第4次産業革命の労働力、生産性、国際競争力への影響

 

 

4次産業革命の労働力、生産性、国際競争力への影響

はじめに;

 表題のトピックスを掲載しようとしていたら、10月17日付の日経新聞に、「迫りくる第3次産業革命」と題する時論「オピニオン」が掲載され、あれ~先越されちゃったと思って、その記事を読むと、語り手が文明評論家のジェレミー・リフキン氏で、ドイツのメルケル首相とも親交がある人なので、3次か4次かの違いはあっても、コンセプトに大きな違いはないようなので、合わせてお読みいただければいいでしょう。そのインタビュー記事の結びで、リフキンさんの母国の米国は残念ながら逆の方向に向かっているとされ、メルケル政権の脱原発政策や 『インダストリー4・0』 を提唱しているドイツは正しい方向に向かっているとしています。 日本への評価は、「ITや製造業関連など第3次革命に必要な個々の要素技術はそろっている。ドイツや中国と並んで、先頭ランナーとして世界をけん引してほしい。」 と述べています。

 

1.産業革命とは?

人類は、水車や風車、馬力などの自然の力を利用し、手作業でモノを作る次元から、効率化と省コスト化を目指して一歩一歩前進してきた。第1次、第2次産業革命を経て、我々は今、IT技術を駆使する第3次産業革命の発展途上にあると言われ、ています。具体的には、

1760〜1830年代

第1次産業革命: 石炭で動く蒸気機関の発明による機械工業化

1860~1900年代

第2次産業革命: 石油と電力による大量生産、大量輸送の実現

1970年代~現在

第3次産業革命: IT技術の発展による生産の自動化、機械の制御

2025年~

第4次産業革命: 人工知能(AI)とITによる考える工場、繋がる産業へ

 

 18世紀に産業革命が起きたとき、「ラッダイト運動(機械の打ち壊し運動)」が起きました。繊維工業の機械が発明されたことで、「仕事を奪われるのではないか」と恐れた労働者が紡績機などの機械を破壊したのです。  けれど現実的には、産業革命によって労働の効率化が図られ、生産性も大きく向上しています。労働者の生活水準も上がりました。一時的には、目の前の仕事が奪われたように思われますが、機械化によって仕事を失った職人たちが、新しいニーズに応えるような産業を生み出していったわけです。 このような現象を産業革命と呼んだのです。

2010年にドイツ政府が掲げた「ハイテク戦略2020」の中で、10の「未来プロジェクト」が紹介された。2011年、その中の1つのアクションプランとして初めて「インダストリー4.0」という概念は世に出た。目指すものは、生産システムのデジタル化により製造業に革命を起こすこと! 世界に先駆けて第4次産業革命を起こすことが、ドイツにとって必要不可欠な国家戦略ということだ。世界レベルでモノづくりのあり方が再考され、IoT(モノのインターネット)進展によるビジネスモデルの変革が待ったなしで進む中、ドイツは産官学一体となって、10年後の未来に向けて大きく舵を切ったといわれています。

インダストリー4.0が目指す世界とは?

「インダストリー4.0」という言葉がどんどん先行しているイメージだが、第4次産業革命は「まだ起きていない」ということを、ここでもう一度おさらいしたい。ITを活用した先進的なシステムが、閉ざされた空間の中で実現されている状況は、まだ第3次革命の延長なのだ。

10年後の実現を目指す

工場の生産工程が繋がり、さらには、販売店と工場、流通経路など、モノやサービスに関わるすべての施設が企業や国の垣根を越えてネットワークで繋がる社会。これが進むと、大量生産型の方が価格を抑えられるという、これまでの常識は脆くも崩れ、オーダーメイドでも大量生産品と同等の価格で製品を製造できるようになる。工場が変われば労働者の生活が変わり、価格や物流の変化が消費者の行動を変える。新しいビジネスモデルが誕生し、社会が変わる。ドイツ政府は、ここまで来てようやく「革命」と呼ぶにふさわしいと考えており、これを今後10年で実現するためのロードマップを作成している。

モノとモノが繋がり、自ら「考える工場」に

インターネットなどの通信ネットワークを介して工場内外のモノやサービスを繋ぎ、人口知能(AI)が生産工程を最適化させる「考える工場(Smart Factory)」という試みがある。ドイツが目指すのは、これまでのIT技術を利用した生産の自動化から、AIを駆使したサイバーフィジカルシステム(CPS)技術を用いた考える工場への進化。

