2015年8月21日更新

トピックス2015年8月号

 

目次

 

はじめに(財政再建と日本再興戦略等)

 海外マスコミ(IMF)の見方

 OECDの見方

平成27年度税制改正の概要

マイナンバーへの対応

IRSスキャンダルの総括

 

 

はじめに

 

1.財政再建と日本再興戦略での政府の動き

自民党の財政再建に関する特命委員会(委員長・稲田朋美政調会長)は財政健全化に向けた具体策を検討する目的で2月に発足し、先の総選挙で国民に約束した経済再生と財政再建の両立の実現に向け、精力的に議論を行ってきた。議論は、官民の代表者、学識経験者からのヒヤリングや議論を都合25回にわたって行われ、取りまとめられたものです。最終報告書は6月16日の総務会で了承を得た後、首相官邸に提出された。

黒字化に必要とされる9.4兆円の赤字解消には「歳出改革を中心とした議論が重要」と指摘。中間点となる18年度の歳出額に上限目標を設けるよう提起した。

 16日に党内手続きをへて、稲田氏が政府側に申し入れ、月内にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)などへの反映をめざす。

 稲田氏は12日の会合で「当てにならない成長を当てにして黒字を達成するのではなく、道筋を立てるのが私たちの責任だ」と強調した。提言も「わが国の持続的発展には財政に対する市場の信認と社会保障制度の安定が不可欠で財政再建は避けて通れない」と訴えた。

 政府は高成長を前提に、基礎収支の赤字を国内総生産(GDP)比で15年度の3.3%から、18年度に1%程度まで縮める中間目標を設ける方針。歳出額に着目した目標設定には政府内で異論もあり、実現するかどうか不透明な情勢だ。甘利明経済財政・再生相は同日の会見で「経済成長と無関係に歳出を縛るのは論理矛盾だ」と述べた。

 党側の提言は膨らみ続ける社会保障費の抑制策について、受診時定額負担の導入や高額療養費制度の見直し、高所得高齢者の年金減額などを列挙した。ただ、すべてを「検討課題」にとどめ、具体的な歳出削減額や実施時期の明示は避けた。厚生労働族などの党内の反発の声に配慮した。

 

そして予定通り、政府は6月30日夕の臨時閣議で「経済財政運営と改革の基本方針2015」「『日本再興戦略』改訂2015」などを閣議決定した。経済財政運営の基本方針、いわゆる骨太の方針では、現在進めている法人税改革のできるだけ早期の完了と、経済成長の維持・促進とともに経済成長を阻害しない安定的な税収基盤を構築する観点から税体系全般にわたるオーバーホール(大がかりな修理・点検)を進めることを打ち出した。

  今後の税制改革に当たっては、個人所得課税を中心に据え、税収中立を基本に、総合的かつ一体的に税負担構造を見直すとしている。その際には、①低所得若年層・子育て世代の活力維持と格差の固定化防止のための見直し、②働き方・稼ぎ方への中立性・公平性の確保、③世代間・世代内の公平の確保など経済社会の構造変化をを踏まえ、できるだけ早期に税制の構造的な見直しを行うこととし、政府税制調査会を中心として具体的な制度設計の検討に速やかに着手するとした。

  公的年金等控除を含めた年金課税のあり方の見直しも検討する。このほか、地域間の税源の偏在を是正する方策を講ずるとともに、地方自治体が自主性を発揮できるよう課税自主権の拡充を図ることも盛り込まれている。

 

2.国税庁の動き

一方国税庁では、現在、社会保障・税番号制度について、所得把握の適正化・効率化や納税者利便の向上を図るため、事務系統の垣根を越え、番号の利活用策実施に向けた取組を進めている。このほか、7月からスタートした「国外転出時課税制度」、今年10月から施行される「国境を越えて行われる電子書籍の配信などの消費税の課税の見直し」、28年6月までに施行される「国税不服申立制度」の見直しについて、制度の周知・広報をはじめ、適切に準備を進めていくこと。また、本年1月から相続税の課税ベースが拡大され、7月の路線価公開後、これまで以上に納税者からの相談等の増加が見込まれることから、引き続き、広報・相談体制の整備に努めていくこととしている。

 

◎ 海外マスコミ(IMF)の見方

 

日本の債務削減:成長頼みの非現実的な計画

2015.6.25(木)The Economist

(英エコノミスト誌 2015年6月20日号より)

楽観主義に勝るものはない――非現実的であるところを除いては。

 安倍晋三首相が昨年11月、予定されていた2度目の消費税増税を延期した際、それは正しい行動だった。何しろ、2014年4月の最初の増税が、すでに脆弱だった経済に打撃を与えていたからだ。

 だが、日本が他のどの先進国よりもはるかに緩和的な財政政策を取っているため――財政赤字は国内総生産(GDP)比6.9%――、首相はそれと同時に、GDP比246%に達し、今も増加している日本の山のような公的債務を減らすための信頼できる長期計画も約束する必要があった。

 この計画は今夏に発表される予定だが、大筋はすでに分かっている。そして、計画が本来の仕事を怠るのではないかという懸念が高まっている。

 何人かのエコノミストは、計画は将来の経済成長について、それゆえ税収についても非常に楽観的な想定をしていると言う。政府は、国家債務について2つのシナリオを示している。

政府が描く2つのシナリオ

 より悲観的なシナリオは、経済を再生させるための安倍氏の取り組みが不十分で、年平均成長率がわずか1%となり、日本が何年もはまり込んでいるデフレの罠から辛うじて抜け出すことを想定している。

 その場合、日本は、政治家たちが2010年に約束した、プライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)を黒字にするという2020年の目標を大きく外すことになる。これは国家債務を減らすことに対する政界の主要なコミットメントであり、達成できないとなれば重大なことだ。

 当然ながら、政府は「経済再生」という別のシナリオを信じていると言う。このシナリオでは、デフレは2%程度のインフレに移行し、政府は生産性を向上させ、2023年まで年2%以上の経済成長を生み出す徹底した構造改革を行う。年2%以上という成長率は、日本と異なり人口が増加している米国について一部の人が予想しているよりもさらに高い数字だ。

