特に、アラスカは多様民族の人口層が増えている。サウス.キャロライナはヒスパニック系の人口が増加している。ノース.キャロライナは黒人およびヒスパニックの人口が増えている。⑶ 大統領選に加えて、議会選挙、知事選、州議会メンバーの選出など複数の選挙が行なわれる。特に、フロリダ、コロラド、オハイオ、ネバダ、ノース.キャロライナ、ペンシルベニア、ニューハンプシャー、ウィスコンシンの8州はこのような多種の選挙が行なわれる重要な州である。⑷ 無党派州の特徴は、他民族の人口層が目立っていることである。無党派州の有権者は関心のある課題が明白であり、移民問題もそのひとつである。従って、二つのキャロライナでヒスパニック系有権者の投票参加は重要な鍵を握る。

 

1週間後に最初の指名選挙がスタートする1月24日、その最初の競争で共和党有権者に指名される可能性が最も高い共和党候補者はドナルド.トランプであることを全国世論調査の結果が示唆している。ワシントン.ポスト /ABCが1月21日から24日までの期間に実施したランダム抽出による電話でのインタビュー形式の世論調査によると、早期指名選挙ではトランプが選出される可能性がある。インタビューに応じた回答者の35%はこの選挙を良く注目しているが、44%は適度に注目している。さほど注目していないと答えた参加者はわずか13%である。また、60%の国民が現状に満足していない一方で、国が正しい路線に沿っていると判断している参加者はわずか36%である。従って、75%以上の国民は程度の差はあるものの、大統領選に関心を示していることを示唆した。共和党支持者の世論を反映している幾つかの重要な質問に関する結果は下記の通りである。

⑴  最初の大統領選の指名選挙が今日行なわれた場合、 誰に投票しますかとの質問に対して、トランプと答えた率は37%、テッド.クルーズ21%、マルコ.ルビオ11%、ベン.カーソン7%、ジェブ.ブッシュ5%であった。

⑵  支持する候補者を絶対に投票するか、または気が変わる可能性があるかとの質問にトランプを支持する有権者の57%は「絶対に投票する」と答え、トランプ以外の候補者を投票すると答えた有権者の65%は「気が変わる」可能性があると答えた。トランプの投票確率は他の候補者に比較してかなり安定していることを示唆している。この調査の解説者であるW.Pベテラン.ジャーナリストのダン.バルツによると、指名選挙の投票参加率は低いが、トランプの支持者は投票に参加する確率が高い為、他の共和党投票登録者の中でトランプは16ポイント有利であると解説している。しかし

⑶ 「大統領として受け入れられるか又は受け入れられないか」との質問に関して「受け入れられる」と評価された大統領候補者はルビオが最も高い67%の評価を得た。彼を「受け入れられない」と答えた率は22%である。次に、クルーズは66%(拒否率26%)、65% はトランプを受け入れ(拒否率32%)、62%はカーソン(拒否率30%)、52%はブッシュ(拒否率45%)である。 ⑷ 56%の共和党有権者は、大統領として選出される可能性がある人物がトランプであり、17%の共和党有権者はクルーズが勝利すると信じている。

 

題別評価

トランプ

クルーズ

大統領選に勝利する最大のチャンス

56 %

17 %

経済向上に良好に対処する

55 %

16 %

ワシントンを変えることに期待

51 %

17 %

銀行を規制する

50 %

14 %

テロリズムに良好に対処する

45 %

19 %

移民問題に最善の方法で取り組む

44 %

18 %

身近な課題に注目する

36 %

20 %

国際危機に対処するリーダシップ

31 %

23 %

最も正直な候補者である

27 %

17 %

性格および気質の好印象

22 %

24 %

ワシントン内外の主流派共和党リーダー達はこの現実に著しい焦りを見せていると言われている。

 

二.予備選挙

 

