IMFによるコロナ禍の世界経済への影響の見通し及びIRSによる一回限りの支援金の支払い開始(その5)

 

はじめに:

IMFは、「大封鎖」 大恐慌以来最悪の景気後退の見出しのギータ・ゴピナート(IMFの経済顧問兼調査局長)による国際通貨基金(IMF)が1月に「世界経済見通し(WEO)改訂見通し」で予測を最後に発表してからの3か月後の、コロナ禍の世界経済への影響の見通しの記事が掲載されました。その見通しの条件としては、パンデミックが2020年後半に収束し、世界中で実施されている政策行動が広範囲におよぶ企業倒産、失業の長期化、金融システム全体のストレスを防ぐのに効果を発揮すると想定すると、世界経済の成長率は2021年に5.8%まで回復すると予測される。としています。国別の成長率予測の表も添付されています。前提条件が未だ正確に予測できないパンデミックの真っ最中であるだけに何とも言えませんが、現時点での可能な限りの予想でも、「世界のほとんどの国で、感染症の大流行とそれにともなう拡大防止措置が今年の第2四半期(4~6月)にピークに達し、年後半にかけて徐々に収束すると想定した場合、IMFは4月の「世界経済見通し(WEO)」において、世界経済の成長率が2020年にマイナス3%まで落ち込むと予測している。これは2020年1月時点の予測を6.3%ポイント引き下げるものであり、きわめて短い期間での大幅な下方修正だ。この結果、「大封鎖」は世界金融危機をはるかに上回る、大恐慌以来最悪の景気後退となる。」ということの様です。

 予測の条件としている、ほんの1例であるアメリカの経済刺激策の1部の個人への経済刺激のための現金支給の開始が四月の今週からスタートしているとIRSから発表されているので、併せてご紹介します。失業保険の請求の急増等はすでに報道されていますが、それをはるかに上回る大規模なものです。

 

一.「大封鎖」 大恐慌以来最悪の景気後退(IMFによるコロナ禍の世界経済への影響の見通し)

出典:https://www.imf.org/ja/News/Articles/2020/04/14/blog-weo-the-great-lockdown-worst-economic-downturn-since-the-great-depression

ギータ・ゴピナート 著

2020年4月14日

国際通貨基金(IMF)が1月に「世界経済見通し(WEO)改訂見通し」で予測を最後に発表してからの3か月で、世界は劇的に変わった。新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)という、まれに見る危機により、おそろしいほど多くの人命が失われた。各国が感染拡大防止に必要な隔離や社会的距離確保の対策を実施するなか、世界は「大封鎖」と呼べる状況に置かれている。それを受けて経済活動は、私たちがこれまで経験したことがないほどの規模と速度で落ち込んでいる。

今回の危機は他に類を見ないものであり、人々の命や生活に及ぼす影響にも大きな不確実性がともなう。その行方はウイルスの疫学的特性、感染拡大防止措置の有効性、治療法やワクチンの開発に左右される部分が大きく、いずれも予測は難しい。それに加えて多くの国が今、公衆衛生の危機、金融危機、一次産品の急落といった多重的危機に直面している。こうした危機は互いに複雑に作用しあう。政策当局者は一般家庭、企業、金融市場に、先例のない支援を提供している。これは力強い回復の実現に不可欠だが、この大封鎖が終わったときに経済の様相がどのように変わっているか、相当な不透明感がある。

世界のほとんどの国で、感染症の大流行とそれにともなう拡大防止措置が今年の第2四半期(4~6月)にピークに達し、年後半にかけて徐々に収束すると想定した場合、IMFは4月の「世界経済見通し(WEO)」において、世界経済の成長率が2020年にマイナス3%まで落ち込むと予測している。これは2020年1月時点の予測を6.3%ポイント引き下げるものであり、きわめて短い期間での大幅な下方修正だ。この結果、「大封鎖」は世界金融危機をはるかに上回る、大恐慌以来最悪の景気後退となる。