 こうした楽観的な想定の下で、政府は膨大な税収が生じ、大幅な歳出削減や、8%から10%への2度目の消費増税(今年10月の予定から2017年4月に延期された)以外の増税の必要性を弱めると予想している。だが、それでも日本は、2020年までにプライマリーバランスを黒字化するという約束を達成できず、その時点でもまだGDP比1.6%の赤字になる見込みだ。

 政府の財政の観点からすると、どちらのシナリオがより正確かは、もしかしたら現時点では重要ではないかもしれない。何しろ、その途方もない大きさにもかかわらず、国家債務は金融の安定にとって差し迫ったリスクではないからだ。

 債務の9割は国内で保有されているため、国債市場が神経質な外国人に翻弄されることはない。そのうえ、日銀の巨額の量的緩和プログラムが債券利回りを過去最低水準まで低下させている。

 だが、政府が信頼できる状態でなければ、債券利回りを最低水準に維持することはできないし、中央銀行はどこかの時点で量的緩和を終わらせたいと思うだろう。現状でも国債の元利払いの費用は予算の4分の1近くを占め、年金や医療費の割合を上回る。債券利回りが上昇すれば、国債費は急増するだろう。

 政府は、最近の経済ニュースが自らの楽観主義を正当化していると考えている。低成長の時期を経て、GDPは今年第1四半期に、在庫が増えたことや企業が消費拡大を期待して投資を増やしたことで年率3.9%のペースで拡大した。だが、このような成長を維持するのは、不可能ではないとしても難しい。

 

生産性向上への過度な期待

 特に、政府の生産性向上の予測は非現実的なように見える。政府は、2016年から2020年にかけて日本の全要素生産性――つまり、労働力と資本が使われる効率――が年1%から同2.2%に跳ね上がると仮定しているが、これは好況に沸いた1980年代に記録した水準だ。

 経済再生シナリオは、労働市場や医療その他の分野で一連の大幅な改革が行われるを示唆している。だが、コーポレートガバナンス(企業統治)と農業の分野を除くと、このような抜本的な変化の兆しはほとんど見られない。

 それ以外の分野では、政府が約束したような生産性の伸びを高めるための十分な構造改革が進行しているとはとても言えない、とモルガン・スタンレーMUFG証券のロバート・フェルドマン氏は言う。

 

IMFとの見解の相違

 一方、税収が増加するという政府の見通し(安倍氏のアドバイザーたちは、税収は経済再生シナリオよりもはるかに大幅に増え、実際、2020年までに財政を黒字化させるだろうと言う)は、国際通貨基金(IMF)と大きく食い違っている。IMFは、経済再生シナリオの過度に楽観的な前提は「財政の持続可能性を回復させる政府の能力に対する信頼を傷つける」恐れがあると言う。

 確かに、安倍氏は2018年に政府の任期が切れる前に政治的に難しい歳出削減を行うのを避けたいと思っている。将来の支出に上限を設けることさえも望んでいない――特に2度目の消費増税の景気縮小効果を相殺するために、多くの刺激策を確保したいと思っているからだ。

 安倍氏は、例えば後発医薬品のより幅広い利用を奨励することで、医療費を抑制しようとするだろう。だが、年金の給付に資力調査を導入したり、支給開始年齢を引き上げたり、終末期医療の費用急増に対処するといったより大胆な対策は、今のところ計画段階にとどまっている。

 そのことは、政府は財政赤字を減らすために十分な対策を取っていないと考えている日銀の黒田東彦総裁からさらなる非難を招くだろう。政府は相変わらず挑戦的だ。安倍氏のアドバイザーの1人はIMFを鼻であしらい、にべもなく、IMFは「これまで予測で正しかったことはほとんどなく、我々は彼らの助言に従いたくない」と話している。

 

○ OECDの見方

OECD事務総長「日本、消費税15%にすべきだ」 対日報告 債務残高「未知の領域」

2015/4/16付日本経済新聞 朝刊より

 経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は4月15日、日本の債務残高を「未知の領域」と警告する内容の対日審査報告書を公表した。都内で開いた記者会見では消費税率を「15%に引き上げるべきだ」と歳入・歳出両面での改革を求めた。

 日本の債務残高は国内総生産(GDP)比で226%と、OECD34カ国で最も高い。報告書は日本政府への信認が下がり、長期金利が上昇するリスクを懸念。「金利上昇は実体経済を不安定にする恐れがあるため、成長率が一時的に押し下げられても大規模な歳入増加は不可欠」と早急な改革を求めた

 具体策として挙げたのは消費税率の一段の引き上げだ。政府は10%への引き上げを計画しているが、それでも「OECD平均(19%)の半分に過ぎない」と一段の増税の必要性を訴えた。

 所得税の課税ベースの拡大も求めた。収入に対する控除の割合は日本は61%と米国(57%)やドイツ(52%)、英国(27%)と比べて高い。消費税増税と課税ベース拡大の両輪で歳入を増やす必要があるとした。

 歳出削減については医療や年金などで具体策を列挙した。医療や介護の自己負担を増やすよう提言。個別の診療行為の報酬を積み上げて医療費を算出する「出来高払い」をやめることも求めた。年金の支給開始年齢を引き上げる案も示した。

 安倍晋三首相に報告書を渡したグリア事務総長は「アベノミクスは機能しているが課題もたくさんある。例えば生産性を高める必要がある。債務についてもソフトランディング(軟着陸)を目指す必要がある」と指摘した。制御不能のインフレに陥るような事態になる前に、歳入と歳出の改革を計画的に進めるよう促したものだ。

 首相は「有益な提言をいただいたことに感謝したい」などと述べた。政府は今夏に財政健全化計画をまとめる方針だ。

 報告書は急速な高齢化が日本の潜在成長率を0.75%に押し下げる要因になっているとの分析も盛り込んだ。人口減に伴う労働力の目減りを補うために、女性や外国人労働者を活用するように促した。

 

 

平成27年度税制改正の概要

 

出典:http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei15.htm

 

