COVID-19 の一般家庭での対処上のQ&A(その4)
2020年4月14日
はじめに:
わが国でも、とうとう特定地域での緊急事態宣言が実施されましたが、欧米のロックダウンのように強制的で罰則等を伴う都市の閉鎖ではありません。しかし、我々企業等を含む国民のサイドでの自主規制のガイドライン等は必ずしも明らかではなく、資格もはっきりしない専門家による解説等はそれなりに理解はできますが、具体的のどのような行動が望ましいのかとの疑問が残ります。なんとなくもやもやしていた時に、米国の疾患対策予防センター(CDC)サイトで、「COVID-19に関するQ&A」の中から、最もよくある質問の紹介があったので、ここに引用します。
なお、Q&Aの対象者別,機会別等の全容は、(よくある質問)で検索できます。
一.米国の疾患対策予防センターによるCOVID-19に関する最も多い質問
質問1: COVID-19 を引き起こすウイルスはレストランの持ち帰り、冷蔵または冷凍⾷品のパッケージ含む⾷品を通して感染が拡⼤しますか?
回答:コロナウイルスは⼀般に、呼吸器の⾶沫を介して⼈から⼈へと感染すると考えられています。現在、⾷品を介してCOVID-19に 感染する証拠はありません。⼀般的な⾷品の安全のために、⾷品を準備⼜は⾷べる前には常に⽯鹸と⽔で20 秒間⼿を洗うことが重要です。1⽇中、咳やくしゃみをするときはティッシュで⿐を覆い、⿐をかんだ後、咳やくしゃみ後、トイレ使⽤後は必ず⼿を洗ってください。 ウイルスが付着しているパッケージ製品の の表⾯または物質に触れ、⾃分の⼝、⿐、またはおそらく⽬に触れることで、COVID-19に感染する可能性がありますが、これはウイルスが広がる主な⽅法であるとは考えられていません。⼀般に、これらのコロナウイルスは表⾯での⽣存率が低いため、⾷品やパッケージから拡散するリスクは⾮常に低いと考えられています。
質問2:地域社会の感染とは何ですか?
回答:地域社会の感染とは、どこでどのように感染したかが不明な⼈も含む地域で、⼈々がウイルスに感染している事を意味します。
質問3:中国から輸送された梱包⼜は製品から COVID-19 に感染する危険性がありますか?
回答:COVID-19 及びそれがどのように蔓延するのかまだ不明な点が沢⼭あります。このコロナウイルスは、呼吸⾶沫によって最も頻繁 に蔓延すると考えられています。ウイルスは⼀部の表⾯で短期間存続する可能性はありますが、周囲温度で数⽇または数週間にわたって出荷される製品または梱包品から拡散する ことはほとんどありません。 現在、輸⼊品に関連する COVID-19 の感染を ⽀持する証拠はなく、⽶国では輸⼊品に関連する感染の事例はありません。
質問4:COVID-19 のリスクを減らす為、家族は どのような措置を取ることができますか?
回答:病気になるリスクを減らすためには 毎⽇の予防⾏動を練習し、家の全員が同じことを⾏う必要があります。これらの⾏動は⾼齢者や重度の慢性病状のある⼈々にとって特に重要です。 病気の⼈との密接な接触を避けてください。 病気になったときは、治療を受ける以外、家に滞在して下さい。 咳やくしゃみをする時はティッシュで覆い、 そのティッシュをゴミ箱に廃棄して下さい。 特に⿐をかんだ後、咳やくしゃみ後、トイレ使⽤後、⾷べる前や⾷べ物を準備する前に⽯鹸と⽔で 20 秒以上頻繁に⼿を洗って下さい。 ⽯鹸と⽔がすぐ利⽤できない場合、少なくとも 60%のアルコールを含むアルコール.ベース の⼿指消毒剤を使⽤して下さい。
⼿が明らかに汚れている場合、常に⽯鹸と⽔で⼿を洗って下さい。 頻繁に触れる表⾯や物体(テーブル、カウン ター.トップ、ライト.スイッチ、ドアのノブ、 キャビネット.ハンドルなど)を清掃し、消毒 して下さい。メーカーの指⽰に従い、ぬいぐるみを含めて、洗える物は何でも洗濯して下さい。品⽬に応じて、可能な限り、最も暖かい温度に設定したお湯で洗濯し、完全に乾燥させます。 病気の⼈の汚れた洗濯物は、他の⼈の洗濯物と⼀緒に洗うことは可能です。
質問5:家族の誰かが COVID-19 で病気になった時どうするべきですか?
