アメリカ大統領選挙の投票日とコロナと異常気象の行方等での国民の選択

はじめに;

 今年の前半は、コロナパンデミックの世界中での蔓延、それに対する主要国のリーダーの対応等が比較の対象となったようです。世界のリ-ダーのなかで、最もマスコミの焦点が当てられているのは、今年任期が満了するアメリカのトランプ大統領でしょう。

 今年は、アメリカで4年ごとに行われる大統領選挙の年で、民主・共和両党が党としての大統領選候補者を決める党員集会・予備選等が、2020年11月の投票までに必要なステップのようです。党員集会・予備選は、民主・共和両党が党としての大統領選候補者を決めるもの。2月のアイオワ州を皮切りに、6月上旬のプエルトリコまで、アメリカのすべての州と準州で開催されます。

4年前はドナルド・トランプ氏が共和党候補の座を勝ち取り、11月の本選で民主党候補ヒラリー・クリントンを破って、ホワイトハウスの主となった。

共和党では、現職のトランプ氏に対して数人の挑戦者が名乗りを上げているが、トランプ氏の人気は高く、同党候補となることは確実視されているようだ。

つまり、注目に値するのは民主党の党員集会・予備選だけだ。そこで、このたびの民主党の大統領および副大統領候補者決定の経過をおさらいしてみましょう。

 ステップ1:スタートライン

 1年ほど前から様々な人が民主党の候補者争いに手を上げ、その数は28人に上った。しかし、資金不足や世間の生ぬるい(または冷え冷えした)反応、候補者同士のやり合いの結果、16人が離脱した。本年2月のスタートラインで残るのは12人でした。理屈上は全員にチャンスがあるが、現実には候補の座を射止める可能性があるのは数人に絞られていました。 

ステップ2:アイオワ州党員集会

党員集会といっても、集まるのはせいぜいが数時間だ。参加者は、支持する候補者への投票を挙手などで表明する。集会は限られた少数の場所でしか開かれない。ただ投票所に行けばいいというものはない。そのため、わざわざ参加しようという気にさせるのが得意な候補者(例えばバーニー・サンダース氏)に有利に働きがちな選挙方式といえる。投票の結果、得票率が15%未満の候補者が出た場合は、その支持者は得票率15%以上の他の候補者に投票し直すか、そのまま他候補に投票しないことができる。

 党員集会はかつてよく開かれたが、今年の大統領選で民主党は、ネヴァダ、ノースダコタ、ワイオミング、アイオワの4州でしか開かない。

 1972年以降、大統領選の皮切りになっているアイオワ州の党員集会で勝てば、その候補者は勢いを得る。ただし、アイオワ州は住民の多数が白人で、アメリカの縮図とはとても言えない。 

ステップ3:ニューハンプシャー州予備選

 アイオワ州党員集会の8日後の火曜日(2月11日)に、最初の予備選が、北東部の小州ニューハンプシャー州で開かれる。

予備選の投票方法は、一般的な選挙と同じだ。投票の結果、得票数が多い候補者ほど、数多くの「代議員」を割り振られる。今年は例年と違い、得票率が15%に満たなかった候補者は、予備選でも党員集会でも代議員を獲得できない。州によって代議員の人数は大きく異なる。カリフォルニア州の今年の代議員は415人。一方、ニューハンプシャー州はわずか24人だ。

ニューハンプシャー州の予備選で、誰が苦戦しているかはっきりする。一方、この予備選で勝利しても、党候補の座が約束されるわけではない。というのは、次に紹介するステップが非常に大きいからだ。 

ステップ4:スーパーチューズデー

 3月3日の火曜日、16の州と準州などで予備選・党員集会が開かれる。

この日の結果で、全米代議員の3分の1が割り振られる。民主党候補が誰になるのかが、かなり見えてくる。

代議員が特に多いのが、カリフォルニア州(415人)とテキサス州(228人)だ。カリフォルニアは前回より3カ月、予備選を前倒しすることになり、スーパーチューズデーの注目度を一段と高めている。