 (1)予備選挙スタート

     2016年2月1日アイオワ州で開催された最初の指名投票の結果は、当日午前中公表された最新の世論調査が見事に外れたことを示唆し、共和党候補者の中でテッド.クルーズが勝利した。アイオワ予備選でのトランプとクルーズの差は4%、クルーズとルビオの差はわずか1%であったこの投票結果は、共和党候補者が多過ぎるため、その中から一人を選択する上で 、有権者に一部迷いがあったことを示唆している。しかし、主流派共和党の著しい葛藤は記録的である。フロリダ州の元知事ジェブ.ブシュは彼の寄付者、後援者、共和党主流派の支持者に彼がNHでルビオに追いつかない場合、辞退するべきだとプレッシャーをかけられている。アイオワでの投票率が5 %以下だった共和党候補者は、ポール4%、ブッシュ3%、ケイシック、ハッカバー、クリスティ、サントラム、カーリー.フィオリーナの5人は 2%、サントラムが1%である。この中で最後までトップ3人に挑戦する可能性がある候補者はブッシュであると予測されている。

民主党ではヒラリー.クリントン及びバーニ.サンダースはほぼ同点の投票率で劇的な接戦であったが、クリントンの地域獲得数が幾分多かった為、事実上の勝利者として解釈されている。

 

     2016年2月9日に行なわれたニューハンプシャー(NH)の予備選の結果は、ほぼ全ての調査機関が予測した通り、ドナルド.トランプとバーニー.サンダースが圧倒的な勝利を果たした。オハイオ州知事ジョン.ケイシックはテッド.クルーズ、ジェブ.ブッシュ、マルコ.ルビオをリードし、2位の勝利を獲得した。顕著な勝利者はケイシックであり、最大の敗北者はヒラリー.クリントンとルビオであるが、それぞれ幾つかの特徴及びユニークな原因がある。今後他の州で開催される予備選は、州別の人口動態的および党派的な違いがあるため、NHの結果は今後の予備選の状況を反映しないことはほぼ確実である。

     NHの予備選の結果は、この州の有権者に多様性があることを示唆している。伝統や主流派をさほど重視せず、政治的経験のない億万長者のトランプ及び歴史上稀な民主社会主義者のサンダースを選んだ。トランプが圧倒的な勝利を収めた理由は約35%の無党派の有権者が彼を支持した為である。また、有権者は経済的向上を最も重視したことを示唆した。トランプ及びサンダースはそれぞれ異なる税政策を掲げているが、両氏はキャンペーンで所得格差があることを アピールした。また、アイオワでの予備選ではわずか2%でほぼ底辺であった穏健派のケイシックはNHで急速に台頭し、2位の大勝利を獲得した。彼は討論会およびキャンペーンで中産階級の向上を頻繁に力説し、オハイオ州の予算調整に成功した経験を強調し、国の経済を向上させると公約していた。ケイシックの目立った利点は、殆どライバルを攻撃せず、課題に集中した事である。

 

     2月20日サウス.キャロライナ(SC)州で開催された予備選では、共和党候補者のドナルド.トランプが大勝利した。接戦が予測されたネバダ州での民主党候補者の予備選結果は安全圏内でヒラリー.クリントンがバーニー.サンダースをリードした。顕著なニュースとして、東部時間9時頃ジェブ.ブッシュはキャンペーンからの辞退を公表した為、共和党キャンペーンの前途をかなり変化させる可能性がある。

        公表された選挙結果は下記の通りである。

民主党候補者名

投票数

投票率

ヒラリー.クリントン

6,267

52.7 %

バーニー.サンダース

5,609

47.2 %

共和党候補者名

   

ドナルド.トランプ

239,851

32.5 %

マルコ.ルビオ

165,881

22.5 %

テッド.クルーズ

164,790

22.3 %

ジェブ.ブッシュ

57,863

7.8 %

ジョン.ケイシック

56,206

7.6 %

ベン.カーソン

53,326

7.2 %

 

SC州の予備選でトランプは約10%ポイントもルビオをリードし、勝利した。3月1日に開催される多数州での予備選に有望性があることを示唆した。同州ではルビオとクルーズは劇的に接戦であったが、ルビオは1,000票以上多く獲得したにも関わらず、クルーズは本人も2番目のランクであると主張した。SC州の人口は約 490 万人であり、福音派のプロテスタントが最も多く、約140万人もいる。2月1日のアイオワでの予備選でクルーズはトランプをリードした後、SC州でもクルーズが勝利すると予測されていたが、その予測は見事に外れた。キリスト教徒が多いこの州では宗教が有権者の第一の選択ではないことを明白に示唆した。