CPSとは、製品の注文が入ると、最も早くコストがかからない生産・販売ルートをネットワーク全体で自動的に計算して、実行し、生産の最適化を進めようというもの。生産工程においては、シミュレーションや分析などを仮想空間(サイバー)に委ね、その結果を受けて現実世界の機械動作(フィジカル)が行われる。端的に言えば、製品は自分がどういう製品であるべきかを知り、生産ラインに「こうしてほしい」と働きかけながら自己生産を始めるのだ。さらに、インダストリー4.0では、この考える工場と倉庫、流通経路、販売店など、関連施設すべてをネットワークで繋ぐ。将来的には、企業や業態の枠組みを超えてネットワークを結び、ドイツ国内を「1つの大きな工場」に見立てるという構想を描いている。

このように考えると、AIやIT化によって、付加価値を高める、あるいは生産性を高める重要なチャンスがやってきていると思われます。もちろん、AIやIT化をどんどん前進させる一方で、仕事を失った人たちが新しい産業を起こせるような環境を構築することが大切です。

 

2.産業構造が変わっていくときは、労働の流動化が一番大事産業革命により─社会が変われば、その分違った産業が育ち、そこに雇用も生まれます。

 1990年代、フィンランドが破産しかけました。フィンランドは貿易に大きく依存していましたが、当時、ソ連が崩壊したことで、対ソ連輸出が減ってしまったことが原因でした。旧ソ連の経済が元に戻ったとしても、これまでと同じように輸出できるとは限りません。そこで当時、フィンランド史上最年少(36歳)で首相に就任したエスコ・アホ氏は、失業者にお金を支給するのではなく、全員に無料でパソコンなどIT関係の職業訓練を受けられるようにしました。これからはパソコンが使えないと仕事ができないと考えたのです。その結果、2000年ごろには、フィンランドは国際競争力ナンバーワンの国になりました。ノキアなどの先端企業が生まれました。そしてフィンランドは今や、IT先進国です。 これは、労働の流動化がスムーズに行なわれた成果と考えることができます。

我が国の戦後の高度成長は、地方から労働力を都市に移すことで成り立ちました。その象徴が集団就職です。荒っぽくいえば、農業に従事していた若者を都市に集めて、トヨタや松下(現パナソニック)に勤めさせた。生産性の低い農業から生産性の高い製造業へ労働力をシフトさせたことで、日本は復活しましたね。 日本は、これまでも労働の流動化を進めながら、伸びる産業に人をシフトさせて成長してきたのですから、これからも明るい未来のために労働の流動化を進めるべきです。しかし、貧困からの脱出という生活環境が、勤労意欲を掻き立て国際競争力にも勝てたわけですが、現在の給与水準のもとで、かってと同じ勤労意欲を期待することには無理があります。生産性の向上や労働の流動化の必要性が指摘されて長年が経過したにもかかわらず、あまりその成果はみられません。日本経済引っ張った、かっての世界競争力が強かった大企業は、影を潜め、製造業の海外移転による空洞化や、サービス産業の停滞により、経済成長は、ゼロもしくはマイナスへと落ち込んできています、起業活動等においても、革新的なものはほとんど見られず、国際競争力においても、年々低下の一途を示しています。労働者のためのインフラが時代遅れになっても,旧態前のままで、全ての問題が先送りされた状態が続いており、閉塞感が蔓延しています。

 雇用の流動化というと、クビにされやすくなるのではないかという懸念も感じます。「会社が嫌だ」とか「うちの会社はブラック企業だ」と言いながらも勤めているのは、働き口がなくなることへの不安が大きいように思います。 ──解雇というと、自分が不要な人間であるかのような意識を持つ方もいるかもしれませんが、別のもっと必要とされているところに行けばいい、という発想は納得がいきます。そもそも「ブラック企業だ」と言う前に、自分から動くということを考えればいいわけです。

今の社会保険の制度は、「終身雇用、年功序列が正しい働き方である」という前提の上にできあがっています。 どんな働き方も正しいのですから、多様な働き方を認めたうえで、それぞれの働き方の間に不平等がないような制度をつくらなければいけませんよね。日本は国を挙げて労働の自由化、流動化を進めるべきだと思いますが、ではどうすれば労働の流動化が進むかといえば、すでに述べた社会保険の適用拡大だと思います。まずはセーフティネットを整備しなければなりません。

 

 

3. 「働き方改革」 と言われて、プレミアムフライデーだの、時短だのと言われているのですが、労働時間だけ短くしても、それが解決策になるのか疑問だらけです。 高齢化社会が進む中でGDPを上げるには、労働時間の規制に関する議論も必要です。 労働時間の規制は、時間に基づいて働いている人にとってはある程度必要なんです。たとえば、工場の

