往く年くる年(2016年➡2017年)

往く年くる年 (2016年➡2017年)

 

2016年を一言でいえば、今年程驚き(世論調査等の予想を覆したこと)が多かった年はないでしょう。トランプと、英国のEU離脱は突出していますが、それ以外にもインドのデノミ、フィリピンの大統領選挙、ナイジェリアの平価の切り下げ等があります。2017年には、世界経済での最大のリスクは、負債の水準で経済の停滞が避けられない、そのリスクが制御できなくなるまで到達している中国でしょう。EUもやはり、大きなリスクの源であり、フランス大統領の選挙結果如何では、ギリシャとイタリアが通貨統合から離脱する可能性がある一方で、政治的な統合をもゆるがしかねないでしょう。新興國においては、強いアメリカドルとアメリカの金利の上昇が、企業の債務危機を引き起こしうることを意味しています。アメリカの新政権は、台湾からペルシャ湾岸地域までの長期の国際治安関係を根本からひっくり返しており、国家間もしくは軍事的脅威の国際法上の反乱とテロ活動等を拡大する紛争を激化させるリスクがあります。

 

これらのうねりやリスクは、資本主義、民主主義、グローバリズムの負の遺産とも言ってよい格差の拡大と、地域紛争等による大規模な移民の発生等による、それぞれの国内での不満分子の反乱的な行動等によるものと考えられます。ピケテイの「21世紀の資本」への世界的な注目等による格差是正や、国家統合・地域統合と国家主権の相克や、国連、IMF 等の国際機関の機能の限界が垣間見られ始め、何らか新たな仕組みや、既存の仕組みの運営の在り方の改正等が求められつつあるようです。それらの動きを背景に、先進国の停滞、新興国の躍進、後進国の成長等が望まれる21世紀のスタートに際して、政治と経済における既存の体制、制度等のほころびを、補修でよいのか、全く新たなものの創出が必要なのか等の判断と変革が出来るまでは、少し元に戻ってみたいとの新保守主義的な選挙民の動き等によるうねりが世界中で起こっているような気がしてなりません。

 

日本での動きを見てみましょう。一言でいえば、建前と本音に大きな違いが当然のように存在していることを誰もが認識している変な国日本でも、少しずつ本音の議論への比重が移りつつあるようです。しかしその一方で、対立する本音の議論が進むと、お互いが歩み寄るというよりも、対立のまま、多数決だけですべてが決まってしまうという悪い民主主義の罠にはまりつつあるというのも最近の我が国の傾向と言えるようです。改革が必要な多くの時代遅れの仕組みや制度等の根本理念ともいうべき、憲法改正についても、第9条や天皇制だけにとどまることなく、また、政治的または学者目線だけでなく、主権者たる国民目線での公開討論を積極的に始めるべきと考えるが、いかがでしょうか。一時に全面的というのではなく、条文と現実の乖離が大きなもの(例えば、天皇制、国防、社会保障、地方自治、財政制度等)を優先的に開始すべきでしょう。それと同時に、というよりそれに先行して各論の諸制度の改革の実行が行われるべきであることだけは確かです。世界に冠たる超借金国家たる我が国では、もはや遅きに失しているのですから。

 

ご参考までに、2016年の10大ニュースと、年を越して、議会の承認を得ることで確定する、来年度予算の閣議決定と、税制改正の大綱をNHKの資料でお届けします。来年も良い年となるよう願いながら、トピックスの最終号とさせていただきます。

 来年もどうぞよろしくお願いいたします。

                                                       呵々 よっちゃん出目金

 

その1;2016年10大ニュース等

201610大ニュース一覧(集計途中の順位等です

 

ロイターの10大ニュース

1位 米大統領選で共和党のトランプ氏が当選 

 2位 英国民投票でEU離脱派が勝利

 3位 オバマ米大統領が被爆地・広島を訪問 

 4位 天皇陛下が退位をにじませるお気持ちを表明 

 5位 日銀がマイナス金利政策を発表

 6位 東京都知事選で小池百合子氏が当選 

 7位 南シナ海領有権問題に司法判断、中国は拒否

 8位 「ポケモンGO」が世界中で社会現象に

 9位 相模原の障害者施設で45人死傷 

 10位 アイドルグループSMAPが解散を発表

 

NHKの解説報道等より(順不同

「どうなる!?トランプのアメリカ」(時論公論)

「迷走?英国EU離脱」(ここに注目!)

「生前退位 本格議論へ」(時論公論)

「熊本地震を検証する」(視点・論点)

「消費増税再延期 行き詰まる社会保障の充実」(時論公論)

「マイナス金利 暮らしへの影響は?」

「オバマ大統領広島訪問 意義と日米の責任」(視点・論点)

「真珠湾 日米『和解』の意義」(時論公論)

「パナマ文書で中国激震!?」(キャッチ!ワールドアイ)

18歳選挙権と『選挙ばなれ社会』」(視点・論点)

 

読売の海外の10大ニュース

【1位】米大統領トランプ氏

【2位】英国民投票「EU離脱」

【3位】朴氏友人の国政介入疑惑

【4位】ノーベル文学賞 ボブ・ディランさん

【5位】パナマ文書公開で波紋

【6位】オバマ大統領 キューバ訪問

【7位】北朝鮮 初の「水爆実験」発表

【8位】国主導 露ドーピング

【9位】ミャンマー新政権発足

10位】カストロ前議長死去

 