1  デフレ脱却・経済再生に向けた税制措置

⑴ 成長志向に重点を置いた法人税改革

 平成27年度税制改正から着手する法人税改革は、「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」ことにより、法人課税を成長志向型の構造に変えることを目的としており、より広く負担を分かち合い、「稼ぐ力」のある企業等の税負担を軽減することで、企業の収益力を向上させる取組みを後押しするものです。

 改革を通じて、企業の収益力改善に向けた投資や新たな技術開発等への挑戦がより積極的になり、それが成長につながっていくと考えられます。また、企業が収益力を高めれば、継続的な賃上げが可能な体質となり、より積極的な賃上げへの取組みが可能となると考えられます。

なお、地域経済を支える中小法人への影響に配慮して、平成27年度は大法人を中心に改革を行うこととしています。

 具体的には、平成27年度税制改正では、・欠損金繰越控除の見直し、受取配当等益金

不算入の見直し、法人事業税の外形標準課税の拡大、租税特別措置の見直しにより、財源

を確保しつつ、・ 国の法人税の税率引下げと、地方の法人事業税所得割の税率引下げを行い、

・ 平成27、28年度は、経済の好循環の実現を力強く後押しするために法人税率の引下げを先行させることとし、国・地方を通じた法人実効税率(現行34.62%)について、平成27年度▲2.51%・平成28年度▲3.29%の引下げを行うこととしました。

 なお、与党税制改正大綱においては、平成28年度税制改正では、課税ベースの拡大等により財源を確保して、平成28年度における税率引下げ幅の更なる上乗せを図ることとされており(▲3.29%+α)、その後の年度の改正においても、数年で法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指して改革を継続することとされています。

 また、上記の措置に加え、平成27年度税制改正では、所得拡大促進税制の拡充などを講じることにより賃上げの取組みを後押しすることとしました(給与等支給額の増加要件について、毎年度1 %ずつ上乗せする形へと要件を緩和。

さらに、中小法人については、平成27~29年度の増加要件を一定とし賃上げへのインセンティブを高める)。

⑵ 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長・拡充

 足元の住宅市場活性化策及び消費税率10%への引上げ(平成29年4 月)に伴う駆け込み及び反動減対策の観点から、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の適用期限を延長した上で拡充することとしました。具体的には、適用期限は平成31年6 月末まで延長し、非課税枠は、現行の最大1,000万円から最大3,000万円にまで拡充することとしました。

⑶ NISAの拡充

 若年層への投資のすそ野を拡大し、さらには、高齢者に偏在する膨大な金融資産を若年層に移転して、成長資金へと動かす契機とするなどの観点から、20歳未満の者の口座開設を可能とするジュニアNISAを創設することとしました

(年間投資上限額80万円)。

 また、現行NISAについても、投資上限額を引き上げることとしました(年間100万円⇒120万円)。

 

2  地方創生

⑴ 地方拠点強化税制の創設

 地域再生法の新たな枠組みの下、企業の本社機能等に関し、東京圏から地方への移転、又は地方における拡充の取組みを支援するため、税制措置を創設することとしました。

 具体的には、たとえば、東京23区からの移転の場合、①本社等の建物に係る投資減税(特別償却25% or 税額控除7 %(計画認定が平成27・28年度の場合。平成29年度の場合は4%。))を講じることとし、②雇用促進税制の特例(地方拠点の増加雇用者数1 人当たり最大80万円の税額控除(最大の場合、3 年間合計で140万円))を適用することとしました。

(注) 地域再生法においては、各企業は、一定の区域における本社機能等の強化について、必要な投資や雇用増を盛り込んだ計画を作成し、都道府県の認定を受けることができるとされました。

⑵ 外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充

 消費税免税店の拡大及び利便性向上を図る観点から、商店街やショッピングモール内などにおける消費税の免税手続きを、「免税手続きカウンター」でまとめて行えるようにすることとしました。

⑶ 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設

 祖父母や両親の資産を一括贈与により早期に移転することを通じて、若年層の経済的不安を解消し、子や孫の結婚・出産・育児を後押しするため、これらに要する資金の一括贈与に係る非課税措置を創設(非課税枠:1,000万円)することとしました。

 

3  消費税率引上げ時期の変更等

⑴ 消費税率10%への引上げ時期の変更

 経済再生と財政健全化を両立するため、平成27年10月に予定していた消費税率10%への引上げ時期を平成29年4 月とすることとしました。

⑵ 景気判断条項(税制抜本改革法附則18条3項)の削除

 社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの信認を高めるために財政健全化を着実に進める姿勢を示す観点から、平成29年4 月の消費税率10%への引上げは、「景気判断条項」を付さずに確実に実施することとしました。

⑶ 住宅ローン減税等の適用期限の変更

 消費税率引上げによる住宅投資への影響の平準化・緩和策である住宅ローン減税等の措置については、平成29年末までの適用期限とされていましたが、消費税率10%への引上げ時期の変更を踏まえ、その適用期限を1 年6 ヶ月延長することとしました。

 

4  国際課税関連

 G20・OECDが推進している「BEPS(BaseErosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)プロジェクト」等の取組みの趣旨を踏まえ、クロスボーダーの取引や人の動きに係る課税の適正化に向けて取り組むこととしました。

⑴ 国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し

 国内外の事業者間の競争条件の公平性を確保する観点から、国外事業者が国境を越えて行う電子書籍・音楽・広告の配信等の電子商取引を消費税の課税対象とすることとしました。

⑵ 外国子会社配当益金不算入制度の適正化

 外国子会社配当益金不算入制度とは、国際的な二重課税を排除するため、外国子会社から日本の親会社に支払われる配当(外国において法人税が課された後の利益から支払われる)については、親会社の益金に算入せず、課税しない制度です。この制度について、国際的な二重非課税を防止する観点から、外国子会社において損金に算入される配当を制度の適用対象から除外することとしました。

⑶ 国外転出をした場合の譲渡所得等の特例の創設

 租税条約上、株式等のキャピタルゲインについては株式等を売却した者が居住している国に課税権があるとされています。これを利用し、巨額の含み益を有する株式を保有したまま出国し、キャピタルゲイン非課税国において売却することにより、課税逃れを行うことが可能となっています。