ラインで働いている人は時間で働いていますから、働きすぎないように時間の規制を設けるべきでしょう。 ただし、ホワイトカラー労働者の中には、一律に時間で働きぶりを評価できない人もいます

だとすれば、働いた時間に関係なく、成果に対して賃金を支払う制度があってもいい。新しい商品の企画開発に携わっている人であれば、「何時間働いたか」ではなく、どのような商品を開発したのか、というアウトカム(成果)で評価されるべきです。  ホワイトカラー労働者に対して労働時間規定の適用を免除するのが、「ホワイトカラー・エグゼンプション」です。エグゼンプションとは、「義務・法の適用などを免除する」という意味です。ホワイトカラー・エグゼンプション制度の創設を含む「労働基準法改正法案」が国会に提出されていますが、まだ入り口で止まっています。労働時間だけを単純に規制して、仕事の仕方(生産性を上げるしくみ)が変わらないということになると、日本のGDPは落ちてしまいますから、今後ますます議論を深めていく必要があります。

日本の年間労働時間は、正社員で見ると平均2000時間です。ユーロ圏は1500時間未満です。この数年間の平均成長率を比べてみると、日本は1%未満なのに、ユーロ圏は2%近い成長です。日本はユーロ圏よりも長時間仕事をしているのに、成長率が低いのです。 なぜ長時間働いているのに成長率が低いのかといえば、それは、世の中が製造業主体の工場モデルからサービス産業主体のモデルに移行したのに、工場モデルに合った働き方を今も続けているからです。いわゆる、付き合い残業やダラダラ残業です。工場モデルの場合は、長時間働いたほうが生産ラインが動き続けるので、生産性が上がります。ですが、日本の産業の約7割はサービス産業です。サービス産業は長時間労働ではなく知恵とアイデアの勝負です。 

今の日本は、「職場にいる=仕事をしている」ではないので、朝8時から夜10時までデスクに座っていても、良質なアウトカムは出てきません。 「メシ、風呂、寝る」の長時間労働ではなく、「人、本、旅」でアイデアを出していかなければ、経済が成長しない段階にきているのは間違いありません。 生産性を上げるということは、頭を使ってよく考え、5時間の仕事を3時間で終わらせるように工夫することですから、そのためにも働き方の改革は不可欠です。 工場はどんどん新興国へ移転しているし、今の日本は、アイデアで勝負するサービス産業中心の世界です。たとえば、出版社に2人の編集者がいたとします。Aさんは朝8時から夜10時までデスクにかじりついているけれど、担当する本がまったく売れません。一方のBさんは、朝10時にのんびり出社して、出社したと思ったらすぐにカフェに行き、午後6時には会社を出て飲みに行く。けれど、ベストセラーを年間3~4冊は出す。AさんとBさんではどちらが評価されるかといえば、Bさんです。ですから、残業上限規制やインターバル規制を入れて、少ない時間で成果を出そうという考え方は間違っていないと思います。

 「とにかく頑張って働いてお金を儲けたい。残業が多くてもかまわない」と言う人も、「終身雇用、年功序列でやりたい」と言う人も、「子どものことを考えて、1日5時間だけ働きたい」と言う人もいて、働き方は人それぞれです。自分の仕事をきちんとやっているのなら、兼業(副業)をしてもいいと思います。 兼業で問題があるとしたら、利益相反と守秘義務の問題だけです。  多くの企業が兼業を禁止していますが、兼業はシェアリング・エコノミーの究極なんです。要するに、人材のシェアリングです。ひとつの場所に縛りつけておく必要はありませんよね。シェアリングをすると所得が増えるだけでなく、人生の幅が広がることにもなるので、メリットだらけです。

4.高齢化先進国の我が国が率先すべきこと

一括採用・終身雇用・年功序列・定年制・企業内労働組合」というガラパゴス的な1940年体制下の人事・雇用システムから、そろそろ脱却したほうがいいのではないかと言われて久しすぎます。65歳までの雇用義務を企業に課すのではなく、定年制の廃止を義務づけ、年齢フリーの雇用環境をつくり出せばいい。  企業が高齢者の雇用に二の足を踏むひとつの要因は、年功序列賃金によるコスト増を意識しているからでもあるのです。 けれど、年齢フリーにして年功序列がなくなれば、「同一労働同一賃金」が確立されます。「同一労働同一賃金」というのは、同じ仕事をして同じ成果を上げれば、パート、正社員にかかわらず、同じ賃金を支払う、ということです。すると、企業は年齢ではなく、ポジションや成果を見て報酬を決めればいいので、高齢者を雇用することに躊躇しなくなるのではないでしょうか。高齢者も含め、多様な能力を持った人が、多様な働き方をする。それを可能にするような制度にしなければいけませんよね。それを実現する一歩が、「同一労働同一賃金」だと思います。オランダはまさにそれをやったわけで……。 オランダでは、同一労働同一賃金の条件が法律や労働協約で保障されていて、社会保障の給付や年金も平等な権利が保障されています。派遣社員に対しても正社員並みの労働条件が認められています。