読売の日本の10大ニュース

【1位】熊本地震、50人死亡

【2位】都知事に小池氏

【3位】リオ五輪 メダル41個

【4位】天皇陛下 退位のご意向示唆

【5位】米大統領が広島訪問

【6位】大隅さん ノーベル賞

【7位】北海道新幹線 開業

【8位】障害者施設 19人刺殺

【9位】18歳選挙権施行

10位】「ポケモンGO」日本で配信開始

 

 

 

 

 

その2; 出典:https://www3.nhk.or.jp/news/special/yosan2017/?utm_int=news_contents_special_005

 

 

どうなる 暮らし 経済 働き方

≪来年度予算案 決定≫

政府は22日午前閣議を開き、一般会計の総額が過去最大の97兆4547億円となる来年度(平成29年度)の予算案を決定しました。政府は、この来年度予算案を年明けの通常国会に提出することにしています。私たちの暮らしに身近な予算も数多く盛り込まれました。その主な内容です。

目次

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歳出の主な内訳

  • 社会保障費
  • 公共事業費
  • 文化・教育・科学技術
  • 防衛費
  • その他
  • 地方交付税
  • 国債費

 

 

一般会計の総額は、今年度の当初予算より7329億円上回り過去最大の97兆4547億円となります。 全体の3分の1を占める「社会保障費」は、過去最大の32兆4735億円となりました。医療・介護分野で高齢者の自己負担を増やすなどして1400億円圧縮し、目標に沿って伸びを5000億円以内に抑えました。 「公共事業費」は、ことし8月の記録的な大雨などの被害を受け防災・減災対策などを進めるため、今年度より26億円増え5兆9763億円としています。 「文化、教育、科学技術関連予算」は13億円減って5兆3567億円。ただ、このうち「科学技術関連予算」は、経済成長につながる研究開発を支援するため、116億円増え1兆3045億円となりました。 「防衛費」は、今年度よりも710億円増えて過去最大の5兆1251億円。北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射を受けてミサイル防衛を強化する費用などが計上されました。 「ODA=政府開発援助」は8億円増え5527億円、2年連続の増加です。 地方自治体に配分する「地方交付税」は、今年度当初よりも2860億円多い15兆5671億円となりました。 このほか、国債の償還や利払いに充てる「国債費」は、日銀のマイナス金利政策で金利が下がっていることから利払いにかかる費用が減り、今年度当初よりも836億円少ない23兆5285億円となりました。 「社会保障費」「地方交付税」「国債費」の3つの経費を合わせた額が歳出全体に占める割合は73.4%に上り、ほかの政策への予算配分が制約される「財政の硬直化」が続いています。

 

国債 新規発行額は34兆3698億円

  • 一般会計歳出
  • 国債発行額

※マウスを乗せると、数値が出ます

政府が来年度予算案の編成にあわせてまとめた国債発行計画によりますと、来年度に新たに発行する国債は34兆3698億円で、今年度の当初予算と比べ622億円減ります。 また、過去に発行した国債が満期を迎え、償還に充てるために発行する借換債は3兆354億円減って106兆790億円となります。低金利を背景に満期までの期間が長い国債の発行が増えているためです。 この結果、来年度の国債の発行総額は3年連続で減少し、今年度当初より8兆2395億円少ない153兆9633億円となります。 しかし、国債の発行残高の増加には歯止めがかからず、今年度末の845兆円程度が来年度末には865兆円程度に膨らむ見通しです。これは、来年度に見込まれる税収のおよそ15年分に相当し、国債だけで国民1人当たりおよそ688万円の借金を抱える計算となります。 政府は、日銀のマイナス金利政策で金利が一段と低い状況が続いていることを受け、来年度は満期までの期間が最も長い40年の国債の発行額を今年度当初より6000億円増やし、過去最高の3兆円とする計画です。

 

子育て・教育

保育士の賃金引き上げ

待機児童の解消に向けて、保育士などの給与を2%、月額でおよそ6000円増やして処遇を改善し、経験を積んだ人にはさらに4万円を上乗せする予算などとして492億円が計上されました。

受け皿整備

保育の受け皿を来年度末までに50万人分拡大するため、施設の運営費を支援する費用などとして3203億円が計上されました。

育児休業

子どもが保育所に入れない場合、育児休業中で収入のない人に支払われる給付金の支給期間を最大1年半から2年に延長するためなどとして318億円が増額されました。

給付型奨学金を創設

経済的な理由で大学などへの進学を断念する学生を減らそうと、返済のいらない「給付型奨学金」を創設するための費用として70億円が計上されました。本格的な実施は再来年度からですが、来年度は私立大学に通う下宿生など特に経済的に厳しい学生を対象に最大で月額4万円を給付します。

 

介護・年金

介護職員の処遇改善

介護施設や障害福祉施設の職員の人材不足の解消につなげるため、月額平均で1万円、給与を増やせるよう介護報酬を加算することになり408億円の予算がつきました。

介護の受け皿

親の介護などのため仕事を続けられなくなる人を減らそうと、小規模の特別養護老人ホームなどの介護施設を整備する費用などとして423億円を充てました。

年金受給資格

年金の受給資格を得るための加入期間を25年から10年に短縮して、年金を受給できない人を減らすための費用として245億円が盛り込まれました。

 

医療・介護 利用者負担の見直し

増え続ける社会保障費の伸びを抑えるため、医療や介護の分野では利用者の負担を増やす見直しなどが実施されます。

高額療養費の上限額 月に1万8000円へ

大きな見直しは高齢者の医療費の負担増です。毎月の医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」を見直して、70歳以上の人のうち年収が370万円未満で住民税が課税される人の外来の上限額を今の1万2000円から来年8月に1万4000円、再来年8月以降は1万8000円と2段階で引き上げます。 また、年収が370万円以上ある人の自己負担の上限額についても、現役世代と同じ水準に引き上げるなどして合わせて224億円を抑制します。