     クリントンのネバダ州での勝利は27日のSC州での予備選及び3月1日に予定されているアラバマ、アーカンソー、ジョージアなど黒人の多い州での予備選に多大なチャンスがあることを示唆した。 一方、23日に開催されるネバダでの共和党予備選、3月1日に開催されるクルーズの出身州であるテキサス州などでトランプが勝利した場合、トランプは公式に共和党大統領候補者になる可能性がある。複数の世論調査はトランプおよびクリントンが総選挙で接戦になる可能性があることを示唆しているが、米国有権者総人口の 約30%を占める黒人およびヒスパニックの支持を獲得しない限り、トランプはクリントンを打破することは困難である。

     トランプの勢いを止めることに焦っている共和党主流派には最早手が届かない状態になっている。トランプが如何に優勢であるかを判断する別の基準は代議員数の獲得である。最終的に共和党大統領候補者としての指名を獲得するためには合計1,237人の代議員数を得る必要がある。ネバダの予備選前までにトランプが獲得した代議員数の合計数は67、クルーズが11、ルビオは10、ケイシックは5であった。24日午前中判明した投票結果後、トランプは新たに14獲得した為、現時点の合計は81である。ルビオは7 追加し合計17、クルーズは6追加があり合計17、ケイシックは1の追加があり合計6である。従って、トランプは24日の時点で最大の代議員数獲得者である。同数17の代議員を獲得しているルビオとクルーズは今後接戦を繰り返す可能性が高い。最も重要な予備選はスーパー.チューズデイ(ST)と呼ばれている3月1日に開催される11州の予備選である。STは一般的に2月及び3月初旬の火曜日に開催される大統領候補者の予備選に言及する。11州で予備選が実施される3月1日の火曜日は、競争に生き残っている候補者が合計595人の共和党代議員数を競う。トランプがこの機会に引き続き現在の傾向を維持した場合、彼はほぼ確実に最終的な共和党の大統領候補者の指名を獲得する。

 

 (2)共和党主流派の危機意識

     2016年3月3日 ドナルド.トランプの指名を阻止する共和党主流派の動きは外部に拡大した。2012年の共和党大統領候補であったミット.ロムニーは9時半頃からユタ州のソルトレイク.シティにあるヒンクリー研究所でトランプの国内外政策および彼の人格を痛烈に批判する驚異的なスピーチを披露した。ロムニー は、現在米国民は重要な選択の瞬間に直面していることを力説し、トランプが詐欺師である証拠は多数あり、偽物である彼を米国の大統領として選択してはならないと警告した。外部の共和党がこれほどの強烈な批判を展開する前例はほとんどない事に加えて、ロムニーの温厚な印象には似つかない攻撃的なスピーチであった。

彼は最初に、大統領立候補の宣言をするためではなく、候補者の一人を支持公表する為でもないが、共和党候補者の指名プロセス及び展望性について語りたいとし、1964年の大統領選の数日前、大統領の選択には 2つの道があると述べたロナルド.レーガンの言葉を引用した。その一つは貧困から人々を引き上げ、全ての人々に機会を与える保守の原理を包容しているか、または米国を暗黒の道に導くため政府を圧制するかのどちらかであると語った。ロムニーは「私はレーガンではない」し、時代背景も異なるが「 私たちは再び選択に直面していると心から信じます」と述べ、その選択の結果は共和党、特に今後も世紀に渡り世界をリードする米国にとって重要であると述べた。また、継続している貧困、賃金の低迷、パリ及びサンバナディーノで起きた残忍な大量殺戮、イラン核兵器の野望、プーチンの攻撃性、中国の自己主張、北朝鮮の核兵器実験など、今深刻な挑戦に直面し「私達は危険な時代に生きているが、正しい選択をする事でアメリカの将来は過去より良好であり、現在より良好である」と語った。