カリフォルニアとテキサス両州には多様性の非常に高い住民が住んでいるため、アイオワやニューハンプシャーとはかなり違う候補の選び方をする可能性がある。 

ステップ5:残りの予備選

 スーパーチューズデーの熱狂から1週間後の3月10日(火)、6州で投票があり、計352人の代議員を誰が獲得するか決まる。

この時点で候補者決定まで3カ月残っている。そして3カ月後には、代議員の役割が明確になるイベントが待っている。 

ステップ6党大会

 コロナパンデミックにより、共和党は党大会の開催地の確定に紆余曲折が見られます。民主党は、群衆の集会を開催することはできないため、会場は縮小され、当初予定されていたミルウォーキーのフィサーブ.フォーラムではなく、ウィスコンシン.センターで開催されることが2020年6月下旬に発表された。これまでのお祭り騒ぎ的な行事が、テレビ等での聴取者等への中身のある大会へと大変身し、報道等でご承知の通り、大会2日目の8月18日の夜に、バイデン大統領候補とハリス副大統領候補が公式に指名され、受諾のスピーチ等が成功裏に終わったばかりです。今回、ミルウォーキーで開催されたイベントは全国に広がる数十のサテライト.サイトに直結していました。そこで、それぞれの代議員は投票を行い、投票は主要会場の関係当局に送信されることになっていました。つまり、コミュニケーションはすべてインターネットで行われ、ゲスト.スピーカーを含む全ての参加者はウィスコンシン.センターに直接行く必要がなく、自宅または近辺の孤立した場所からスピーチを行ったのです。まさに,『コロナ禍転じて福となした』ようです。

一方の共和党全国大会(RNC)は2020年8月24日から27日まで開催される予定です。RNCは、群衆の集会を知事に拒否されたため、最初に予定していたノース.キャロライナ州シャーロットでの大会をフロリダ州のジャクソンビルに変更したが、7月23日にキャンセルし、規模は劇的に縮小した。大会は開催せず、ホワイトハウスからの共和党の指名をライブで受け入れる可能性が高いことを示唆したが、非合法の可能性がある為、初日の8月24日(月)は結局、シャーロットで開催される予定である。この日、午後9時から午後11時の間にトランプ大統領と副大統領マイク.ペンスの正式な指名はライブで行われるようです。

 ステップ7:大統領に?

 ここまで来れば、大統領まであと1歩だ。11月3日の本選挙に勝利すれば、ホワイトハウスの主となる。

 

以上が、時系列による大統領選挙の本選挙までのステップですが、11月3日の本選挙での決定の仕組み等をテーマごとに要約すると以下の通りです。

 選挙はいつで候補は誰か

 アメリカ大統領を決める選挙の投開票日は、11月の最初の月曜の翌日の火曜日と決まっている。今年が11月3日だというのは、そのためだ。

アメリカ政界では19世紀後半以降、共和党と民主党が二大政党として圧倒的な力を維持してきた。そのため、近現代の大統領は常にそのいずれかの党に所属してきた。

今のアメリカでは共和党が保守的な政党で、現在は与党だ。現職のドナルド・トランプ大統領が2期目の再選を目指している。共和党は「Grand Old Party(偉大な伝統ある政党)」を自称し、その略称「GOP」とも呼ばれる。財政的な保守の側面と、社会的保守の側面を併せ持ち、近年では減税や銃保有権の促進、移民規制の強化などを打ち出してきた。また20世紀後半から農村部の支持を伸ばしてきた。

トランプ氏以前の共和党の大統領には、ブッシュ親子やロナルド・レーガン、ジェラルド・フォード、リチャード・ニクソン各氏がいる。これに対して今の民主党はリベラル政党で、今年の大統領候補にはオバマ政権の副大統領を2期8年務めたジョー・バイデン氏が決まった。トランプ氏は現在74歳で、バイデン氏は78歳。もしバイデン氏が当選すれば、就任時に過去最高齢の米大統領になる。