後期高齢者保険料の軽減特例

75歳以上の人が加入する「後期高齢者医療制度」を見直し、専業主婦などの保険料を最大で9割軽減している特例を、来年度から段階的に縮小することなどで187億円を抑えます。

介護納付総報酬割

40歳から64歳の人が支払う介護保険料について、健康保険組合などの加入者の数で頭割りする今の仕組みから、収入に応じて負担額を決める「総報酬割」に段階的に切り替え、大企業の会社員や公務員の保険料を高くして、財政負担を443億円抑制します。

高額の治療薬

高額な肺がんなどの治療薬「オプジーボ」について、来年2月から、価格を50%引き下げることで196億円を抑制します。

 

住宅 空き家の活用

空き家を高齢者と子育て世帯向けに

所得の低い子育て世帯や高齢者向けの住宅として空き家を有効に活用するため、リフォームの費用や家賃の一部を補助する新たな制度を創設し、その費用として27億円を盛り込みました。

子育て支援 住宅ローン金利下げ

若い子育て世帯の住宅の取得を後押ししようと、親と同居したり、親元の近くで暮らしたりするために住宅を購入する場合、長期固定型の住宅ローン「フラット35」の金利を当初の5年間、通常より0.25%引き下げるための費用などとして253億円が計上されました。

 

先端技術の研究開発支援

AI=人工知能搭載の次世代ロボット開発

AI=人工知能を搭載して工場で効率的に動く産業用ロボットや、家事や介護を支援する家庭用ロボットなどの次世代のロボット開発を支援するため、45億円の予算が計上されました。

IoT開発支援

あらゆるモノをインターネットで結ぶ、IoTと呼ばれる技術を道路や橋といったインフラで活用するため、必要となるセンサーなどの開発を支援する費用として164億円が盛り込まれました。

 

外国人旅行者4000万人に向けて

2020年に日本を訪れる外国人旅行者を年間4000万人に増やす観光立国に向けた取り組みです。

五輪前に羽田空港環境整備

2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、外国人旅行者がさらに増えることを見込んで、羽田空港の発着枠を増やすのに必要な誘導路の整備や、国内線と国際線のターミナルを短時間で結ぶトンネルの整備費などとして、147億円を計上しました。

空港の出入国体制の整備

また、外国人旅行者が日本にスムーズに入国できるよう空港で入国審査の際に義務づけられている顔写真の撮影を迅速に行う新型機器の導入などに146億円が計上されました。

外国人旅行者を国立公園に

多くの外国人旅行者に国立公園へ訪れてもらおうと、公園の整備や観光ガイドの育成のための費用として100億円が盛り込まれました。

外国人旅行者向け案内所

観光地に外国語に対応するガイドがいる観光案内所を設置したりトイレの洋式化を進めたりする費用として、85億円が盛り込まれました。

LCC誘致地方空港支援

地方の空港にLCC=格安航空会社などを就航させて、地方を訪れる外国人旅行者を増やそうと、国際線の誘致に積極的な空港を「支援空港」と認定し、施設の整備費や航空会社への着陸料などを補助する新たな制度を実施するための費用などとして、10億円が計上されました。

農泊の推進

外国人旅行者を農村や漁村に呼び込んで、伝統的な生活を体験してもらう「農泊」を推進するため、外国語で書かれた標示板や、古民家を活用した滞在施設の整備を補助する費用として、50億円を計上しました。

 

「働き方改革」の実現に向けて

賃上げへ助成金

企業の賃上げを促すため、年齢や勤続年数に応じて役職や給与が上がる年功序列の制度を改め、能力に応じた評価制度を整えて、賃上げを実行する企業を対象に最大で130万円を助成する制度を創設します。このための予算として39億円を計上しました。

長時間労働

長時間労働をなくすため、退社してから次の日の勤務開始までに一定の休憩時間を設ける「勤務間インターバル」を導入する中小企業に対して研修などにかかる費用の一部を支援するため4億円を盛り込みました。

同一労働同一賃金

同一労働同一賃金の実現に向け、非正規労働者を正社員に転換して待遇の改善を進める企業に対して、最大で72万円を助成する制度などの予算として670億円が計上されました。

 

東京五輪 震災復興 もんじゅ テロ対策

東京五輪・パラリンック

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて、スポーツ関連の予算としては、今年度を10億円上回る過去最大の334億円が計上されました。 活躍が期待される選手の発掘や強化費用として92億円が盛り込まれたほか、選手の強化拠点となる東京・北区のナショナルトレーニングセンターについてパラリンピックの選手も使用できるよう設備を拡充する費用として36億円が盛り込まれました。

日ロ経済協力

日ロ首脳会談で合意した経済協力プランにもとづいて、ロシアへの進出を目指す日本の中小企業を支援する相談事業や、ロシアに風力発電を導入するための費用、それに大学間の交流事業の費用などとして、一般会計と特別会計合わせて40億円が盛り込まれました。