従って、誰を大統領として選択するかで将来の安全性と展望性は変わると述べ、現在「共和党および米国は危機に瀕している」と語った。

 

米国の大統領に誰が選出されるかは米国民だけでなく、歴史的に長い同盟国である日本を含む世界のリーダーにも影響を与えることは一般的な認識であるが、一定の大統領候補者を阻止する運動は前代未聞の規模に拡大した。ドナルド.トランプ拒否表明はエスカレートし、先週110人以上の国家安全保障の共和党専門家はトランプのナンセンスを明白に表明し、彼に反対する公式署名文書を発行していた事が判明した。更に、数日前から同盟国及び世界の外交政策のリーダーはトランプが大統領に選出されることに懸念を表明し始めた。これらは全て、トランプが大統領に選出される事のグルーバル的意味を示唆している。

米国の内外からトランプを阻止する動きは激化している。ミット.ロムニーがトランプを攻撃するスピーチを披露した前夜の2日、共和党の国家安全保障地域社会のメンバー117人は、トランプが大統領に選出されることに反対する公式文書に署名し、外交政策サイト(参考)に発表した。そのメンバーの中には、ジョージW.ブッシュ政権下で国土安全保障省の元長官、国務省の元副長官、国土安全保障省の元顧問、及び国防総省の元次官を務めた顕著な外交政策の専門家などが含まれている。

 

主流派共和党対トランプの政策の違い

不動産王のドナルド.トランプは、圧倒的に高い確率で共和党大統領候補の指名を獲得する可能性がある。ヒラリー.クリントンまたはバーニー.サンダースのいずれかの民主党大統領候補者に勝利し、次期大統領に選出された場合、トランプは一般的な共和党路線を逸脱させ、長年の主流派共和党が築いてきた伝統を破壊する可能性がある。経済からISIS政策に至まで国内外の多数の政策において、主流派共和党とトランプの政策を比較すると顕著な違いがある。その相違は劇的である為、主流派共和党はトランプの指名獲得を恐れているが、政策の相違がその恐れの主要因ではなく、別の幾つかの理由がある。その最たるものが、トランプの指名で大統領の奪還ができるのかなのでしょう。

以下チャートは11課題の政策概要を比較したものである。

政策課題

主流派共和党

トランプ

税制

低い税率は経済成長を促進するとのサプライ.サイド経済学を提唱し、雇用と富を拡大する企業への高い税率に反対。

全てのアメリカ人、特に彼を含む富裕層に大幅な減税をすることを提唱。

TPP

米国の雇用を拡大し、中国に対して戦略的提携を強化するとして、オバマ大統領の国際貿易推進を支持。

米国のビジネスへの攻撃であり、日本の通貨操作を停止しない。これは悪い貿易計画であると主張している。

医療保険

オバマケアを撤廃し、新たなプログラムと入れ替える。メディケアおよびメディケイドは近い将来破産すると主張し、民営化を提唱している。

オバマケアを撤廃し、自由市場及び低コストに基づき全ての国民が利用可能な医療保険と入れ替える。メディケアおよびメディケイドを削減しない。

社会保障

受益適正年齢を延長し、段階的な民営化を提唱。

国民は社会保障税を支払っているため、現状を維持。

中絶

中絶機関プランズ.ペーレフッズの(PP)融資を停止する。

女性の健康を維持する為、PPを有効活用する。

移民法

不法移民に市民権を与える事に反対するが、移民改正法の必要性を提唱。罰金及び税金を支払うなどの一定の条件下で合法的滞在資格を提供する。合法的イスラム教徒は米国の重要な経済基盤である。

国境の安全性を強調している。1,100万人の全不法移民を強制送還し、米国とメキシコ間の国境に巨大な壁を建設する。全てのイスラム教徒に対する入国を暫定的に禁止する。