 そこで、このようなクロスボーダーでの課税逃れを防止する観点から、巨額の含み益を有する株式等を保有して出国する者に対する譲渡所得課税の特例を創設することとしました(出国時の有価証券等の評価額が1 億円以上の者であり、かつ、原則として、出国直近10年内において5 年を超えて居住者であった者が対象)。

 また、これにあわせて、現行の財産債務明細書について、所得税・相続税の申告の適正性を担保するため、事務負担にも配慮しつつ、記載内容を充実するなどの見直しを行うこととしました。

⑷ 非居住者に係る金融口座情報の自動的交換制度の整備

 G20サミット等において、外国の金融機関の口座を通じた国際的な脱税及び租税回避に対処する観点から、非居住者の金融口座情報を各国税務当局と自動的に交換することが合意されたことを踏まえ、金融機関に対し非居住者の金融口座情報の報告を求める制度を整備することとしました。

 

5  復興支援のための税制措置

 福島の避難解除区域等に帰還して事業を再開しようとする事業者を対象に、投資費用を積み立てやすくするための準備金制度を創設するなど、引き続き東日本大震災からの復興を支援するための税制措置を講ずることとしました。

 

6  その他

⑴ 自動車重量税の見直し

 エコカー減税について、燃費基準の移行を円滑に進めるとともに、足下の自動車の消費を喚起することにも配慮し、2 年間の経過的な措置として、平成32年度燃費基準への単純な置き換えを行うとともに、現行の平成27年度燃費基準によるエコカー減税対象車の一部を、引き続き減税対象とする等の措置を講ずることとしました。

⑵ たばこ税の見直し

 昭和60年に廃止されたたばこ専売制の下で、廃止時に「3 級品」として低価格で販売されていた銘柄の紙巻たばこ(「旧3 級品」)については、「当分の間」の措置として、現在に至るまで一般の紙巻たばこよりも低い税率が適用されていましたが、この特例税率について、WTO協定等の内外無差別原則の遵守を確実なものとするため、段階的に縮減・廃止することとしました。

⑶ 円滑・適正な納税のための環境整備

① 国外居住親族に係る扶養控除等の書類の添付等義務化

 会計検査院の平成25年度決算検査報告における指摘を受け、国外居住親族に係る扶養控

除等の適用を適正化する観点から、適用を受ける納税者に対し、親族関係書類等の添付等

を義務付けることとしました。

 

 

 

 

平成27年度税制改正

印刷用データ(全ページ) [12,137KB]

表紙 [3,151KB] 目次 [2,108KB] 法人課税 [1,660KB] 資産課税 [1,102KB] 個人所得課税 [2,686KB] 消費課税 [2,295KB] 国際課税 [1,078KB] 納税環境整備 [727KB] (参考)平成27年度の税制改正(内国税関係)による増減収見込額 [605KB] 裏表紙 [3,151KB]

 

 

出典: http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2015/explanation/index.html

平成27年度税制改正の解説

〔目    次〕

 

項     目

概要 728KB

詳解

平成27年度税制改正について

主税局総務課課長補佐

 

関 禎一郎

292KB 3

所得税法等(国外転出時の特例の創設)の改正

主税局税制第一課課長補佐

 

仲  信祐

          〃

 

佐々木 誠

9

541KB 81

所得税法(国外扶養親族その他)の改正

主税局税制第一課課長補佐

 

神谷  信

12

369KB 125

租税特別措置法等(金融・証券税制関係)の改正

主税局税制第一課課長補佐

 

佐々木 誠

13

1,099KB 145

租税特別措置法等(所得税関係の土地・住宅税制関係)の改正

主税局税制第一課課長補佐

 

田名後正範

17

454KB 223

租税特別措置法等(所得税関係の事業所得等の課税の特例その他)の改正

主税局税制第一課課長補佐

 

伊藤 昌広

19

723KB 251

法人税法の改正

主税局税制第三課課長補佐

 

藤田 泰弘

          〃

 

笠原 博之

          〃

 

松本 圭介

          〃

 

竹内 啓

          〃

 

木原 健二

25

1,122KB 318

租税特別措置法等(法人税関係)の改正

主税局税制第三課課長補佐

 

藤田 泰弘

          〃

 

笠原 博之

          〃

 

松本 圭介

          〃

 

竹内 啓

          〃

 

木原 健二

29

1,274KB 392

相続税法の改正

主税局税制第一課課長補佐

 

峪 和生

          〃

 

坂井 裕幸

          〃

 

越中 隆広

37

276KB 536

租税特別措置法等(相続税・贈与税関係)の改正

主税局税制第一課課長補佐

 

峪 和生

          〃

 

坂井 裕幸

          〃

 

越中 隆広

38

1,008KB 547

租税特別措置法等(登録免許税関係)の改正

主税局税制第一課課長補佐

 

峪 和生

          〃

 

坂井 裕幸

          〃

 

越中 隆広

41

273KB 606

国際課税関係の改正

主税局参事官補佐

 

髙橋 龍太

          〃

 

安河内 誠

          〃

 

山田 博志

          〃

 

加藤 隆宏

          〃

 

松村 香

42

1,814KB 615

租税条約等の締結

主税局参事官補佐

 

中澤 弘治

          〃

 

松村 香

          〃

 

岩崎浩太郎

55

442KB 795

消費税法等の改正

主税局税制第二課主税調査官

 

上竹 良彦

主税局税制第二課課長補佐

 

藤山 智博

          〃

 

城戸 格

          〃

 

西田 勇樹

56

741KB 825

租税特別措置法等(間接税等関係)の改正

主税局税制第二課課長補佐

 

堀内誠一郎

          〃

 

宮地 孝一

          〃

 

石井隆太郎

58

453KB 868

国税通則法等の改正

主税局税制第一課課長補佐

 

松汐 利悟

          〃

 

藤崎 直樹

59

1,082KB 887

地方税法等の改正

主税局総務課課長補佐

 