東日本大震災の復興

東日本大震災の復興関連では、今年度の当初予算より5573億円少ない2兆6896億円が復興特別会計に計上されました。 長期間、住民が戻るのが難しい福島県の帰還困難区域の復興に向けて、区域内に設ける復興拠点の除染などの費用として309億円が計上されました。 除染で出る廃棄物を保管する中間貯蔵施設の整備などにかかる費用として、1876億円が計上されました。 一方、被災した中小企業が事業を再開する際の設備投資や販路の開拓などを支援する費用として54億円が盛り込まれました。 水産加工業などの人手不足対策として都市部の若者などを対象に、長期滞在型の就業体験や就業実習を実施したり、大手企業に専門的な技能を持つ人材を派遣してもらったりする費用として9億8000万円が盛り込まれました。

福島第一原発事故

東京電力福島第一原子力発電所の事故の賠償や除染にかかる費用が大幅に増える見通しになったことから、国による一時的な肩代わり分として必要に応じて現金化できる「交付国債」を4兆5000億円追加します。 これに伴い、金利の負担が発生するのに備えて400億円を計上しました。また、福島第一原子力発電所の廃炉にかかる研究開発の加速や、国際的な共同研究を進めるための費用として44億円が計上されました。

もんじゅ

高速増殖炉「もんじゅ」を廃炉にする方針が正式に決まったことを受けて廃炉作業の準備の費用として9億円が初めて計上されました。 また施設を当面、維持管理していくための最低限の費用として170億円が計上されています。 一方、原発で出る使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再び利用する「核燃料サイクル政策」を進めるため、今後、フランスと協力して高速炉開発を進めるのに必要な委託費などとして52億円を計上しています。

国境・テロ対策

国境警備やテロ対策については、沖縄県の尖閣諸島周辺の警備を強化するため、海上保安庁が新たに大型の巡視船2隻の整備を進める費用として123億円余りが盛り込まれました。 また防衛省の予算では、北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射を受けて、イージス艦により性能の高い迎撃ミサイルを搭載する費用や、鹿児島や沖縄に設置しているレーダーの機能を向上させるなど、弾道ミサイルへの対策を強化する費用として649億円を計上しました。 ことし7月、バングラデシュで起きた人質事件で日本人7人が犠牲になったことを受けて、海外にある日本人学校の安全対策を強化するための予算などとして18億円が盛りこまれました。 一方、東京オリンピック・パラリンピックの開催に備えて、治安情報の収集や、サイバーテロに対応するための監視システムの導入などのために、法務省の予算として30億円余りが盛り込まれました。 また警察庁では、国際的にテロの脅威が高まる中、対策を強化する費用として17億円余りが盛り込まれました。

諫早湾対策経費

長崎県の諫早湾干拓事業をめぐり、漁業者と干拓地の農業者、それに国の3者による和解協議が行われる中、開門調査を行うことになった場合に備えて対策費として62億円を計上しました。

徳島県に消費者庁の新オフィス整備

消費者庁が消費者教育や商品の安全性を確かめる実験などを行う新しい消費者行政の拠点となるオフィスを徳島県に整備する費用として、5億5000万円が計上されました。

 

財政健全化の課題は

政府は、社会保障や公共事業など政策にあてる経費を借金に頼らず税収などでどれだけまかなえているかを示す「基礎的財政収支」を財政健全化の指標としています。この基礎的財政収支について、政府は2020年度に国と地方を合わせて黒字化することを目標としています。 来年度予算案での国の一般会計の基礎的財政収支は、歳出が増える一方で、税収の伸びが鈍化するため10兆8413億円の赤字となり、赤字幅は今年度当初予算に比べて、214億円悪化する見込みです。当初予算案で基礎的財政収支が悪化するのは平成24年度以来、5年ぶりのことです。 内閣府がことし7月に公表した試算では、消費税率の10%への引き上げが2年半再延期されるのを受けて、2020年度の国と地方をあわせた基礎的財政収支は、今後、名目で3%台の高い成長率を実現したとしても、5兆5000億円の赤字となり、一段の収支の改善を迫られる厳しい見通しとなっています。このため政府は、成長戦略を着実に進めてより高い経済成長を実現し税収を増やすとともに、高齢化で膨らみ続ける社会保障費の抑制に向け大胆な制度改革に踏み込むなど財政を立て直すさらなる取り組みが必要となっています。

 

高齢者と若い世代の受け止めは

政府が閣議決定した来年度予算案。このうち歳出では、全体の3分の1を社会保障費が占め、過去最大の32兆円余りとなりました。増え続ける社会保障費を抑えるために、今回、一定の所得がある高齢者については医療費の自己負担を増やすことになりました。一方、若い世代に対しては保育の受け皿を拡大するなど支援を拡充します。ぞれぞれ対象となる人たちは、どう受け止めているのでしょうか。

高齢者の医療費は負担増

今回の予算編成では、社会保障費の伸びを5000億円程度に抑えるため、一定の所得がある高齢者の医療費の自己負担を増やすことになりました。高齢者の間では将来世代にツケを回さないためにもしかたない。でも、大きな病気をした時に医療費の負担が重くなることが不安だという声も出ています。 東京都内に住む山脇英夫さん(85)は、膝を痛めていて、週に1回程度、近くの病院で治療を受けています。妻の富子さん(81)とふたり暮らしの山脇さん。年収は年金のほか株式の配当などがあり「現役並み」と呼ばれる比較的収入が多い世帯に区分されます。今、気がかりなのは、毎月の医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」の見直しです。 山脇さんの場合、これまでは、外来で支払う自己負担が1か月で4万4400円を超えた場合、その分が戻ってきました。しかし、制度の見直しで来年8月からは自己負担の上限額が1か月当たり5万7600円に引き上げられます。さらに再来年8月からは、外来・入院を問わず上限の額が世帯で8万円余りを超える水準となります。 山脇さんも妻の富子さんもこれまで自己負担の上限を超えるほど多額の医療費がかかる病気にはかかっていませんが、今後のことを考えると不安が募ります。このため山脇さん夫婦は、将来に備えて日々の生活で節約したり、貯金を心がけたりしているといいます。 山脇さんは「貯蓄だけはしておかないと心配ですね。大病でも起こして、長生きしたら医療費に非常に負担がかかってくるんじゃないか。(国の財政を考えると)多少でも協力したいと思っていますが、先のことを考えるとどの程度の協力がいいのだろうか、結論はつきません。心配は心配です」と話していました。