一方若年労働者に新しい制度を急速に適用することへの危惧が、インフラの改革を遅らせていることも確かであろうが、選択制度等を導入することで、改革の途に手を付けるべきでしょう。飴と鞭を利用した選択の誘導もあり得ます。期限を示して、漸次に改革することも考えるべきでしょう。

 

5.日本企業の生産性が低い理由はITと技術の活用方法なのか

  生産性の向上は働き方改革の中核として位置づけられており、今年の年次経済財政報告(経済財政白書)でも主要なテーマとして取り上げられた。白書では、AI(人工知能)やクラウドといったテクノロジーが生産性にどう影響するのかについて分析を行っているが、非常に興味深い結果が得られている。

多くの日本企業では、生産性に関してかなりの苦戦を強いられている。日本の名目労働生産性は38.6ドルとなっており、先進諸外国と比較すると著しく低い(OECD調べ、2005年から2013年までの平均値)。米国は58.4ドル、ドイツは60.2ドル、フランスは60.3ドルなので日本の1.5倍もある。

 

主要先進国の「名目労働生産性」の水準

国名

名目労働生産性(単位:ドル)

フランス

60.3

ドイツ

60.2

米国

58.4

スウェーデン

52.5

イタリア

50.6

オーストラリア

48.8

英国

47.7

カナダ

46.9

日本

38.6

                                        出典:OECD

 

 白書では日本の生産性の低さについて、IT資本装備率とTFP(全要素生産性)が大きく影響していると分析している。簡単に言ってしまえば、日本企業はIT投資に積極的ではなく、しかも、こうした投資をうまく付加価値増大に結び付けられていない。  日本の製造業における1人あたりのIT投資金額は約3500ドルだが、米国は7000ドルを超える。非製造業ではさらに差が拡大し、製造業と同じく7000ドル台の米国に対して日本の非製造業は2500ドル程度まで落ち込んでしまう。以前から指摘されてきたことではあるが、ITによる業務プロセスの標準化が進んでいないため、あちこちでムダが発生しており、これが生産性を引き下げている可能性が高い。  こうした状況下では、いくら残業を減らそうと努力しても、うまくいかない可能性が高い。業務プロセスそのものにムダがあり、システム化以外に解決の手段ない場合には、現場の努力でできることには限界があるからだ。ITの導入が進まず、業務プロセスの合理化もままならない状況では、次のステップであるITを活用して新しいサービスを生み出すというところまではとても手が回らないだろう。

 一方、日本企業でも積極的に新しいテクノロジーを導入するところはある。こうした企業が全体をリードして生産性を引き上げることはできないのだろうか。こうした点についても白書は興味深い指摘を行っている。革新的なテクノロジーを導入していても、そのやり方はかなり保守的なのだとの指摘である。 白書によると、日本の大企業でAIを導入しているのは4.3%、IoTを導入しているのは10.9%だった。中小企業ではAIは0.4%、IoTは2.8%なので、中小企業ではほとんど導入が進んでいない。   これに対して、クラウドは大企業では42.7%が導入し、中小企業でも17.9%が導入済みとなっていた。AIやIoTに比べてクラウドの導入割合いが高いことが分かる。ロボットについても大企業が16.7%、中小企業が7.2%と比較的高い普及率となっている。クラウドやロボットについては中小企業も含めて、それなりに積極的といってよいだろう。  同時に白書では、これらのテクノロジーがどの程度、生産性に影響を与えるのかについても試算を行っている。内閣府が行った新技術の導入状況に関する調査結果と従業員1人当たりの付加価値などの数値などを用いて回帰分析を行ったところ、新技術が生産性に与える影響にはかなりのバラツキがあった。