下村 卓矢

63

1,639KB 924

平成27年度の租税及び印紙収入予算等について

主税局総務課課長補佐

 

篠田 和哉

327KB 998

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う国税通則法等の改正(平成28年1月マイナンバー利用開始)

主税局税制第一課課長補佐

 

松汐 利悟

          〃

 

藤崎 直樹

79

387KB 1013

 平成27年度税制改正の解説については、文中、意見等にわたる部分は筆者の個人的見解であることを予めお断りしておきたい。

参考

法令解釈通達:(国税庁のサイトより)

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/menu.htm#a-syotoku

 

 

 

マイナンバー導入の背景

 

Ⅰ.導入の経緯

 

はじめに

2015年10月より、マイナンバー制度(番号制度)が導入され、国民一人一人にマイナンバーが通知され、施行されていくことになります。マイナンバー制度の導入により私たちの生活はどう変わるのでしょうか。また、企業は想像以上に大変な対策を行う必要があります。マイナンバー制度に関するあれこれ、吾輩ができるだけ分かりやすくまとめてみました。マイナンバーをつけられる庶民の観点からの対応、利活用上の観点から書いてみました。できるだけ多くの皆さんが、クールに前向きにマイナンバーを考えられることを期待します。

 

導入がなぜこんなに遅れたの?

 構想の始まりは半世紀以上前にさかのぼります。

通称「国民総背番号制」として、1968年に佐藤栄作内閣が導入をめざしました。当初の目的は、個人の所得を正確に把握し、特に高所得者からきっちりと税を集めることでした。しかし、締め付けの強化という発想には反対論が根強く実現しませんでした。

 グリーンカード制度での失敗

80年代には、「マル優」と称される300万円以下の非課税貯蓄制度があり、この制度を悪用して利子・配当課税を逃れるための「仮名口座」が横行しました。この課税逃れを防ぐため、「少額貯蓄等利用者カード(グリーンカード)」制度を盛り込んだ「所得税法改正案」は1980年3月にいったん成立しましたが、施行される段になって実施反対論が噴出、1985年には議員立法で廃案になってしまいました。

 住民基本台帳での抵抗

2002年からは住民の情報を自治体間で共有する住民基本台帳ネットワークが稼働しましたが、プライバシー保護の観点で問題

視され十分に活用されているとはいえません。税から切り離された制度であってさえ、市民の抵抗は大きかったのです。

 このように、日本の歴史上、庶民の国家(行政、お上)への不信感が、根底にあり、すべてを把握されたくないとの気持ちが強いのを反映して、市民の国民背番号への抵抗感には根強いものがあったのでした。たとえお金持ちでなくても、貧乏であることさえ知られたくない気持ち。また行政のいわゆるセクショナリズム、自分の役所にかかわる個人情報を他の役所に提供したくないことからの抵抗も背景にあったようなので、この市民、行政双方からの抵抗が、我が国の国民背番号制の導入を遅くした背景のようでした。

 

マイナンバー制度が受け入れられた最大の理由

  少子高齢化社会の進展、社会保障の充実が急務、消費税率の引き上げ等による、社会保障制度と税制の一体改革が急務となりました。言いかえれば、『税を取り立てるため』から『市民へのよりよいサービスを提供するため』へと制度の趣旨が変わったことが、制度が成立した理由と考えられます。マイナンバーは、民主党が政権を握っていた2012年に制度を設計し、法案(その2参照)が提出されたが、解散で廃案となり、政権交代後の自民党なども賛成して成立した法律(その1参照)に基づくものです。菅政権がつけた愛称「マイナンバー」を使い続け、法案そのものも一部の修正にとどまりました。

個人情報を把握されない代わりに便利な公共サービスを受けることを放棄することが正しいのか、便利さと怖さは裏表の関係です。制度への評価は、そのまま政府への信頼の度合いを示します。行政が信じられない社会であり続けることは、結局は行政の非効率と好ましくない結果をもたらすことに国民が気付き始めたと、政治が先取りした結果であったと言ってよいでしょう。もっとわかり易く言えば、「世界で最先端の少子高齢化社会に突入している我が国において、健全な福祉国家を作るためには、『社会保障給付に必要な『国民の正確な所得把握』 のために、番号の導入が必要になったのです。

 政府への信頼が増せば番号の利用範囲も広がっていくはずです。米国の社会保障番号は銀行で口座を開くのにも必要ですし、スウェーデンの住民登録番号に至っては商業利用も認められていて、クレジットカードで買い物をするときにも番号の入ったIDカードの提示を求められるそうです。何となく抵抗してきた国民に対して、その疑いを打ち砕くマイナンバー制度を政治が導入してくれたのです。やっと他の先進国並みにです。この制度を成功に導くのは、我々国民であり、成功させないことによる不利益は、最終的に自分たちにかかってくることを認識しなければなりません。

よく番号制度のメリット、デイメリットが報じられています。吾輩に言わせれば、その答えは極めて明快です。正直で、正しい行動をしている人にとっては、メリットが目立ち、そうでない人にはデメリットが目立つと言ってよいでしょう。敢えて全員にとってのデイメリットとなる可能性を挙げれば、この制度が、乱用や我々の権利の制限に利用されることでしょう。しかしこのようなデイメリットが無い制度なんて想像することは困難です。制御できないデイメリットでない限り、必ず監視、予防できるはずです。しかもそれは制度の運用の中に盛り込まれているのです。罰則規定等がその一例です。

 

マイナンバーをめぐるスケジュール

 1. 2015年10月・・・マイナンバーの個別通知が『通知カード』で始まる

・平成27年10月から、住民票を有する国民の皆様一人一人に12桁のマイナンバー(個人番号)が通知されます。また、マイナンバーは中長期在留者や特別永住者などの外国人の方にも通知されます。

 2. 2016年1月・・・・マイナンバーの利用開始(当面は社会保障、税、防災の3分野のみ)

    ・ 行政コストが削減できるほか、個人の所得状況や社会保障の受給実態を正確に把握しやすくなり、公平で効率的な社会保障給付につながる

・ 災害時要援護者リストの作成/更新や災害時の本人確認等に活用ができます。また、生活再建への効果的な支援も行えるようになると期待できます

 3. 2017年1月・・・・情報ネットワークシステムの運用開始(自治体との連携は7月から)