介護の負担に不安も

実際に介護や医療のサービスを利用している高齢者からは、負担の増加はしかたないが、今後、体調が悪化した場合にどこまで負担が大きくなるか不安だという声が出ています。 東京・豊島区で妻と2人で暮らす森本隆雄さん(73)です。4年前、通勤中に交通事故に遭い、一命はとりとめましたが首から下がまひしてしまいました。毎日、朝9時からは医療保険を利用して看護師の訪問看護を受けます。体調のチェックのあと、排せつのケアも受けます。30分後には介護保険の枠を利用したヘルパーが到着。洗面など身の回りの世話をします。森本さんはこうした医療や介護のサービスを毎日受けて暮らしています。 今、森本さんにとって気がかりなのが来年度から行われる毎月の医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」の見直しです。今回の見直しで来年8月から自己負担の上限額が5万7600円に引き上げられるのです。さらに懸念しているのが介護保険での自己負担の増加です。森本さんは24時間、介護が必要な状態です。今は妻の良子さんが支えてくれていますが、それがいつまで可能なのか。介護保険のサービスにより頼らざるを得なくなった場合、費用を負担し続けることができるのか、不安を募らせています。 森本さんは「妻が本当に倒れたら、私の24時間の介護は誰がするんでしょうかということになる。夜も寝ず働いて、それで企業戦士とおだてられながら、結局はこういう体になったときに、医療保険だ介護保険だと心配せざるをえないようなことが起きるということ、一生懸命納めてきたんだから、ケガをしてもこんな体になっても安心しなさいよという社会がほしいですよね」と話していました。

若い世代の支援は

来年度予算案で政府が柱の1つに位置づけるのが少子化対策です。しかし、保育の現場を支える保育士は、人手不足が深刻化しています。大きな要因は低い賃金水準で、資格を持っていても結婚や出産などを機に辞めてしまう人も後を絶ちません。このため政府は、待機児童の解消に向けて保育士を少しでも確保しようと、予算案に、2%程度の賃金の引き上げ、経験を積んだ中堅の保育士には月額4万円を加算する費用などを盛り込みました。 今回、東京・文京区にある認可保育所を取材しました。11人の保育士が0歳から3歳まで36人の子どもを預かっています。ここで保育士として働く渡部恵美莉さん(23)。専門学校で保育士の資格を取得したあと、新潟の実家から上京。去年から、この保育所に勤めています。勤務時間は午前7時から午後7時半までの8時間のシフト制。子どもたちの食事から昼寝、日中の体調管理まで面倒を見ます。 この日はいわゆる「遅番」と言われる夜までの勤務。子どもたちが帰ったあと、部屋の掃除をし、子どもたちのその日の行動や体調についてこまめに記録も作成します。子どもたちを育てる保育士の仕事にやりがいを感じていますが、保育士の平均賃金はすべての職種の女性の平均賃金を3万円下回る21万円余り。2年目の渡部さんの月給はさらに低い19万円です。 渡部さんは「ほかの職業に比べたら、給料は安いと思いますが、あまりほかの職業とは比べないようにしています。国が2%程度の賃上げを支援するのはうれしいです。でも改善されたかは感じにくいです」と話しています。 この保育所を運営する会社では、渡部さんのような保育士に長く働いてもらえるよう、住まいの支援策を独自にとっています。渡部さんが暮らすのはオートロックつきのマンション。家賃は月6万5000円ですが、このうち運営会社が自治体の助成も活用して、4万円を補助しています。さらに渡部さんのために冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機もそろえました。都内で8か所の保育所をもち、さらに事業の拡大を目指すこの運営会社。地方に保育士をスカウトする採用事務所を設け、今後も増やしていく準備を進めています。それだけ力を入れなければ保育士を確保できない厳しい状況にあるのです。 運営会社HYBRIDMOMの三宅恵里社長は「やはりスタッフがいて初めて園が開園できるというところが当然あるので、地方のスタッフ、保育士たちが東京に出てくるときに何でもそろっていて、あしたから働ける状態にしていきたい」と話していました。

 

 

 

その3; https://www3.nhk.or.jp/news/special/zeisei2017/?utm_int=news_contents_special_006

 

税制改正大綱

暮らしどう変わる?