日本企業が、効果が小さい技術ほど積極的に導入する隠れた理由

 日本企業が積極的に導入しているクラウドやロボットは、生産性の向上にあまり寄与しないテクノロジーであり、AIやIoTなど日本企業が導入に消極的な技術ほど、生産性向上に大きく寄与している。つまり効果が小さい技術ほど日本企業は積極的に導入していることになる。  なぜこのような結果になってしまうのだろうか。原因のひとつとして考えられるのは各技術の普及度合いである。クラウドはサービス提供開始からかなりの時間が経過しており、社会に浸透している。ロボットにいたっては、すでに20年以上の経験値がある。

一方、AIやIoTはこれからの技術であり、日本企業は様子見をしている可能性がある。もしそうなら、各国で本格的な普及が始まれば日本企業も動き始めるかもしれない。  このパターンであれば、基本的に時間差の問題ということになるが、もう少しひねった解釈も可能だ。クラウドやロボットは、生産現場の効率化に寄与するが、AIやIoTの導入はビジネス・モデルそのものの変革に結びつきやすく、ホワイトカラー層の雇用に大きな影響を与える可能性がある。

 

 

6.私が考える日本の生産性の低さとの関連

 公開されている情報、白書等を読んでの感想からくるものですが、働き方の面では、使用者と被用者との間の緊張状態の欠如、すなわち甘さ、仲良しクラブ的なぬるま湯の状態が強すぎるのではないかというものです。ブラック企業等なもとよりですが、使用者は効率性を最優先させるべきですし、使用者は、企業利益への貢献度を最優先すべきといった当たり前のことがないがしろにされている気がしてなりません。収益への貢献度を十分に認識させるご業務命令、勤務命令を旨とし、勤務形態等で重視するのは、企業の信用、使用人の権利等に限るべきである。AI等の技術の活用等への姿勢の面では、AI等の技術が、ブルーカラーないし生産現場の効率化、に資するものが優先され、ホワイトカラー層の雇用に影響を与えるものがないがしろにされる傾向があるとの指摘には、私も思い当たる点が多々あります。例えば、行政サービスでの技術の導入が、定員削減を回避すべく労働組合からの抵抗があったことも確かであり、できる限り、職員の手助けとなるような技術の導入が優先されがちであるようでした。

しかし、その一方で、あまり大きなAIの導入への切り替えは、行政サービスの変化への対応能力等に心配があり、人間による対応能力等に完全に等しいようなAIが簡単に入手できるとも考えられないことが、やり方が保守的にならざるを得ない面もあると考えられます。また民間においては、企業秘密に関する要素が、AI関連業者等に提供せざるを得ないことや、業態の変更等のサイクルの短期化等から、全体的なAI等の技術の導入に慎重になるのも、むべなるかなという感がしないでもない。今一つは、AI技術の提供業者の、顧客の長期の取り込みをうかがわせるような、プログラミングの提供の姿勢が、利用者たる企業に慎重とならざるを得ないこともあり得ます。技術等の、利用者による独自の利用とプログラム等の修正等を独自に行えるような商品の提供をすることで、維持管理費用の押し売り等が無くなることが要請されます。

特に日本のサービス産業においては、「おもてなし」に代表される、過剰サービスともいうべきことを、従業員に強制していることが、海外との大きな違いであり、それらをサービスの対価に転科できない等による生産性の低さにつながるとも指摘されています。いずれにしても、これらの技術の導入による、被用者の解雇等について、アメリカのシリコンバレーのベンチャー企業が、被用者の転職等のための、ユニバーサル・ベーシック・インカムの制度の活用が試行されています。これらの制度がうまくゆけば、AI等による生産性向上の促進に拍車がかかることも、あながち夢物語ではないような気がします。高齢化と人口減少の我が国における、国富と生産性の向上に、第4次産業革命が役に立つのは間違いないでしょう。リフキンさんが指摘するように、ドイツや中国と並んで、先頭ランナーとして世界をけん引することを国策の1つとしてほしいものです。

 

なお、参考にした文献等は次の通りです。

経済財政白書で読み解く、日本企業が「生産性が向上しない技術」ばかり導入する現実     https://www.sbbit.jp/article/cont1/33919#head1

竹中平蔵とライフネット生命創業者 出口治明が徹底討論!「AIは労働力を奪うか?」  https://www.sbbit.jp/article/cont1/34032#head1

「人手が足りない!」で倒産も。日本をダメにする新たな構造不況   http://diamond.jp/articles/print/145534

迫り来る第3次産業革命 文明評論家 ジェレミー・リフキン氏  https://www.nikkei.com/article/DGKKZO22313490W7A011C1TCR000/

2017/10/17付日本経済新聞 朝刊

                                                                                                                                                                             以上

 

お知らせ

トピックス/コラム記事

opinion(中辛、激辛)

続き物・物語

Page Top