銃法

米国憲法修正第二条を強調し、銃保持の権利を主張。ほとんどの銃規制に反対。精神異常者のバックグラウンド.チェックを含む管理システムを改革する。

第二条を強調し、銃保持の権利を主張。銃規制に反対しているが、バックグラウンド.チェック体制を支持している。

ISIS政策

イラク及びシリアに本格的な軍隊を派遣し、同盟国との連帯を強化しながら地元の兵士を支援する。

イラク及びシリアで空爆を増強し、兵隊を派遣し、ISISが略奪している石油を押収する。

中東問題

一般的にイスラエルとの強い同盟関係、及び近隣アラブ諸国間の平和を確保する政策を支持。

イラク戦争は中東を不安定化した為、兵士の生命及び財源を無駄にしたと主張。

軍事政策

強い軍事力を強調し、イラク及びシリアに軍隊を派遣することを支持している。

多額のお金を出費しない方法で、現在以上に強力な軍隊を構築する。

気候変動

気候変動は真実であるが、排気ガスの規制は経済的にインパクトがあると主張。

気候変動の概念は米国の製造業を非競争的にする為、中国人が創造した。

 

 (3)民主党11州、共和党12州の予備選・党員集会が同時に行われた「スーパーチューズデー」の結果

     昨日のスーパー.チューズデイ(ST)でヒラリー.クリントンおよびドナルド.トランプは予測どおり楽勝した。テキサスを除くほぼ全ての州でトランプが勝利するとの予測は完璧ではなかったが、トランプの優勢を阻止する運動は最早効力がないことを示唆した為、共和党主流派にとってほぼ絶望的な結果となった。クリントンはバーニー.サンダースとの明確な距離を置くことに成功したが、複数の共和党候補者はトランプに対して今後益々熾烈な争いを展開することを示唆した。これに加え、別の最強の敵クリントンが新たなトランプのターゲットになることを明白にした。

コロラド州およびアメリカ領サモアを含まない11州の共和党予備選結果は、トランプが北東および南部での7州を制覇し、テッド.クルーズは予測通り自州のテキサスを含め3州で勝利した。マルコ.ルビオはトランプ攻撃のスピーチに効力を発揮したミネソタ州で勝利し、バージニア州ではトランプと接戦であった。民主党の対戦ではアラスカとサモアを除く11州の予備選でクリントンは7州、サンダースは4州を確保した。

    1日のSTの投票結果は、反主流派のトランプが大半の州で勝利し、極右派のクルーズは3州で指名を獲得した為、主流派共和党には絶望的であり、混乱と怒りを更に促進する状況になった。ルビオは、トランプの勝利が7州に留まった原因は彼のトランプに対する攻撃に効果があったからであると主張し、今後も挑戦し続ける意志を表明した。事実、ミネソタはルビオを支持し、トランプを拒否した州であるが、ルビオは同州アノーカ群での最後のキャンペーンでトランプを「詐欺師」であると攻撃した。ルビオは政策をアピールするよりライバルの弱点やスキャンダルを暴露する方が効果的であることを学んだと言われている。

クルーズは、テキサスの他にアラスカとオクラホマで勝利した為、今後トランプに対抗し、打破可能な候補者は彼であると主張した。誰かがキャンペーンから辞退すれば、その票は彼に流れるため、トランプとの距離が縮まることで、トランプの指名確保を阻止する可能性が高くなると指摘した。ベーン.カーソンは2日、キャンペーンで前進が見られないことを理由に3日デトロイトで開催される共和党討論会に参加しないと公表した。同日ジョン.ケイシックは支持率も極度に低下し、STでも惨敗であったカーソンに辞退を奨励した事を報告したが、まだ公式な辞退を表明していない。ケイシックはバーモント州でトランプと接戦になり結局敗北した。彼は自州のオハイオ州および接戦が予測される8日のミシガン州での戦いでまだチャンスがあるため、彼を含めてクルーズ及びルビオの3人が居残った場合、トランプが代議員数を増やす事を阻止することに役立つ可能性がある。