回答:COVID-19 で病気になったほとんどの⼈は⾃宅で回復することができます。CDCには、⾃宅で回復している⼈々とその介護者のための指⽰があります。病気になった時、治療を受ける以外は⾃宅隔離して下さい。COVID-19 の緊急警告サインが出た場合は、直ちに医師の診察を受けてください。緊急の警告サインには以下が含まれています。 呼吸困難 持続的な胸痛や圧⼒新たな混乱または覚醒できない唇または顔が⻘みをおびているこのリストはすべてを網羅していません。重度または懸念されるその他の症状については、医療提供者にご相談ください。可能な場合、病気の家族のメンバーは別の部屋とバスルームを使⽤して下さい。
COVID-19 が他の⼈に拡散するのを防ぐために、病気のメンバーに⾃宅で着⽤できる清潔 で使い捨てのマスクを提供して下さい。 必要に応じて、病室やバスルームを掃除して、病⼈との不必要な接触を避けて下さい。 調理器具、⾷べ物、飲み物など、⾝の回り品の共有を避けて下さい。
質問6:誰がテストを受けるべきですか?
回答:すべての⼈がCOVID-19のテストを受ける必要があるわけではありません。以下 は、ケアや検査を求めることについての意思決定に役⽴つ可能性がある幾つの情報について説明しています。 ほとんどの⼈は軽度の病気を患っており、⾃宅で回復することが可能です。このウイルス に対して特に承認された治療法はありません。 テスト結果は、あなたが誰と連絡を取るかについての意思決定を知らせるのに役⽴つかもしれません。CDCは誰が検査すべきかについてのガイダンスはありますが、検査に関する決定は州および地⽅の保健部⾨および/または個々の臨床医の裁量に任されています。
質問7: COVID-19 による深刻な病気のリスクが ⾼いのは誰ですか?
解答:COVID-19 は新しい疾患であり、重症疾患の危険因⼦に関する情報は限られていま す。現在⼊⼿可能な臨床専⾨的情報によると、⾼齢者や深刻な基礎疾患のある全ての年齢の⼈々は、COVID-19 による重症のリスクが⾼い可能性があります。 COVID-19 による重篤な疾患のリスクが⾼い⼈は次のとおりです。 65 歳及それ以上の⼈々、 ⽼⼈ホームや介護施設に住んでいる⼈、 根本的な病状を持つすべての年齢の⼈々、特に⼗分に管理されていない場合、以下の⼈々が含れています: 慢性肺疾患または中等度から重度の喘息の⼈ 深刻な⼼臓病を患っている⼈ 癌治療、喫煙、⾻髄または臓器移植、免疫不全、HIV または AIDS の制御不良、およびコ ルチコステロイドやその他の免疫⼒低下薬を⻑期使⽤している免疫不全の⼈々。 重度の肥満の⼈(ボディマス指数[BMI]≥40)糖尿病の⼈、 透析を受けている慢性腎臓病の⼈、 肝疾患のある⼈
質問8:COVID-19 から保護するためにどの洗浄製品を使⽤する必要がありますか?