 

勝敗はどうやって決まる

 全国的に一番たくさんの票を得た候補が勝つ……わけでは必ずしもない。2016年には民主党のヒラリー・クリントン氏が、トランプ氏よりも300万票近く多くの票を獲得した。しかし、それでも勝ったのはトランプ氏だった。これは、トランプ氏がクリントン氏よりも、多くの「選挙人」を獲得したからだ。

アメリカの大統領選では、まず州の人口ごとに「選挙人」が割り当てられている。総数は538人なので、当選に必要な人数は270人だ。

有権者はそれぞれ、共和党の候補に投票にするのか、民主党の候補に投票するのかを決める。その票は州ごとに集計され、票数に応じてその州がもつ選挙人が、いずれかの候補の持ち分となる。

ほとんどの州では、最も多く得票した候補がその州の選挙人全員を獲得する。得票率で選挙人を配分する州は、メイン州とネブラスカ州の2州のみ。

こうしてどちらの候補の持ち分か決まった選挙人が、最終的に有権者の民意に反して大統領候補を選ぶことはまずない。

ほとんどの州は伝統的に、支持する政党が決まっている。そのため候補たちはそれ以外の、両党の間で「swing state(揺れる州)」、いわゆる接戦州や激戦州と呼ばれる州に選挙活動を集中させる。激戦州で、しかも人口が多く選挙人の数も29人と多いフロリダ州が重視されるのはこのためだ。選挙人18人のオハイオ州も、激戦州のひとつ。選挙人が最も多いカリフォルニア州(55人)とニューヨーク州(29人)は伝統的に、リベラルな民主党の牙城とされる。

共和党は中西部で伝統的に強いが、共和党候補を長年支持してきたテキサス州やアリゾナ州で民主党が支持を伸ばしているため、激戦州になりつつあると言われている。テキサス州の選挙人は38人と、カリフォルニア州に次いで多い。

 アメリカのこの「選挙人団」による間接選挙の仕組みには、他の選挙制度と同様に長所と短所がある。とはいえ、人口が集中する都市部以外の有権者の民意も反映しようと、アメリカ建国当時の議論の中から生まれた仕組みで、200年以上にわたりほとんどの場合は、選挙人による勝敗は、全国的な得票数による勝敗と一致してきた。しかし、過去5回の大統領選で2回、これが一致しなかったことがある。ジョージ・W・ブッシュ氏が勝った2000年と、2016年にトランプ氏が勝った2016年です。

 

誰がどうやって投票するのか

 アメリカ国民で18歳以上なら、大統領選で投票する資格がある。

しかし、多くの州には、投票前に身分証明書を提示しなくてはならないという州法の決まりがある。こういう規制を導入するのは多くの場合、共和党だ。共和党は、不正投票を防ぐ必要があるからだと言う。これに対して民主党は、これは一種の投票妨害だと批判する。多くの場合、運転免許証などの身分証明書を提示できないのは、貧しい少数者の有権者だからだと民主党は言う。

ほとんどの人は投票日の当日に、投票所で票を入れる。しかし、近年ではそれ以外の投票方法とその利用者も増えてきた。2016年には投票した人の21%が郵便で投票した。

今年の大統領選では、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、投票方法が議論の対象になっている。郵便投票の拡大導入を求める政治家がいる一方で、トランプ大統領はほとんど根拠を示すことなく、郵便投票は不正投票につながると発言を続けている。

郵便投票による不正は過去に、共和党と民主党の双方に散発的に起きている。しかし、全国規模や州規模の複数の研究が実施されているが、広範な不正があったという証拠は見つかっていない。

2016年には約2億4500万人が有権者だったが、実際に投票したのは1億4000万人未満だった。米国勢調査局によると、有権者登録をせずに投票しなかった人の大半は、自分はともかく政治に興味がないのだと答えたという。有権者登録したものの投票しなかった人の多くは、どちらの候補者も気に入らなかったからだと答えた。

刑務所で服役する受刑者の投票する権利についても、州ごとに規則が異なる。ほとんどの州では、有罪判決を受ければ参政権を失うが、刑期を終えれば権利が復活する決まりになっている。

 

11月3日に選ばれるのは大統領だけ?