 

パンデミックが2020年後半に収束し、世界中で実施されている政策行動が広範囲におよぶ企業倒産、失業の長期化、金融システム全体のストレスを防ぐのに効果を発揮すると想定すると、世界経済の成長率は2021年に5.8%まで回復すると予測される。

この2021年の回復は、部分的なものに過ぎない。経済活動の水準は、ウイルス流行前にIMFが予測した2021年の見通しを下回る水準にとどまると予想されるためだ。パンデミック危機による2020年から2021年の世界GDPの損失は合計約9兆ドルに達する可能性があり、これは日本とドイツのGDPの合計を上回る。

 

今回は影響を免れる国のない、真にグローバルな危機だ。観光業、旅行業、ホスピタリティ産業、娯楽産業などに成長を依存している国々は、とりわけ大きな打撃を受けている。新興市場国と発展途上国はそれ以外の課題にも直面する。比較的脆弱な医療システム、支援策のための財政余地が限られたなかで危機への対応を迫られる一方、世界的にリスク選好が弱まるなかで先例のない額の資本逆流が発生し、通貨圧力にもさらされている。しかも複数の国が、経済成長の停滞と高水準の債務という脆弱な状態で今回の危機に突入した。

大恐慌以来初めて、先進国・地域と新興市場国・発展途上国が同時に景気後退に陥っている。今年、先進国・地域の成長率はマイナス6.1%と予測される。通常であれば先進国・地域を大幅に上回る水準にある新興市場国と発展途上国の成長もマイナスに転じ、2020年は全体でマイナス1%、中国を除くとマイナス2.2%と予測される。1人当たりの所得は170か国以上で減少すると予測される。先進国・地域と新興市場国・発展途上国のどちらも、2021年には部分的回復が予想される。

 

さらに厳しい代替シナリオ

ここまで述べてきたのはベースライン・シナリオだが、公衆衛生危機の持続期間や厳しさについてはきわめて不確実性が高いことから、IMFはより厳しい代替シナリオも検討している。世界的流行が今年後半に勢いを失わず、感染拡大防止措置が長引き、金融環境が悪化し、グローバルなサプライチェーンがさらに崩壊する可能性もある。そのような場合、世界GDPの落ち込みはさらに大きくなる。パンデミックが2020年のもっと遅い時期まで続けばGDPは今年さらに3%、2021年に入っても続けば来年は8%、それぞれベースライン・シナリオより低くなると予測される。

例外的な政策行動

外出禁止や封鎖によって新型コロナウイルスの感染拡大を抑制することで、医療システムは感染症に対応することができ、それは経済活動の再開を可能にする。このような意味で、命を救うことと生活を守ることは二者択一ではない。各国は医療システムへの十分な支出や広範囲にわたる検査を継続し、医療物資への貿易制限を控えるべきだ。新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンが開発されたときに、豊かな国も貧しい国も同様に直ちに利用できるように、国際社会は協力すべきである。

経済が停止している間、政策当局者は市民が基本的ニーズを満たせるようにし、また感染症が深刻な急性期を脱したら企業活動が回復するように、対策を講じなければならない。多くの政策当局者が大規模かつタイムリーな、そして対象を明確にした財政、通貨、金融政策をすでに実行している。そこには債務保証、流動性対策、債務の支払猶予、失業保険の拡充、社会給付の拡充、減税などが含まれており、家計や企業の命綱となっている。このような支援は、今回の深刻な景気後退にともなう投資抑制や雇用喪失による爪痕が長く残らないようにするためにも、感染症封じ込めのフェーズを通じて継続すべきだ。

政策当局者には回復への備えも求められる。封じ込め措置が成功したら、回復を後押しするため、需要を支え、企業の雇用を促進し、民間および公共部門のバランスシートを修復することへ政策の軸足を迅速に移す必要がある。財政余地のある国々が協調的に財政刺激策を実施すれば、すべての国がより大きな恩恵を享受できる。債務の支払猶予や再編は、回復のフェーズでも継続する必要があるかもしれない。