回答:テーブル、ドアノブ、ライト.スイッ チ、カウンター.トップ、ハンドル、机、電 話、キーボード、トイレ、蛇⼝、流し台な ど、頻繁に触れる表⾯を清掃し、消毒して下さい。 表⾯が汚れている場合、消毒前に洗剤 または⽯鹸と⽔を使⽤して表⾯を清掃して下 さい。 消毒には、最も⼀般的な EPA 登録の家庭⽤消毒剤が有効です。
上記の質問の中で、最も論争的な点は「誰が試験を受けるべきか」との質問に対する CDC の「すべての⼈が COVID-19 のテストを受ける必要があるわけではありません」との回答です。 なぜなら、最近では多数の⼈々が症状がなくても、テストを受けると、陽性結果が出ているケースが多いからです。アイスランドの研究所では陽性と診断された⼈々の50%は症状が全くない⼈々であると報告されています。テストを受けなければ、感染していることに気づかず、 他の⼈を感染させる可能性が⾼くなるからです。⼜、⼆回テストを受けた⼈の中には試験結果に⼀貫性がない場合が多数あります。最初陽性だと⾔われ、1〜2 週間後に⼆回⽬を受けたテストでは陰性だと⾔われたケース、⼜は逆の場合もあり、テストについては論争的です。トラ ンプ⼤統領は、テストを受ける⼈が増えれば増えるほど、確定症例の数値が上がる為、それは 彼の再選の希望にはマイナスであるとして、全ての⼈々にテストを受けさせることに⾮常に消極的で、彼が、パンデミックを政治化しているからだとの批判もあ、るようです。CDC のディレクターは 2018年3 ⽉にトランプ⼤統領に指名された⼈物であることから、トランプのテストに関する⽅針が反映している可能性があるなどの指摘もなされています。
以上が、疾患対策予防センターのQ&Aの中で、我が国でも参考となりそうな主な問答です。
二.自宅退避等引きこもり状態で、精神的な不安定の状態に陥らないようにするためによく言われている留意事項
その1: 家族の役割分担。例えば母親等に役割が集中しすぎないように夫婦、親子間での役割の分散等を行うこと
その2: 対話を心掛ける( 何でもないおしゃべり的なこと。)
・ 役割等での、アドバイスや議論での押し付け等は行わない
・ 二人だけよりは、三人以上のメンバーが好ましい
・ おひとりさまの場合には、近場の安全な散歩コースの探索
その3: 基礎体力(免疫力)を落とさないように
・ 「病(やまい)は気から」の諺を忘れないでね
・ 規則正しい食事、適度な運動も忘れないこと
・ 不自由等を、逆に生かす機会(普段しないことへの挑戦)等前向きに考えましょう
三.COVID-19後の国家、国民、産業界への影響等:
人類はいま、世界的な危機に直面しています。おそらく私たちの世代で最大の危機と言えるようです。私たちや各国政府が今後数週間でどんな判断を下すかが、今後数年間の世界を形作ることになる。その判断が、医療体制だけでなく、政治や経済、文化をも変えていくことになる可能性があると歴史学者は言う。COVID-19は、今後もさらに起こりうる世界規模の自然災害的なものなので、1国1地域だけで対応できる問題ではないということです。
私たちは速やかに断固たる行動をとらなくてはなりません。選択を下す際には、目の前の脅威をどう乗り越えるかだけでなく、この嵐が去ればどんな世界に住むことになるかも自問すべきだ。新型コロナの嵐はやがて去り、人類は存続するだろうが、私たちはこれまでとは違う世界に暮らすことになりかねないのです。
今回の危機で、私たちは2つの選択に直面しました。1つは「全体主義的な監視」と「市民の権限尊重」のどちらを選ぶのか。もう1つは、この度の危機が、国境を越えたものであることから、自国ファーストの「国家主義的な孤立」を選ぶのか、グローバリズムの「世界の結束」のいずれを選ぶのかでした。
第1国内的には、私たち一人ひとりが、根拠のない陰謀論や自分の利益のことしか考えていない政治家ではなく、科学的なデータや医療関係の専門家たちを信頼しなければならない。自分たちの健康を守る手段の選択を誤れば、私たちにとって最も大切である行動の自由やプライバシーを手放す事態になりかねない。全体主義、民主主義のいずれかだけを選択することで対応できるのか等々の問題でもあるようなのです。国等の利害関係者に自然、環境、等のほかに細菌等が仲間入りしているのです。
第2の国際面で、グローバルに結束していく方を選べば、21世紀に人類を襲うであろう様々な病気の大流行や危機にも勝利することができる。グローバルな分裂が主要国の選挙等での優勢傾向の中で、新型コロナの流行が、分裂の方の選択では、自然災害や、異常気象、疫病等の大な危険をもたらすということを人類が理解する絶好の機会になるのであれば、コロナ禍での気の毒な犠牲者の皆様にも報いることができるではないでしょうか。
そのためにも、コロナ撲滅のために私たち全員の協力が求められているのです。自分のためだけでなく、他人のため、ひいては国のため、全人類のためでもあるのですから・・・本気で頑張りましょう!