 4.    同上 ・・・・・マイ・ポータルの運用開始

 5. 2018年~19年・・民間事業者を含めた利用範囲の拡大の例

   ・ 運転免許証、健康保険証、キャッスカード、クレジットカード等の機能

   ・ 引っ越し等での住所変更等の自動化

   ・ 医療サービス等での情報の共有化

 (注) 民間利用については、法律施行後3年をめどに、その段階での法律の施行状況等をみながら、検討を加えたうえで必要がある場合には、所要の措置を講じることにしている。

 

結び

社会保障と税の共通番号(マイナンバー)は、 国や自治体が社会保障と税の情報を効率よく管理するため、一人ひとりに割り当てる12桁の番号。番号を記載したマイナンバーカードが配布され、児童手当の申請などの行政手続きがカードの提示のみで済むようになる。ネット上に番号の付いた個人の専用ページ「マイナポータル」ができ、税や保険料の記録の確認や、自治体からの通知を受け取る「電子私書箱」も利用できるようになる。

  役所の窓口で番号を伝えれば他の身分証明書の提示は不要になる。個人がインターネット上で自分の番号の付いた専用ページ「マイナポータル」を開き、保険料や税の収納記録を確認できる。

 第2段階として、18年から銀行口座を持つ人に番号を任意で登録してもらう方針も決まっている。これは通常国会で関連法案を審議中だ。

 政府が今回まとめるのは第3段階の改革案だ。18年にも戸籍などの関連法を改正して順次、実施する。

 証券会社が顧客の税務処理を簡単にできるよう個人が証券会社に自分の番号を通知することは決まっている。新たに投資家自身の税務手続きも簡単にする。個人が証券会社からの配当や売却益の支払通知書をネット上で受け取って自分の「マイナポータル」に取り込み、ネットで税務申告できるようにする。今は個人が通知書などをもとに申告書を書き、税務署に提出しなければならない。

 戸籍や旅券、自動車登録などの手続きにもマイナンバーを使えるようにする。番号で本人確認できるため年金受給や相続の時の必要書類が減り、手続きも簡単になる。旅券の申請も現在は住民票や戸籍謄本を提出しなくてはならないが、番号を使えば書類提出は不要になる。

 海外にいる日本人もマイナンバーを使えるようにする。現在は番号を住民票に基づいて割り振っているため、海外では利用できなくなる。住民票のない海外居住者にも番号を割り振り、在留届け出などの手続きに使えるようにする。

 マイナンバーカードの利用範囲を行政手続き以外にも広げる。カードと健康保険証を兼用したり、たばこの自動販売機で年齢確認に使えたりするようにする。将来は医師や弁護士などの資格の確認などに使うことも検討する。

 自民党ではさらなる活用策を検討している。しかしながら、マイナンバーを使いこなすのは、最終的には番号の所有者である我々国民であることを肝に銘じておきましょう。

 

 

2.QA マイナンバー対応で判断に迷うポイント」(著者: 税のしるべ編集部編)

 

出典:http://shirube.zaikyo.or.jp/article/2015/07/06/26663.html

 

第1回/特定個人情報が漏えいすれば損害賠償請求の可能性も

 

 来年1月からのマイナンバー制度の利用開始に向けて、10月から国内に住民票のある人すべてに個人番号の通知が始まります。  10月5日時点で住民登録している人それぞれに12ケタの番号が指定され、市区町村が住民票の住所地に「通知カード」を簡易書留で郵送し、通知されます。  この通知後、すべての企業は従業員やその扶養家族から番号を取得し、源泉徴収票などの税務関係書類や社会保障関係の届出等に記載して税務署や健康保険組合などに提出しなければなりません。  個人番号は法律で認められた目的以外に利用することはできないので、取得に当たっては、利用目的を特定し、一定規模以上の事業者は従業員等に対して利用目的を通知する必要があります。  誤った番号の取得や他人による成りすましを防ぐため、書類による番号の確認と免許証等による身元確認を行うなど、本人確認を行う義務も企業に課されます。また、番号の取扱方針や取扱規程を策定し、番号を含む個人情報(特定個人情報)の漏えい対策として安全管理措置を講じるなど、社内体制を整備しなくてはなりません。  特定個人情報が漏えいすれば、対外的な信用の低下や損害賠償請求を起こされる可能性も否定できません。不正な漏えいだと、刑事罰の適用対象にもなり得ます。  大企業ではマイナンバー対応が着々と進んでいます。しかし、中小・零細企業で「十分な準備ができている」と自信を持って言える企業は、ほとんど存在しないのではないでしょうか。  10月からは法人番号の通知も始まります。  ここでは、マイナンバー制度の開始に向けて、企業が判断に迷うポイントを次週以降10回にわたってQ&Aで説明します。

 

第2回/10月の番号通知後から取得可能、早ければ28年1月から必要に

 

Q : 従業員等の個人番号はいつから取得が可能ですか。また、いつまでに取得をする必要がありますか。

 :  企業は個人番号を必要とする事務の発生が予想できた時点で、従業員等に番号の提供を求めることができます。事務の発生が予想できれば、今年10月の番号の通知後いつでも取得が可能です。他方、遅くとも番号を記載すべき法定調書等を行政機関等に提出する時までには取得が必要になります。  源泉徴収票であれば、中途退職者を除き29年1月末までに税務署に提出する分から記載が求められます。中途退職者には、退職日以後1カ月以内に番号を記載した源泉徴収票を本人に交付しなければならないので、28年1月以降に退職者が出た場合は、その者の番号がすぐに必要になります。年始に短期アルバイトを雇う場合なども早期に取得したいところです。  また、扶養控除等(異動)申告書は28年以降に企業に提出される分から記載が必要です。番号を記載した同申告書の提出は、企業にとっては番号の取得に当たります。従業員が28年分の同申告書を27年中に提出する場合は番号を記載する必要はありませんが、企業が記載を求めても問題ありません。  社会保障関係では、雇用保険分野が28年1月提出分から、健康保険・厚生年金保険分野が29年1月提出分から採用、退職による資格取得や喪失時の届出等に番号が必要になります。既存の従業員・被扶養者分の番号は、28年1月以降いずれかの時期に企業から健康保険組合やハローワークへの報告を求めるとしていますが、具体的な時期は決まっていません。