グローバルな回復を力強いものにするためには、多国間協調が欠かせない。発展途上国が必要な支出を実行できるように、二国間債務の債権国や国際金融機関は譲許的融資、無償援助、債務救済を実施すべきである。主要な中央銀行の間でのスワップラインの創設および稼働は、国際流動性不足を緩和するのに役立ってきたが、それをさらに多くの国々に拡大する必要があるかもしれない。生産性がさらに失われて景気回復が損なわれることを避けるため、世界で脱グローバリゼーションが進まないようにする協調的な努力が必要である。

IMFは脆弱な国々を支えるために、迅速に融資実行が可能な緊急融資制度や、最貧国の加盟国を対象とした債務返済免除を通じて機関が持つ1兆ドルの融資財源を積極的に駆使している。また、債権国政府についても同じように取り組むように呼びかけている。

この公衆衛生危機がいずれ終わるという希望の兆しはある。各国は少なくとも今のところ、社会的距離を確保する措置、検査、感染者と接触した人の追跡によってウイルスの拡散防止に成功しており、治療法やワクチンは予想よりも早く開発されるかもしれない。

ただ当面、次に何が起こるかは不確実性がきわめて大きい。危機の規模と速度に応じて、国内でも国際的にも政策対応を大規模かつ迅速に行い、新たなデータが明らかになったら速やかにその見直しを行う必要がある。世界がこの危機をともに乗り越えるためには、医師や看護師の方々と同じような勇敢な行動が、世界中の政策当局者にも求められている。

 

二.IRSは今週末、刺激的な支払いの送金を開始しました。

Li ZhouおよびElla Nilsen 著   2020年4月14日、午後2時20分EDT

出典:https://www.vox.com/2020/4/14/21220468/coronavirus-stimulus-check-irs-eligibility-timing

 

IRSは今週末、直接刺激の最初の波を正式に預入しました、と当局はTwitterで発表した

1回限りの「経済的影響の支払い」は、個人で1,200ドル、夫婦で2,400ドルにもなる可能性があり、労働者と企業がコロナウイルスの発生による広範囲にわたる経済的影響に立ち向かうのを支援するために議会が承認した最近の刺激策の一部です。 お子様連れの納税者は、17歳未満のお子様1人につき追加$ 500の支給対象となります。

支払いは、直接預金または郵便のいずれかで今後数か月以内に送られる予定ですが、直接預金の方がはるかに速いと予想されます。支払いは税金の対象ではなく、翌年の個々の税金の払い戻しには影響しません。

IRSが支払いの送金を開始するにつれ、誰が彼らの資格を得るか、そして彼らの配布のタイミングについて多くの疑問が浮上しました。Voxにはいくつかの回答があります。

1,200ドルの直接支払いを受け取るのは誰ですか?

直接支払いは、個人またはカップルの2018年および2019年の確定申告で報告された調整済み総収入に基づいて、次のように分類されて分配されます。

  • 年間総調整収入が75,000ドル未満のほとんどの成人は、1,200ドルの一括払いを受け取ります。支払いが$ 99,000程度の個人に支払われますが、$ 75,000を超える人は全額を受け取ることができません。
  • 子供のいない夫婦の合同所得が年間150,000ドル未満の場合、合計2,400ドルを受け取ります。支払いは、収入が$ 198,000のカップルに支払われますが、$ 150,000を超えるカップルは、全額を受け取ることはできません。
  • 子供がいる世帯も、両親または両親の収入がこれらの支払いの対象であり、子供が17歳未満の場合、子供1人につき500ドルを受け取ります。
  • 過去に「世帯主」として申請した納税者は、収入が112,500ドル未満の場合、全額1,200ドルを受け取ります。支払いは、収入が$ 136,500の世帯主に支払われますが、$ 112,500を超える世帯主には全額が支払われません。
  • $ 75,000を超える個人および$ 150,000を超えるカップルの直接支払い額は、個人が$ 75,000を超える$ 100ごとに$ 5減少します。たとえば、収入が85,000ドルの個人は、700ドルの支払いを受け取ります。
  • 2018年または2019年に納税申告を提出しなかった人は、直接支払いを受け取るために別のオンラインフォームに入力する必要があります。個人が直接支払いを受けるには、社会保障番号も必要です。

 

詳細については、VoxのDylan Matthewsの説明をご覧ください。

 

直接支払いの対象にならないのは誰ですか?