自民・公明両党は8日、政務調査会長や税制調査会長らが会談し、来年度の税制改正大綱を正式に決定しました。政府・与党は、税制改正大綱の内容を盛り込んだ税制関連法案を、年明けの通常国会に提出し、速やかな成立を目指すことにしています。その主な内容をまとめました。

目次

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配偶者控除の見直し

配偶者控除 どう変わる

夫が妻を扶養している世帯を例に見ますと、配偶者控除は、妻が専業主婦やパートタイムで働くなどして年間の給与収入が103万円以下であれば、夫の所得から一律38万円を控除して税の負担を軽減する制度です。また、妻の給与収入が103万円を超えても141万円未満までは配偶者特別控除が適用されますが、控除される額は38万円から段階的に減っていきます。こうしたことから38万円の控除を満額受けられる103万円以下に年収を抑えようという意識が働き、“壁”となっています。 今回の見直しでは、38万円の控除を受けられる妻の給与収入の上限を103万円以下から150万円以下に引き上げます。そして妻の収入が150万円を超えると、控除額が段階的に減っていき、201万円を超えると控除額がゼロになる仕組みです。

これによって、給与収入が103万円以下になるようパートの時間を抑えている女性が、より長く働けるようにしていわゆる「103万円の壁」を解消しようという狙いがあります。 ただ、このままでは税収が全体として減ってしまうため、今回の見直しでは所得の高い人は控除の対象外とする所得制限が新たに設けられます。具体的にみますと、夫が主な稼ぎ手で妻の給与収入が150万円以下の場合、夫の年収が1120万円までは満額の38万円の控除を受けられます。 しかし、1120万円を超えると控除額が26万円に、1170万円を超えると13万円に減ります。そして1220万円を超えると控除がなくなります

財務省は今回の配偶者控除の見直しで減税となるのは、およそ300万人、増税になるのはおよそ100万人と試算しています。一方、地方自治体が徴収する住民税は妻など配偶者の給与収入が103万円以下の場合、配偶者控除として夫の所得から33万円が控除されます。この制度も所得税の配偶者控除と同じように見直されます。

わが家は減税?増税?

実際にどんな影響が及ぶのでしょうか。

夫が主な稼ぎ手で妻がパートタイムで働き、子どもは大学生と高校生が1人ずつという家庭で見てみます。 妻のパート収入は年間150万円で、夫の年収が①500万円、②1000万円、③1500万円の3つのケースで見てみます。 このうち夫の年収が①500万円と②1000万円の世帯は所得税の38万円の控除が受けられる妻の収入の上限が103万円以下から150万円以下に上がることで、控除の対象となります。 この結果、所得税と住民税を合わせた減税額は①夫の年収が500万円だとおよそ5万2000円②夫の年収が1000万円だとおよそ10万9000円になります。 一方、③夫の年収が1500万円の場合。今回の見直しで1220万円を超えると控除が適用されない所得制限が導入されるため妻の収入が150万円であっても、引き続き控除の対象外となります。

妻が専業主婦、あるいはパートなどでの年間の給与収入が103万円以下の世帯です。 この場合、夫の年収が①500万円、②1000万円という世帯は見直し後も、今と同じように控除が適用され税負担は変わりません。一方、③夫の年収が1500万円という世帯は、今は配偶者控除が適用されますが、今回の見直し後は、夫の年収が上限の1220万円を超えてしまうため控除の対象外となり、所得税と住民税をあわせて年間15万8000円の増税になります。

財務省では今回の見直しによって、減税となるのはおよそ300万人、増税となるのはおよそ100万人と試算しています。

“壁の解消”なお課題も

今回の配偶者控除の見直しは、税の軽減が受けられるよう、いわゆる「103万円の壁」を意識している人たちが、より長い時間働けるようにしようという狙いがあります。しかし、それを実現するには税制の見直しだけでは不十分でほかにも課題があります。 1つは、多くの企業が配偶者控除の条件と合わせて支給している配偶者手当の在り方です。人事院の調査では配偶者手当の平均の支給額は年間16万8000円余りに上っています。その基準もまた、“配偶者の収入が103万円以下”となっているケースが多いため、配偶者控除とともに「103万円の壁」をつくる要因となっています。このため今回の配偶者控除の見直しをきっかけに、企業の間で配偶者手当の支給基準を見直す動きが広がるかどうかがポイントです。 また、勤める先などによって異なりますが、パートの収入がおよそ106万円、または130万円以上になると健康保険や年金の保険料を支払う必要が出てきます。これらは「106万円の壁」「130万円の壁」とも呼ばれ、税の配偶者控除、企業の配偶者手当とならんで女性が働く時間を抑える動機ともなっています。 さらに、育児や介護などで働きに出たくても出られない女性は多くいます。待機児童の数はことし4月時点で全国で2万3500人余りに上り保育所などの整備も喫緊の課題です。このように働く意欲のある女性が社会でより活躍できるようにするには課題が山積しているのが現状です。

所得税改革 今後の課題に

税制改正大綱では、今回の配偶者控除の見直しは所得税改革の第一弾で、今後、数年かけて改革に取り組んでいくと明記しています。 今回の配偶者控除の見直しは、おもに妻がパートタイムで働いている世帯で所得税の負担を軽減します。しかし、例えばお互いの年収が250万円程度の共働きの若い夫婦の世帯などには税の軽減が及びません。 税制改正大綱では「経済的余裕がない若者が増加しており若い世代や子育て世代に光を当てていくこと」を課題にあげ若い世代を支援するため、減税などによって所得を再分配する必要性を強調しています。 そして、若い世代への分配を増やすために、所得の高い人により大きな負担を求めることが避けられないという考えを強くにじませています。特に今の所得税の控除の仕組みは「高所得者ほど税負担の軽減が大きい」と指摘し、今後の税制改正で控除の見直しを検討すると明記しました。 高齢化で増え続ける社会保障費をまかなうため政府は、借金にあたる国債発行を重ねています。その一方で、来年4月に予定していた消費税率の引き上げを延期し、国の財政状況は厳しさを増しています。財政の健全化を進めつつ今の時代に合った新たな税制をどうつくり上げていくのか。税のありかたはひとりひとりの暮らしに直結するだけに、将来を見据えた丁寧な議論が課題です。

 