 

第3回/最初の対応は個人番号の取得が必要な者の洗い出し

 

Q : これからマイナンバー対応に着手しようと思います。差し当たって、何から検討を始めればよいでしょうか。

 :  決まりはありませんが、個人番号の取得が必要となる者の洗い出しから入るのが一般的なようです。  自社の業務全体を見渡し、番号の記載が必要となる書類を調べ、番号を取得しなければならない者を確認します。  従業員とその扶養親族、役員、パート、アルバイトなどの番号の取得は必須ですが、例えば「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の対象となる顧問税理士や弁護士、講演料や原稿料の支払先のほか、不動産使用料の支払先などからも、支払が一定額以上となり法定調書の提出が必要になれば、相手先の番号を取得しなければなりません。  こうした相手先ごとにいつまでに、どのような方法で、社内のどの部署が主体となり番号を取得するのかといったことを検討します。  そのうえで、社内規程の見直しや社内体制の整備を行います。既存の人事や給与、謝金システムがマイナンバー制度に対応できないようであれば、システムの改修や刷新も検討します。  番号を含む個人情報の漏えいを防ぐため、各種安全管理措置も講じなければなりません。情報管理を徹底すべく、社内研修を行う企業もあります。  マイナンバー制度に対応した社内規程案などは、インターネットで検索すれば、ひな形を見つけることができます。自社でゼロから作成することが難しければ、こうしたものを自社用にカスタマイズするのも一つの手です。

 

4回/特定個人情報1件でも安全管理措置は必要

 

Q : 当社の従業員はごく少数です。当社のような企業でも安全管理措置を講じなければならないのでしょうか。

A :   特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)で、従業員等の個人番号を含む個人情報(特定個人情報)を取り扱う企業は、情報の漏えいの防止等を目的に必要かつ適切な安全管理措置を講じなければならないとしています。従業員が100人以下の事業者など一定の企業に対しては、負担軽減のために特例が設けられているものの、同措置自体は、企業の大小を問わず、番号を扱うすべての企業が講じなくてはなりません。  同措置は、大きく分けて「基本方針の策定」「取扱規程等の策定」「組織的安全管理措置」「人的安全管理措置」「物理的安全管理措置」「技術的安全管理措置」の六つに分類されます。  このうち、基本方針は策定することが望ましいとされているものの、義務とはなっていません。他方、取扱規程等の策定や各種安全管理措置を講じることは義務です。これらを公表する必要はありません。  前記のガイドラインやそのQ&Aでは、取扱規程等の策定や各種安全管理措置を講じるに当たっての具体的な手法が例示されています。ただ、示されている手法はあくまで例示にすぎず、規模や事務の特性に応じ、各企業が適切な手法を採用することが重要だとしています。  例示された手法を参考に、従業員等から託された特定個人情報をいかにすればより適切に守ることができるかを、それぞれの実態に応じて検討してください。

 

5回/安全管理措置は適切に講じなければ勧告や命令の対象となる可能性も

 

Q:  安全管理措置を講じない場合、どのようなペナルティがあるのでしょうか。

A:

 マイナンバー法第33条は、個人番号取扱事業者に対し、取り扱う個人番号を含む個人情報(特定個人情報)の漏えい等の防止や安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならないとしています。

 また、同法第51条は、特定個人情報の取り扱いに関する監視・監督等を行う特定個人情報保護委員会にマイナンバー関係の法令に違反する行為が行われた場合、違反者に対して、その是正のために必要な措置をとるべき旨の勧告や命令を行う権限を与えています。

 安全管理措置を講じることは法令上の義務なので、適切に講じなければ、同委員会からの勧告や命令の対象になることも考えられます。命令に従わない場合、2年以下の懲役または50万円以下の罰金が課される可能性があります。

 とはいえ、同委員会の職員はごく少数なので、すべての企業が適切に安全管理措置を講じているかどうか逐一調べるのは、現実的に困難でしょう。また、国税庁は、税務調査の際に税務職員が企業の安全管理措置の適否を確認することはないとの見解を明らかにしています。トラブルさえ発生しなければ、行政機関によるチェックは存在しないといっても過言ではないと思います。

 ただ、自社から従業員や取引相手の特定個人情報が漏えいすれば、対外的な信用の低下は避けられません。悪質な漏えい事案だと、刑事罰の適用もあり得ます。法令の順守とともに、企業の自己防衛という観点からも、安全管理措置は適切に講じてください。

 

第6回/利用目的の通知が不要でも目的外の利用は不可

 

Q : 個人番号の取得に当たり、相手先への利用目的の通知は必ず行わなければならないのでしょうか。

:  利用目的の特定やその通知は、マイナンバー法に規定されている対応ではなく、個人情報保護法に基づいて、個人情報取扱事業者が個人情報を取り扱う際に適用されるものです。取り扱う個人情報が過去6カ月以内のいずれの日においても5000件を超えない事業者は「個人情報取扱事業者」から除外されているので、番号の取得に当たって相手先に利用目的を通知しなければならないのは、取り扱う個人情報が5001人分以上の事業者に限られます。  このため、取り扱う個人情報が5000人分以下であれば、利用目的の特定も相手先への通知の義務も課されません。一方、こうした義務が課されなくても、番号はマイナンバー法で認められた目的以外に利用できないので、目的外利用を避けるために、必要な事務は事実上、特定せざるを得ません。  また、通知義務が課されない場合であっても、理由を一切伝えることなく、いきなり「番号を提供してください」と告げるのは、少々乱暴でしょう。番号の取得には提供者の協力が不可欠です。丁寧な対応を心掛けたいものです。  利用目的の通知方法は、社内LANでの通知のほか、利用目的を記載した書類の提示、就業規則への明記等、その企業が番号以外の個人情報を取得する際に用いる方法と同様で構いません。番号を源泉徴収票の作成や雇用保険、健康保険の事務など複数の目的で利用する場合は、目的をまとめて示すことができます。