クリントンとサンダースはマサチューセッツ州で際どい接戦に直面した。クリントンはサンダースの出身州であるバーモントでほとんど勝利の余地はなく、彼は自州で信頼されていることを明白に示唆した。クリントンはアラバマ、アーカンソー、ジョージア、テネシーなど黒人の多い州で圧倒的に楽勝した。サンダースは、ウォール街にクリントンをリンクさせることをキャンペーンの戦略にしているが、STの投票結果は多くの州でそのような戦略に効果がない事を示唆した。少なくともクリントンはサンダースを明白に引き離した為、STはクリントンに機能的であったことを示唆した。

トランプは、既にヒラリーの政治経歴について「彼女は長く居すぎる」とコメントとしているが、ST直後からクリントンに注目し始めたと言われている。ヒラリーはトランプの勝利の障害になることが明白になった現在、彼の新たな攻撃のターゲットは彼女であることを示唆している。

 

    2016年3月5日5州で予備選が行なわれ、共和党有権者者は4州、民主党有権者は3州で投票を行なった。今回、テッド.クルーズは2州で大勝利しドナルド.トランプに接近してきたが、マルコ.ルビオはどの州でも苦戦した。ヒラリー.クリントンは予測通り、3州中2州でバーニー.サンダースに敗れたが、彼の2倍以上の合計代議員数を獲得した。クルーズは圧倒的に白人が多い州、保守性が非常に強い州及び 一般的に民主党寄りであると考慮されている州でもトランプをリードした為、トランプの指名を防ぐ事は絶対的に不可能ではないことを示唆した。土曜日の予備選は、総体的に米国の共和党有権者は主流派の政治家をホワイトハウスに送り出す意欲がないことを示唆した。

 

三.大統領候補者の指名プロセス

    両党の大統領候補者の指名は、共和党及び民主党の全国大会でそれぞれ異なる場所およぶスケジュールに従い7月に実施される。これは予備選を終え、総選挙の幕開けの表明である。共和党全国大会及び民主党全国大会で、代議員はそれぞれの規定に従って各党の大統領候補者を指名するため投票を行なう。米国の大統領候補者の指名プロセスは予備選で候補者が獲得した代議員数には関係なく、選定された代議員によりコントロールされる為、実際には著しく複雑で非民主的なシステムである。共和党全国委員会(RNC)はこの全国大会を利用して、ドナルド.トランプを阻止する戦略を模索していると言われているが、保守派運動のグループもトランプの指名を阻止することに葛藤している。

 RNCは共和党の大統領候補者を指名するための共和党全国大会は、7月18日から21日までオハイオ州クリーブランドで開催され、2,472人の代議員が参加し、投票により共和党大統領候補者を指名する。共和党全国大会では下院議長のポール.ライアンがこの大会の議長を努める予定である。代議員選定の規定は各州によって異なり、代議員は各州の共和党が決定する党員で構成され、州議会内外の様々な人々が選出される。指名プロセスには非コンテスト、コンテスト、ブローカーの三段階がある。大会での指名プロセスの規定はこの期間の投票回数を含め、基本的にRNCの自由裁量権によってどのような方法にでも決定または変更することが可能である為、非常に複雑で混乱の原因になる非民主的なシステムである。

最初の段階として、非コンテスト大会で2,472人の代議員は最初に一回目の投票を行なう。この最初の投票で、候補者の一人(例えばトランプ)が代議員数の過半数(2,472人の過半数プラス1=1,237)の投票を獲得した場合、トランプの指名はその時点で確定する。投票規定は州によって異なるため、全ての州が予備選で彼等を獲得した候補者に投票する義務を定めているかどうか不明である。誰も1,237 の過半数を獲得しなかった場合、二回目の投票が行なわれ、誰かが獲得するまで投票を行なう。これはコンテスト大会と呼ばれる次の段階のプロセスであり、自由な方法で投票することが可能である。つまり、代議員は最初の投票で支持した候補者に再度投票する必要はなく、自由に誰にでも投票することが可能である。限定投票回数は不明であるが、複数の投票で指名候補者を決定できない場合、最後の段階として、ブローカー大会と呼ばれるプロセスに発展する。この場合、候補者および代議員らは交渉を行なう。例えば、トランプおよびテッド.クルーズはそれぞれ1,000票ずつ獲得し、ジョン. ケイシックが472票であった場合、472を獲得したケイシックはトランプかまたはクルーズのいずれかに、彼を副大統領に指名する条件で 472の代議員を譲ることを交渉するシナリオを想定する事は可能である。