いいえ。世界の注目は、トランプ対バイデンに集中するが、有権者は連邦議会議員も同時に選ぶ(副大統領候補のマイク・ペンス副大統領とハリス上院議員への投票は、大統領候補への投票とセットで、個別には行わない)。

連邦議会の上院(定数100)の議員の任期は6年で、議員の3分の1が2年ごとに改選される。そのため今回の改選対象は33人。

下院(定数435)の議員任期は2年で、2018年11月の中間選挙に続き、今回も435人全員が改選対象となる。

上院は現在、与党・共和党が53議席で多数党。下院は野党・民主党が232議席で多数党。

両党とも、両院での多数党を目指している。

連邦議会は立法府として、連邦政府の予算決定や閣僚人事の承認権など、様々な権限を持ち、大統領(行政府)に対するチェック機能を持つ。

たとえば民主党は昨年の中間選挙で下院を奪還したことで、トランプ大統領を弾劾訴追したほか、トランプ政権に様々な圧力をかけてきた。

今年11月の選挙で上下両院の多数党がどちらになるかは、ホワイトハウスの住人がどちらになるとしても、その政策の実施に大きな影響を与える。

 

結果はいつ分かる?

 最後の一票まですべての票を数え終わるまでには数日かかることがあるが、通常は翌日未明の時間までに勝者が判明している。

11月8日が投票日だった2016年には、トランプ氏は9日午前3時ごろに大歓声の支持者たちの前に立ち、勝利演説をした。

けれども今回はそういうわけにはいかないかもしれない。各州の選挙管理委員会はすでに、予想通りに郵便投票が急増すれば、結果判明までに数日、場合によっては数週間かかる可能性があると述べている。

アメリカでは選挙当日に投票所に行くか、その前に郵便投票するしか、投票方法は認められていない。しかし細則は州ごとに異なり、一部の州では郵便投票するには選挙当日に投票所に行けない理由を提示する必要がある。新型コロナウイルスの感染予防を有効な理由として認めている州もいくつかあるが、すべての州ではない。

投票締め切りから数時間の内に勝者が判明しなかった直近の事例は、ジョージ・W・ブッシュ対アル・ゴアの2000年選挙だ。フロリダ州で再集計を求めるゴア陣営に対し、ブッシュ陣営は再集計停止を求め、法廷闘争が1カ月以上続いた後、連邦最高裁が12月12日に再集計を実質的に中止させる判断を示した。つまり、この時は大統領が決まるまでに1か月以上かかったことになる。

 

当選者はいつ就任するのか

現職のトランプ氏が再選しても、挑戦者のバイデン氏が初当選しても、就任式は来年の1月20日に連邦議会の前で行われる。

バイデン氏が次期大統領になった場合は、11月から就任式までの期間は移行期間となり、組閣作業が行われる。

就任式を終えた大統領はホワイトハウスに入り、4年間の任期が始まる。

 

終りに;

 以上の過程を経て大統領が決められますが、オバマ前大統領が選挙民に訴えていた、投票率の向上に影響を与える郵送による投票の成否や、コロナによる国内経済状態をはじめ、国際関係等々が選挙民にどのような影響を与え、米国民がどのような行動に出るかは、主要先進国の中で最も情報公開度が高いだけに、我が国の老若男女の選挙民への絶好の勉強の機会であると考え、この投稿のタイトルの最後に、民主主義国家の最終的な責任は国民にあることの意味から、「国民の選択」をくわえました。我が国に最も影響力がある同盟国で、ありえないくらい迷走している米国のリーダーの選択の動向には目が離せません。

(・・・続く)

 

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