 

 

出典:

http://www.nytimes.com/2015/08/06/us/politics/senate-report-cites-irs-mismanagement-in-targeting-of-tea-party-groups.html

上院報告書は、ティーパーティーグループを標的にしたIRSの不始末を訴えています

 

JACKIEカルマスによる 8月5日、2015 NYTimes

ワシントン-水曜日に上院委員会は、内国歳入庁の不始末が免税資格を求めている保守的なグループを不適切に標的とするように自らを導いたということを満場一致で合意し、2年間の調査を閉じました。 しかし、パネルの報告書は、どの法律も侵されなかったこと、またホワイトハウスの政治が問題の背後にあったかどうかについては共和党と民主党を分裂させたことは示唆しませんでした。

 

 「この超党派調査はIRSの最高レベルでの総不始末を示しており、容認できない真実を確認する:IRSが権利の乱用をする傾向があること。」を、上院議員オリン·G.ハッチ、ユタ州の共和党上院財政委員会の委員長は、400ページ以上のレポートを発表するために密室投票した彼のパネルの後の所信表明で述べています。

I.R.S.高官は、当部門はそのタイトルに「ティーパーティー」や「愛国者」の非営利の申請者を選抜していたことを認めました。

 

ハッチ氏は、「委員会は政権の政治課題は、保守的なグループの扱いに関して、IRSの行動を導いたという証拠を発見した」と付け加えた。しかし、委員会の上級民主党、オレゴン州の上院議員ロン·ワイデンは、同じニュースリリースで、調査の結果、「政治的介入の証拠の無い、単なる純粋な官僚の不始末」が判明したと述べています。「政治的スペクトルの両側のグループは免税資格を確保するための努力に平等に扱われた。」とミスターワイデンは言いました。

 

共和党と保守的なグループは、最初のアプリケーション選び出しのIRSを非難した後、彼らは、2年以上前に始まった場所の解釈の2当事者の違いは、それらを残したティーパーティーの余分な精査や遅延のための免税資格を求めている組織を〜に関連しました。 そうであっても、行為の全体的な超党派および財務委員会の調査の結論は、疑惑の帯電性質と共和党の制御ハウスより党派並列問い合わせ両方与えられた注目すべきでした。

 

 「私たちの調査は2010から2013、IRS管理がティーパーティーやその他の政治的権利擁護団体が提出免税資格の申請の処理より効果的な制御、ガイダンスと方向を提供する責務で遅延したことが判明しました。」委員会は結論付けました。

 

論争とその後の調査 – キャピトル、IRS内部および司法省での、 -は数年間当局をかく乱しています。 それらはケースの中心人物と保守派の主なターゲットとなった、シンシナティ監督非課税組織のIRSユニットの最高責任者ロイス·ラーナーを含む、代理店の実行管理者やその他の関係者の追放に貢献しました。

 

議会のその後の予算削減は、納税者にサービスを提供するためにIRSの能力を妨げており、税務コンプライアンスを確保するために、その監査を削減しました。 および政府機関内部と外部の人が問い合わせが非課税エンティティのための許容されるものを超えて政治活動に従事する可能性があります非営利グループを識別するための責任従業員の萎縮効果があったと言います。 同時に、政治団体は、増殖しているとこれまで以上に多くのお金を取り込みます。

ハッチ、ワイデン両氏が委員会の報告書で推奨される変更を求めたが、それは議会が、彼らが夏休みから9月に戻る年に、IRSの議員は、すでに忙しく、おそらく分裂近くに直面している見直し法案を通過しようとするかどうかは不明です。

 

IRSは、レポートを確認することを声明で述べています。  「我々はすでに我々のプロセスや手順の改善を行うために多くの措置を講じてきた。」とそれは言いました。

 

委員会は、IRSが免税資格の申請者が追加の精査を取得する必要があるかどうかを決定する際に、IRSを導くための客観的な基準を求めていました。

 

ラーナーさんに対する公訴事実は、申請者が過度の政治活動に従事していたかどうかを測るには、「ティーパーティー」または「愛国者」などの用語が含まれている名前を持つものを検討することを米国弁護士協会の聴衆に言った2013年5月に、浮上しました。

 

問題となっている非営利団体は、社会福祉団体として定義されていて、そのその主な活動政治活動でないが、何らかの政治活動に従事しているエンティティに免税資格を付与する税コードのセクション501(C)(4)として知られていいます。IRSは、・・・ティーパーティーグループが全国的に増殖され、最高裁の判決が選挙献金にいくつかの制限を打った年の・・・2010年・・・にアプリケーションが殺到し、そしてIRSはそのシンシナティオフィスに審査を集中したと述べました。

 

ハッチ氏は、ラーナーさんのような「IRSの従業員の個人的な政治」が「RSの仕事のやり方」に影響をあたえたと述べた。しかし、委員会の民主党は、「彼女は民主党であったことの単なる事例証拠」以上に、ラーナーさんが彼女の政治的信念を、マネージャーとしての職務の遂行のやり方に影響を与えることにまかせた」ことは何もないことが示されていると報告書で述べました。

 

報告書は、かなり、左に傾いたものよりもかなりより保守的に傾いたグループが、複数年の遅れとその申請での時々の侵入監査を経験していたと述べています。 民主党は、より多くの保守的なグループが、2010年から2013年まで免税資格を求めていたという事実に起因するとしています。

訳者のあとがき;

ここだけの話ですが、アメリカの財務省の職員組合は、民主党に寄付していることを公表しています。政権からの働きかけがあったというよりは、職員の意識の中に、共和党の資金団体への免税の審査に重点が置かれても仕方がないのかな・・・。ということが結果論的にでもあれば、そうならなないための対策は必要なのかもしれません。それぐらい税務行政は、中立、公正さがもとめられているのですから。

疑いを晴らすための手続きの明瞭性が求められていると言ってよいでしょう。

                                          以上

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