酒税の見直し

ビールは減税 第3のビールは増税

「ビール」、「発泡酒」、「第3のビール」の税率が一本化されます。こうしたビール系のお酒は原料となる麦芽の使用割合などによって税率が違っています。 350ミリリットル缶あたりの税額は、現在、ビールが77円、発泡酒が47円、第3のビールが28円となっています。 これを、景気動向を確認しながら4年後の平成32年10月、7年後の平成35年10月、10年後の平成38年10月と3段階で「ビール」を減税、「発泡酒」と「第3のビール」を増税し、税率を54.25円に一本化します。 背景には、国内のビールメーカーが税率の違いに着目し、低価格商品の開発競争にしのぎを削った結果、酒税全体の税収が減少したこと。また、税率を一本化することで各メーカーが国内の競争から世界市場を見すえたビールの開発に力を入れられるようにしようという狙いもあります。

日本酒は減税 ワインは増税

日本酒やワイン、それにチューハイやハイボールなどにかかる酒税もビール系のお酒と税率を一本化します。 現在、350ミリリットルあたりの税額は、日本酒は42円、ワインやチューハイ、ハイボールなどは28円となっています。 これを平成35年10月に、日本酒とワインを35円に一本化し、平成38年10月にチューハイ、ハイボールなども35円にそろえます。 ただ、国内のワイン製造業者への影響を緩和しようと小規模なワイナリーを対象に税率を軽減する措置の拡充を検討するとしています。

ビール系飲料 多様化の背景

ビールメーカー各社で作るビール酒造組合によりますと、日本のビールの酒税は350ミリリットル缶あたり77円で、ドイツのおよそ19倍、アメリカのおよそ9倍、フランスのおよそ4倍と、先進国の中では高い水準にあるとしています。このため、国内のビールメーカーは原料の麦芽の比率などで税率が異なることに着目し、ビールに近い味でビールよりも価格の安い商品の開発に力を入れてきました。 このうち、麦芽の比率を抑えながらビールに似た味わいを出す「発泡酒」は、サントリーが22年前の平成6年に販売を始めました。その後、13年前の平成15年には、サッポロビールが麦芽を一切使用せず、エンドウ豆の成分を使った「第3のビール」の販売を始めました。 激しい価格競争を展開するビールメーカー各社は、ビールより価格の安い「発泡酒」や「第3のビール」の商品開発や販売に力を入れ、消費者の節約志向の強まりもあって、急速に出荷量を増やしてきました。 この結果、大手5社の去年の出荷量では、「ビール」が50.6%、「発泡酒」が14.4%、「第3のビール」が35%で、「発泡酒」と「第3のビール」が国内市場の半分を占めるまでに伸びています。

戦略見直し迫られる ビール各社

ビール系飲料の税率が10年かけて一本化されることについて、ビール酒造組合は、「ビール自体の減税は、長年要望してきたことで前進と受け止めている。ただし、ほかの酒と比べて税率が依然として高いため、今後も減税を求めていきたい」と話しています。 一方、大手ビールメーカーではビール系飲料の販売量に占めるビール、発泡酒、第3のビールの比率が会社ごとに異なります。 例えば、減税されるビールは、アサヒが65%、サッポロが58%とビール系飲料の販売の半分以上を占めていますが、サントリーは37%、キリンは36%と、増税となる発泡酒や第3のビールの比率が高くなっています。 このため、税率が一本化されることになれば、大手各社は商品開発や販売戦略の見直しを迫られることも予想されます。 また、ビール系飲料の価格が税率の見直し後にどうなるかについては、各社とも現時点では分からないとしています。 ただ、ビール業界の関係者によりますと、麦芽を使っていない「第3のビール」は、ビールよりも製造コストが安いため、税率を一本化したとしてもビールとの価格差は残るのではないかとしています。

 

マンション/エコカー

タワーマンション

いわゆるタワーマンションの固定資産税も見直されます。 現在は床面積が同じならばどの階の部屋であっても税額は同じです。 これをマンション1棟の税額を変えずに中間の階から1階上がるごとに税額が高く、逆に1階下がるごとに税額が安くなるよう見直します。その結果、1階と比べると30階は7.4%、40階は10%、50階は12.6%税額が高くなるようにします。 これはタワーマンションでは上の階ほど床面積あたりの価格が高くなる実態を踏まえたもので政府・与党は再来年度から、高さ60メートルを超える新築マンションを対象に適用する方針です。

エコカー減税

燃費のよい自動車に適用されている、いわゆるエコカー減税。 来年春が期限でしたが、2年延長します。ただ減税の対象となる燃費の基準を厳しくします。現在は、販売されている新車の9割程度が対象になっていますが、来年春から1年間は新車の8割程度、再来年春からは7割程度に絞り込みます

 

経済活性化の税制

地方に外国人旅行者を呼び込む観光の促進策や企業の投資や賃上げを後押しする税制も盛りこまれました。

観光関連税制

外国人旅行者に対する免税制度が拡大されます。 外国人に各地の酒蔵を訪ねてもらい地域の振興につなげようと、日本酒や焼酎、ワインなどの製造施設で外国人向けに販売するお酒にかかる税を来年度から免税とします。 また空港の免税店の規制を緩和し、現在、出発エリアにしか認められていない免税店を到着エリアにも設置できるようにします。 海外旅行から帰国する日本人が外国の空港でなく国内の空港でみやげものの酒やたばこなどの免税品を買えるようにして、国内消費の押し上げにつなげる狙いです。