現在、共和党候補者で最大の議員獲得者はトランプである。メディアの数値は一貫性がないが、共和党大会組織の情報によると、トランプは15日の5州での予備選後合計673を獲得した。クルーズは410、ケイシックは143である。従って、単純な指名方法であるなら、トランプが指名されるはずであるが、共和党大半の議員はトランプが共和党の政策目標に従っていない為、彼の指名を拒否している。従って、彼の勢力を阻止したい意向があるため、共和党全国大会の最初の投票で1,237の代議員数を彼が獲得しない場合、二回目の投票を行なうコンテスト大会でほとんどの代議員はトランプに投票せず、別の候補者に投票することで彼の指名を阻止することが可能になる。または、別の候補者を立候補させることも検討されたが、それは時間的に余裕がない現状である。事実、今月早々ライアンを立候補させる保守派グループの動きがあったが、ライアンはその意志はないとして拒絶した。何らかの方法でトランプの指名を阻止した場合、その結果トランプおよび彼の支持者を疎外するだけでなく、彼の支持者は総選挙の投票に参加しないことで謀反を起こす可能性がある為、民主党を勝利させる要因になる。しかし、影響力のある保守派運動のリーダー達は17日、ワシントンD.Cでトランプの指名を阻止する方法を協議するため秘密の会合を召喚した。トランプを阻止するどのような対策も手遅れであるが、過去に党所属を頻繁に変えたトランプの政策は多数の側面で共和党の路線を外れている為、保守派共和党の伝統を保護したいグループはまだ諦めていない。

民主党全国委員会(DNC)は4年に一回、ペンシルベニア州フィラデルフィアで民主党全国大会を主催する。今年は7月 25日から 28日まで4,765人の代議員が結集し、民主党大統領の候補者及び副大統領の候補者を指名する。指名を獲得する為には4,765 の過半数(2,383)を獲得する必要がある。また、民主党には代議員の他にスーパー代議員が存在する。彼らは上院、下院、および知事を含む民主党議員、または選出された党上層部の役員達で構成されているメンバーである。基本的に、民主党全国大会で彼らが誰を投票しようと自由であるが、ほとんど常に予備選で代議員数を最も多く獲得している候補者を支持する傾向がある。しかし、過半数の代議員数を獲得しなかった候補者を指名するための投票ではどちらにでも揺れる可能性がある。

インディアナ州でのサンダースの勝利は、クリントンにはさほど影響はなかったようである。両氏の代議員数にはまだ格差があることが要因である。非民主的なスーパー代議員(S.D)システムが存在しない場合、サンダースも指名獲得のチャンスがあるはずである。昨夜同州での予備選後CNNが公表した情報によると、クリントンが予備選で獲得した代議員数は1,702 、サンダースは1,401であり、双方の差は約300で極端ではない。これらは殆ど州の党が決めた代議員であり、民主党全国大会での最初の投票で、1,702人はクリントンに投票する義務がある。しかし、S.D(スーパー代議員)のメンバーは党の公職者および役人などで構成され、彼らは自由に支持したい候補者に投票する。513人は所謂クリントンの仲間であり、サンダースの41人より遥かに多いが、必ずしも忠実という訳ではない。いずれにしても、両氏それぞれの合計は2,215対1,442である。これらの数値は、民主党代議員の過半数(必須数:2,383)、共和党の代議員の過半数(必須数の1,237)(メディアの報告に幾分一貫性がないことも不可解なシステムであるが、全国大会での指名はクリントンとサンダースに圧倒的に有利であることを示唆している。

いずれにしても、今年の大統領選は米国の歴史を劇的に変える危機感がある為、両党は必死である。オバマ大統領は一部の共和党候補者のキャンペーンが混沌状況であることを懸念しているが、常識を越えた今年の選挙状況で、反トランプ運動および抗議活動は今後も続く可能性が高い。                                               

                                                           続く

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