  • 多くの大学生を含む他の大人から扶養家族と主張されている大人は、直接支払いの対象にはなりません。
  • VoxのNicole Nareaが報告しているように、多くの移民はプログラムから除外されています。無許可の移民を含む世帯の人々は、世帯のパートナーの1人が過去1年間に軍に仕えていなかった場合を除き、プログラムから除外される可能性のある人々の中にいます。AP通信によると、税金を支払うが法的地位を持たない移民も資格がない。
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直接支払いを受け取るにはどうすればよいですか?

  • 多くの成人の場合、直接支払いを取得するために必要な追加のアクションはありません。人々が2018および2019に納税申告書を提出し、これらのファイリングに直接預金情報を含めた場合、支払いは数週間以内にIRSによって自動的に入金されます。
  • 2018年または2019年に確定申告を提出し、提出書類に直接預金情報を含めなかった場合、IRSは、これらの詳細を送信して支払いを迅速化するために使用できるオンラインツールをロールアウトする予定です。この「Get My Payment」ツールは今週後半に稼働する可能性があります。IRSに銀行情報が登録されておらず、フォームに記入していない場合は、郵送で支払いを受け取ることができます。
  • これらの年のいずれかで社会保障または福利厚生を受け取っていない場合は、追加の納税申告は必要ありません。IRSは、既存のファイルの情報を使用して支払いを送信します。代理店は、4月中旬から直接預金を設定している社会保障受益者への支払いを開始する予定です。
  • 総収入が$ 12,200(約130万円)のしきい値を下回ったため、または税金を申告する必要がないことを意味する他の理由により、これらの年のどちらにも納税申告を提出しなかった人のために、IRSが、情報を提出するためのオンラインフォームを提供した人は、これらの支払いを受け取ることができます。このフォームには、このリンクからアクセスできます。

このフォームに必要な情報には、社会保障番号、名前、住所、扶養家族に関する詳細が含まれます。このフォームに記入しても税金はかかりませんが、直接支払いを取得する必要があります。銀行口座の預金情報を含めると、その支払いの処理を迅速化できます。

人々はいつ直接支払いを受けますか?

この質問への答えは、2018年または2019年に税金を申告したかどうかによって異なります。

  • これらのいずれかの年に税金を申告し、IRSが銀行口座情報を持っている場合、直接の支払いは数週間以内に直接預金を通じて分配されると予想されます。IRSは、4月の第2週にこれらの支払いを口座に送金し始めました。
  • IRSは、小切手を郵便で申告書に記載された住所に直接郵送することもできますが、小切手の郵送には最大20週間、つまり5か月かかることが予想されます。郵送で小切手を受け取った個人は、遅くとも9月までは小切手を受け取ることができないと投稿は述べています。郵送で配布される最初の小切手は5月上旬に発送されます。小切手は、まず低所得者に郵送されます。
  • これらの支払いを取得するためにIRSに新しい情報を送信する必要がある人にとって、受領までに多少の遅延が予想されますが、現時点ではどのくらいかかるかは不明です。

                                                                              

終わりに;

(その4)の結びで述べたように、この度のコロナ禍の犠牲者のご不幸と比べたら、経済成長の一時的マイナスなんて取るに足りないものであり、これによる経験を将来の国家及び国民、ひいては全人類のために生かせるかどうかが我々に残された課題であるような気がしてなりません。

 

 

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