賃上げ税制

企業が賃上げをした場合に法人税を減税する制度が拡充されます。 たとえば、これまでも賃上げを進めてきた中小企業が来年度、さらに2%以上の賃上げを行った場合、給与の増額分の最大22%を法人税から差し引く減税措置を導入します。 こうした仕組みを新たに加えることで、大企業に比べ賃上げが難しい、中小企業を後押ししようという狙いがあります。

研究開発税制

企業の研究開発を後押しする減税措置も拡充されます。 企業が試験研究費を増やすほど減税額を多くする見直しで、大企業ではこれまで費用の最大10%を法人税額から差し引いていましたが、これを最大14%に。中小企業ではいまの12%を最大17%に引き上げます。 また、これまでは主に製造業が減税の対象でしたが、小型の無人機、ドローンやAI=人工知能などを利用して新たなサービスを開発しようという企業の試験研究費も新たに減税の対象とします。

積立NISA

個人が株式などへの投資で得た利益を5年間、非課税にする「NISA」と呼ばれる制度に、若い世代の投資を呼び込む新たな枠組みを設けます。 具体的には、投資の上限額を今の年間120万円より低い40万円にするかわりに非課税の期間を5年から20年に長くして、若い世代が時間をかけて投資できるようにします。

ビットコイン

「ビットコイン」など、インターネット上で取り引きされる仮想通貨。インターネット上の取引所で取得する時には、「モノ」や「サービス」を購入したとみなされ、今は8%の消費税がかかります。 しかし欧米では、仮想通貨の取得に消費税をかけていない国が多く、日本でも商品券やビール券、それにプリペイドカードには消費税がかからないことから扱いを揃え、消費税をなくします。

消費税配分基準

都道府県に配分される消費税の見直しが行われます。 消費税の8%のうちの1.7%分が都道府県ごとの小売やサービスの売上高などを基に配分されています。しかし、ネット販売や通信販売の普及によって、モノやサービスが実際に消費された地方ではなく販売業者の事業所がある東京などに偏ってしまう問題が起きていることから地方により多く配分する格差の是正が行われます。

 

課税逃れ対応税制

いわゆるパナマ文書の流出などをきっかけに多国籍企業や富裕層の課税逃れへの対応が国際的な課題になっていますが、それに対応する税制改正も決まりました。

国際課税

税率の低い租税回避地=タックスヘイブンに子会社を設立して税を逃れようとする企業への課税を強化します。今の仕組みでは、日本企業が海外のタックスヘイブンなどに課税逃れが目的のペーパーカンパニーを設立し、利子や配当などを移していてもその会社が現地で所得の20%以上の税金を支払っていれば、日本で課税ができません。 このため現地に従業員がいなかったり、事務所がなかったりして活動実体がない場合は、日本の親会社と合算して日本で課税できるよう制度を見直します。

外国居住者の相続・贈与税

海外に資産を移して相続税や贈与税を逃れようという富裕層への対応も強化します。いまの制度では、富裕層が海外に保有している資産を子どもなどが相続したり贈与されたりした場合、親と子どもが共に海外に5年を超えて住んでいれば、相続税や贈与税がかからなくなります。 このため富裕層の中には、海外に資産を移して5年を超えて暮らすことで、課税を逃れようとする人たちが少なくないと専門家は指摘しています。これに歯止めをかけるために相続税や贈与税がかからなくなる条件を今の「5年を超える」から「10年を超える」に改めます。

 

見送られた税制改正

今回、税制改正では先送りされたものもあります。

ゴルフ場利用税

ゴルフ場を利用する人に、原則1人1日当たり800円を課税する「ゴルフ場利用税」。 超党派の議員連盟が、スポーツの中でゴルフだけに課税するのは問題だとして廃止を求めていましたが、各自治体にとって貴重な税収になっているとして、見直しはせず、今後長期的に検討することになりました。

ベビーシッター控除

子育て支援策の一環として、ベビーシッターなどのサービスを利用しながら働く人を対象に、料金の一部を所得税から控除する措置が要望されていました。しかしベビーシッターの利用者は、「比較的、所得の高い人が多い」として実施は見送られました。

あしながおじさん税制

子どもや孫に教育資金を贈与する場合、1人当たり1500万円までは非課税となります。これを拡充し、所得の低い家庭の子どもに親や祖父母ではない第三者が善意で、教育資金を贈与する場合も非課税にする措置については「仕組みの議論が不十分だ」などとして見送られました。

保育所の相続非課税

保育所などに貸している土地を相続したり贈与されたりした人が引き続き、土地を一定期間にわたって貸す場合、相続税や贈与税を非課税とする措置も見送られました。

 

税収への影響は

今回の税制改正が税収全体におよぼす影響について財務省は、現時点の見積もりで国と地方をあわせておよそ300億円の減収になると見られるとしています。 減収の大部分は、個人が株式などへの投資で得た利益を5年間、非課税にする「NISA」と呼ばれる制度で、非課税の期間を5年から20年に長くする新たな枠組みを設けることで生じるということです。 また、所得税などの配偶者控除の見直しについては、主に妻がパートタイムで働く世帯で減税となる一方、高い所得の世帯では増税となるため、全体としては、税収の増減はないということです。 お酒にかかる税率の変更も、ビールや日本酒の減税分と発泡酒やワイン、チューハイなどの増税分がほぼ同じで、全体の税収に影響はないとしています。この他の税制改正の影響は現在、見積もりをしているとしています。

 

 

いずれも年内の決着ご苦労様でした。議会での早期の成立を願っております。

                          呵々 よいお年をもう一度(^ω^)・・・

 

 

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